小長辿の大トチ【こながたわのおおとち】

小長辿の大トチ

・県指定天然記念物
・香美町小代区大谷

●4方向に枝分かれした奇木
香美町小代区の中心地・大谷地区より久須部川を約6kmさかのぼった場所に、現在では廃村になった小長辿(こながたわ)集落があります。ここからさらに約300mほど奥に入った場所に、県指定の天然記念物・小長辿(こながたわ)の大トチがそびえ立っています。
樹齢は約1,000年といわれ、枝張りは東西、南北に29m以上、樹高は27mに達する巨木。
大トチの木は急傾斜地にあり、根元から約2mあたりで4本の大枝に分かれ、3本はトチノキの樹皮ですが、残りの1本は枝変わりしていて、縮れています。同じ樹幹から枝分かれした枝が1本だけ異なるため、奇木としても有名です。
小長辿地区は標高700mの場所にあり、地形が急峻なため、かつて人が住んでいた頃にはひどい雪崩に悩まされていました。村の人々は、この大トチと周辺に植生しているトチ林が雪崩の防御になるとして、大事に保護してきました。木の根元には大トチを祀る祠があり、村人のこのトチの木に対する気持ちが伝わってきます。