まいそう祭り【まいそうまつり】
まいそう祭り
まいそう祭り(養父市)
・養父市大屋町宮本御井神社

1月14日

・国指定無形民俗文化財

 

まいそう祭り
養父市大屋町/宮本御井神社/1月14日

古くから、神社の氏子たちに受け継がれてきた祭りで、古鬼面姿に木鉾を持った鬼をたたき、その年の無病息災を願います。伝説によると、その昔、この地が泥海であった頃、神が3艘の船に乗って渡っていたところ、2艘の行方がわからなくなりました。1艘は大屋町の隣、養父町建屋の船谷で見つかりましたがもう1艘はみつかりません。見つかった1艘の船は「アッター、アッター」と舞う、「御船祭」または「笑祭」と呼ぶ祭りとして伝えられていましたが、今では途絶えてしまい、資料の中でしか確認できません。

しかし、見つからなかったあと1艘は、「まいそう祭り」として残されています。「マーイソーナイ」(もう1艘ない)と呼びかけながら、夜を徹して捜すということが「まいそう祭り」の起こりとされています。

祭りは本殿で神事のあと、神主の御神火から点火された松明(たいまつ)を手に持ち、円陣を組みます。鬼役を演じるのは厄年の男性3人。太鼓の合図にあわせて、右手に木箱、左手に木鉾を持った一番鬼が拝殿から飛び出し、時計と逆回りに円陣をまわります。氏子たちは、「まいそう祭り」の語源である「マーイソーナイ」(もう1艘ない)とはやし立て、炎々と燃えさかる松明を頭上で振りかざしながら、木箱に激しくたたきつけます。二番鬼、三番鬼の順で続き、円陣を三周したあと、ほえ声をあげて本殿にそれぞれ消えます。燃えさかる松明の炎で鬼を追い払う珍しい火祭りです。