文常寺【もんじょうじ】

文常寺
・豊岡市鎌田
・聖観音立像 国指定彫刻
・聖観音立像 県指定彫刻
●表情も柔和、藤原から鎌倉時代へかけての聖観音立像

文常寺には、国指定重要文化財である聖観音立像が祀られています。左手に未敷蓮華、右手はたれて与願印という一般的な形の小仏像です。藤原時代から後期から鎌倉時代にかけてのものという感じがしますが、着衣の褶も浅く穏やかな彫りでもあるし、顔の表情も柔和で、目も耳も三道も平安時代の末期のものであると思われます。全体的に柔らかくかわいい感じのする仏像です。
また、県指定重要文化財となっている聖観音立像は文常寺の秘仏となっています。同じ厨子の中に二尊は安置されています。両腕まで一材で彫出した桧の一木造りで平安時代後期の作と思われますが、前立聖観音よりやや時代は古い。吹きさらしに近い堂内に長年立っていたものか損傷がひどくなっています。当初は彩色であったと思われますが、今は素木のように変わっています。