達徳会館【たっとくかいかん】
竹野駅舎

竹野駅の跨線橋

達徳会館
・豊岡市京口(豊岡高等学校内)
・県指定文化財

●豊岡高校の本館として建てられた擬洋風建築物
豊岡市の県立豊岡高等学校敷地内にある達徳会館は、2008年に兵庫県指定文化財に登録された近代化遺産です。1896年、兵庫県豊岡尋常中学校(現豊岡高校)の本館として建築され、市内に現存する明治期の数少ない擬洋風官公庁建築のひとつです。姫路尋常中学(現県立姫路西高等学校)に次いで、兵庫県下で2番目に古い中学校として、神戸尋常中学校(現神戸高等学校)と同年に建てられました。

1941年、校舎の前面改築の時に、この建物の消滅を惜しんだ同窓会組織の達徳会が譲り受け、元から少し離れた現在地に移築されました。以来、この建物は達徳会館と呼ばれ、現在に至ります。
木造2階建ての瓦葺き屋根。当時、1階は校長室、職員室、宿泊室等で配置され、2階は講堂でした。同市出石地区にある「明治館」とよく似た造りで、外壁は下見板張り、四隅にコーナーストーンを型取った板を張ったりと、洋風の建築物を真似た造りになっています。玄関ポーチには4本の円柱が立ち、古代ローマ建築の列柱様式を模した柱頭が特徴的です。講堂として儀式に使用されていた2階のベランダ部分は、明治天皇・皇后のご真影の奉安所として設けられたものです。同じような建物として、丹波市の氷上郡第一高等小学校(現在は大手会館)が残っています。

※同会館は非公開