来日岳【くるひだけ】
|
|||
|
●雲海も見ることができる秀峰 標高567mの秀峰で、山頂からの眺めは大変よく、眼下には山陰海岸国立公園が広がっています。秋には早朝の雲海が有名で、雲海が日本海へ流れる雄大なパノラマを体感できます。また、来日岳の中腹に位置する紅葉平(もみじだいら)は人気のスポットで、その名のとおり、あたり一面に紅葉する木が茂っています。山頂付近には、ブナやイヌブナの林が残っています。 |
来日岳【くるひだけ】
|
|||
|
●雲海も見ることができる秀峰 標高567mの秀峰で、山頂からの眺めは大変よく、眼下には山陰海岸国立公園が広がっています。秋には早朝の雲海が有名で、雲海が日本海へ流れる雄大なパノラマを体感できます。また、来日岳の中腹に位置する紅葉平(もみじだいら)は人気のスポットで、その名のとおり、あたり一面に紅葉する木が茂っています。山頂付近には、ブナやイヌブナの林が残っています。 |
瀞川山【とろかわやま】
|
||||
|
●氷ノ山後山那岐山国定公園の中心部に位置する自然度の高い高原 標高1,039m。巨牛が寝そべっている形の山で、村岡区側は比較的なだらかですが、小代(おじろ)区側の山腹は急峻でイヌワシやクマが生息しています。今から250万年ほど前に活動した火山で、林道のあちこちで溶岩や火山砕屑物(さいせつぶつ)を見ることができるのも特徴です。瀞川山の村岡区側に広がったなだらかな高原を瀞川平(とろかわだいら)といい、その一角に兎和野(うわの)高原があります。森の真ん中に2km近くも続くまっすぐな林道があり、秋にはカラマツが黄金色に染まり雄大な景観が広がります。初心者でも登りやすく四季折々、見どころの多い登山ルートはハイキングにも人気です。 |
バイカモ
|
||||
|
●清流に咲きみだれる可憐なバイカモの大群落 新温泉町(旧浜坂町)田君の集落を流れる田君川は、浜坂港にそそぐ岸田川の支流で、ここに、全長2kmにわたるバイカモの大群落があります。澄んだ水が流れる川面一面に、星砂をまいたように無数に咲き誇る白い花の群は、思わず息をのむほど可憐で美しい光景。群生地にかかる谷橋周辺は、清流にそよぐバイカモ群落を見渡せる観光ポイントにもなっています。 バイカモはキンポウゲ科の水中生の多年草で、5~7月にかけて、「梅花藻(バイカモ)」の名のとおり、梅の花に似た直径1~2cmの白い花を咲かせます。水温15度以下の、きれいな水のところにしか自生しないので、清流の目安とされています。 なかでも田君川のように、海岸から2kmほどしか離れておらず、標高も十数mという平坦部に、これほどの大群落が見られるのは珍しいということです。 但馬では、ここの他にもバイカモ群落が各所で見られ、「カワノボリ」と呼んで食用にしているところもありまが、バイカモもまた、全国的に絶滅の危機にひんしているということです。 |
ブナ原生林【ぶなげんせいりん】
|
|||||
|
●ブナ林は、自然の豊かさのバロメーター 代表的な落葉広葉樹林であるブナ林は、自然の豊かさを知るバロメーター。ブナの森は低木や草木など、いろいろな植物で形成されています。日本では、北海道の西南部、関東地方以北の東北地方全域、中部地方以南の山地の上部がブナ林帯になります。兵庫県では太平洋側では標高約800m、日本海側では標高約350mあたりからブナが分布しています。但馬などの日本海側は「ブナ―チシマザサ型」と呼ばれ、チシマザサ(これの子どもがスズコ)、ヒメアオキ、ヒメモチ(ともに常緑の低木)、ヤマソテツ(シダ)などで構成されています。 ブナは、およそ100年前後で15~20mになり、最大で高さ35m前後、直径1.5mに達します。数百年の歳月を経て成長したブナの大木は、地下深く根を張り、年々の落ち葉を積み重ねて30cmを越える腐植層をつくり、その中にたくさんの動植物を育んでいます。ブナ林はすぐれた保水力をもっています。土の中の水分はゆっくり時間をかけて清水となって湧き出たり、渓流に流れ出たりして一定に保たれており、積雪や豪雨が襲っても、一気に川に流れ込むことがなく、麓の人の暮らしを洪水から守り、干ばつの時には豊かな地下水を供給してくれます。広大なブナの原生林は、ツキノワグマ、ニホンジカ、ニホンザル、イノシシなど多くの動物の住みかとなり、豊かなエサを与えます。 ●ブナの原生林が守っていたもの しかし、昭和40年代、全国的に大型機を導入してブナを伐採し、スギやヒノキの植林が進みました。但馬も例外ではありません。現在、但馬には伐採をのがれたブナ林が、大屋、美方、村岡、関宮、温泉、日高などに点在していますが、多くは見本林的なもので、本来の姿はありません。そんな中で、日高町万場の谷の奥には、胸高幹まわり6.15m、根本幹まわり5mという全国2位のブナの巨木が、香美町村岡区萩山の一二峠にも県下最大級のブナがあります。 香美町村岡区小城のブナ原生林は、1968年に、県の天然記念物に指定されました。 開発によってブナのなくなった山は保水力を失って、豪雨の際に山崩れを起こし、住みかやエサを奪われた動物が人里に出没するようになるなどの悲劇が起こっています。長い時間をかけて徐々につくられた原生林の環境を取り戻すには、100年単位の長い時間が必要です。 |
タンゴイワガサとワカサハマギク群落
|
||||
|
●海岸の岩場に咲く可憐な花たち タンゴイワガサは日当たりのよい海岸の岩場にはえる落葉低木で、初夏に清楚な白い花をつけます。福井県以西の日本海側の海岸に分布しており、但馬海岸の各地にも自生しています。とくに、新温泉町(旧浜坂町)の西海岸にある城山、香美町香住区の三田浜に通じる海岸道路沿いなどでよく見かけられます。 ワカサハマギクは、福井県から鳥取県東部までの日本海側の海岸に咲く花です。ワカサ地方に多いことからこの名で呼ばれますが、但馬の竹野・香住・浜坂などの海岸にも多く自生しています。 |
男坂神社のシラカシ林【おさかじんじゃのしらかしりん】
|
||||
|
●急な石段の先に広がるシラカシ林 養父市大屋町宮垣の大屋川左岸、小高い天満山という丘陵に男坂神社が祀られています。男坂神社の歴史は古く、社伝によれば、北側の琴引山の緑によって少彦名命の神霊を留めて社頭を創立したといわれています。 神社を取り囲むようにして天満山全体を被う、シラカシを中心とした林が県指定の天然記念物。神社の長い参道を通って、100段以上の石段を登ると、緑豊かな社叢が広がります。 神社入り口の竹林を除くと、全山ブナ科コナラ属のシラカシの林といってもよく、ほとんど人の手が加えられていないので、自然性が高いのが特徴。 また、ここは蛇紋岩を基盤とする場所にあり、植生を代表する自然林としても非常に価値が高いものとされています。村の人々からは鎮守の森として親しまれ、静かなたたずまいが心地よい癒しの森です。 |
小長辿の大トチ【こながたわのおおとち】
|
||||
|
●4方向に枝分かれした奇木 香美町小代区の中心地・大谷地区より久須部川を約6kmさかのぼった場所に、現在では廃村になった小長辿(こながたわ)集落があります。ここからさらに約300mほど奥に入った場所に、県指定の天然記念物・小長辿(こながたわ)の大トチがそびえ立っています。 樹齢は約1,000年といわれ、枝張りは東西、南北に29m以上、樹高は27mに達する巨木。 大トチの木は急傾斜地にあり、根元から約2mあたりで4本の大枝に分かれ、3本はトチノキの樹皮ですが、残りの1本は枝変わりしていて、縮れています。同じ樹幹から枝分かれした枝が1本だけ異なるため、奇木としても有名です。 小長辿地区は標高700mの場所にあり、地形が急峻なため、かつて人が住んでいた頃にはひどい雪崩に悩まされていました。村の人々は、この大トチと周辺に植生しているトチ林が雪崩の防御になるとして、大事に保護してきました。木の根元には大トチを祀る祠があり、村人のこのトチの木に対する気持ちが伝わってきます。 |
但馬の気象【たじまのきしょう】
|
|||
|
●概要 但馬は、気候区分で「山陰型」に属します。山陰型とは、中国山地に隔てられた日本海側にみられる独特の気候で、その上、複雑な地形が特殊な気候をつくりだしています。 但馬の東部には円山川が流れ、下流に豊岡盆地・出石盆地などの平地がありますが、西部には高い山と谷間が続き、山は日本海に直接落ち込んで、海岸には絶壁が多くあります。このような複雑な地形のため、夏は暑く、冬は寒いという但馬独特の気候は、地域によっても多彩な違いを見せています。但馬では「弁当を忘れても、傘を忘れるな」といわれるほど雨が多く、とくに秋から冬にかけては、北西の季節風によって冬空が続きます。 ●気温と湿度 ●降水量 ●日照時間 ●霧 霧には発生する場所によって、山霧、川霧、海霧、盆地霧、都市霧などがあり、発生のしかたによっても、放射霧、対流霧、前線霧などに分かれます。但馬では、氷ノ山や扇ノ山でみられる山霧や、豊岡盆地の円山川を中心に発生する川霧が有名です。豊岡の霧発生日数は、年間127日で、じつに3日に1度の割合にもなります。日常生活にはあまりありがたくない霧ですが、とくに晩秋、来日山から望むみごとな霧の雲海は、幻想的な美しさです。 ●降雪 |
ラムサール登録湿地【らむさーるとうろくしっち】
|
||
|
●世界の重要な湿地を保全する「ラムサール条約」 世界の重要な湿地を保全する「ラムサール条約」(事務局・スイス)に豊岡市の「円山川下流域・周 辺水田」が平成24年に登録されました。 「ラムサール条約」とは世界の重要な湿地を守る国際条約のことで、「特に水鳥の生息地として国際的に需要な湿地に関する条約」が正式名称です。 対象エリアは、河口から約13kmの流域と両岸に広がる水田、人工湿地など約560ヘクタール。コウノトリやヒヌマイトトンボをはじめとする稀少動植物や魚類などを重層的にかかえていることが評価されました。 水鳥などを観察できる「ハチゴロウの戸島湿地」をはじめ円山川下流域などでは、コウノトリなど多様な生き物が生息・生育できる環境を保全・整備する取り組みが行われています。 |
山陰海岸ジオパーク
|
|||||
|
●貴重な地質遺産「山陰海岸ジオパーク」「ジオパーク」とは、科学的に見て特別に重要で貴重な、あるいは美しい地質遺産を複数含む一種の自然公園です。地質遺産保全と地球科学普及に利用し、地質遺産を観光の対象とするジオツーリズムを通じて地域社会の活性化を目指しており、ユネスコの支援のもと、主にヨーロッパや中国で積極的に取り組まれています。 山陰海岸ジオパークのエリアは、山陰海岸国立公園(京都府八丁浜海岸から鳥取県鳥取砂丘まで)を中心として、東は京丹後市の経ケ岬から、西は鳥取市の湖山池の西端を通って白兎海岸までの東西約110キロメートル、南北最大約30キロメートルからなります。京都府(京丹後市)、兵庫県(豊岡市・香美町・新温泉町)、鳥取県(岩美町・鳥取市)をまたがる広大なエリアを対象としています。 また、北丹後地震時の地震断層である郷村断層・山田断層、鳥取地震の地震断層である鹿野断層・吉岡断層、更新世に活動した玄武洞、火山地形を残す神鍋山(火山群)及び扇ノ山(第四紀火山)などの貴重な地質遺産もエリアに含まれています。 日本列島がアジア大陸の一部であった時代の岩石から、今日に至るまでの経過が確認できる貴重なエリアで、平成20年12月、日本ジオパーク委員会から日本ジオパークとして認定されました。 そして平成22年10月4日、ついに「世界ジオパークネットワーク」への加盟が認定されました。
|