牛が峯【うしがみね】
牛が峯
海上の神代杉
海上の神代杉
(新温泉町)
・新温泉町海上
海上の児嶋神社にある神代杉は2,500年前の崩落で埋まった杉とされており、実際にこの地で土砂崩れがあったのではないかと伝えられています。

 

大蛇と洪水の伝説が残る山「牛が峯」
水に因んだ地名がついた理由とは…

兵庫県と鳥取県との境になっている蒲生峠。この近くに牛が寝たような形の山「牛が峯」があります。
昔、牛が峰には大きなお寺が建っていました。ある日、「日の水」という泉まで水を汲みに行った小僧さんが行方不明になる事件が続けて起こりました。調べてみると、小僧さん達は大蛇にひと飲みにされていたことが分かり、寺は騒ぎになったそうです。
それを聞いた慈覚大師というお坊さんが、「わらで人形を作り、もぐさをつめ、線香に火をつけ、大蛇が人形をのみこんだ頃、もぐさに火がつくようにして、泉の側に立たせてみては」といい、人形を作り、泉の側に立てました。
すると、大蛇が人形をひと飲みにして逃げていきました。人々はうまくいったと喜びましたが、地震のように山が鳴り崩れ落ち、小又川がせき止められ大きな湖になり、丘は小さな小島になってしまいました。
それから何年か経ち、七美の方から来た占いをよくあてる娘が「6月10日には大水が出るから、丘の上に集まるように」といいだしました。人々は丘に集まるが、天気もよく大水の気配は感じられません。
丘を降りようとした時、上流の方から地鳴りが聞こえ、山崩れでできた湖の水が土手を破り、あっという間に大水が何もかも飲み尽くしてしまいました。不思議にもその後、その娘の姿を見た人はいなかったそうです。
今は小又川も狭い谷あいを曲がりくねって流れており、かつて湖があったとは想像もつきませんが、山の中なのに「海上(うみがみ)」や「児嶋(こじま)」など、水に因んだ名前の地名が多いのはこの理由からだといわれています。