延応寺の大ケヤキ【えんおうじのおおけやき】
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●生野義挙ゆかりの寺に残る巨木 朝来市生野町口銀谷の延応寺は、延応元年(1239年)に創建され、町内に現存するお寺の中では、一番古い真言宗の寺。四条天皇が時の名をとって名前をつけられたという、由緒深い古刹です。また、幕末期の生野義挙の際に、志士・平野国臣ら30数名がここに集まり、倒幕運動の策を練ったことでも知られています。 この延応寺の観音堂前にある大ケヤキは、樹齢400年以上といわれる老巨木。県の天然記念物にも指定されています。樹高30m、幹まわり8.6mで、地上6.7mのところで幹は3方向に分岐していて、その内1本は落雷により折損しました。しかし、銅板でしっかりと保護されていて、樹勢は衰えていません。枝張りは東西25m、南北に30mあり、威風堂々とそびえ立っています。 伝説によれば、延応年間に本堂が火災におおわれたとき、千手観音が飛鳥のように舞い上がって、この大ケヤキにとまり、難を逃れたといいます。ある日、長遍上人が大ケヤキの前を通り過ぎようとすると、ケヤキの梢に後光をさす千手観音を見つけ、この地に祀ったという伝承が残る名木です。 |