地がため地蔵【ぢがためじぞう】
地がため地蔵
地がため地蔵
柴の地がため地蔵
(朝来市)
・朝来市山東町柴
朝来市山東町側から遠阪峠を登る国道427号線から柴地区に入って奥に進むと山際にある地がため地蔵。但馬地蔵巡礼六十六ケ所の40番目の札所となっています。

 

但馬の開拓時に祈願「地がため地蔵」
六十六地蔵を巡る、但馬の遍路道

但馬地方と丹波地方の境となる遠阪峠。朝来市山東町側の登り口付近に、「地がため地蔵」と呼ばれるお地蔵さんを祀った小さな祠があります。
昔、但馬の地は泥海で人々の生活は苦しく、大変難儀をしていました。そこで、天日槍命をはじめとする但馬五社(絹巻神社・出石神社・小田井神社・養父神社・粟鹿神社)の神々が集まり、力を合わせて瀬戸の津居山を切りひらき、その泥水を日本海に流し出して但馬の平野を開拓しました。
しかし泥がなかなか乾かない但馬の土地を見て、もっと住みよい土地にしようと思われた神々。見国岳といわれる粟鹿山の頂上に集まり、乾ききらない但馬の土地を眺め、大きな梵字を書き、その要所の六十六ヶ所に地がため地蔵としてお地蔵さんを祀りました。
そのおかげで但馬の土地は乾き、今のように大きな盆地を中心にした豊かな但馬国が生まれたといいます。
但馬地蔵巡礼六十六ヶ所とは、全国六十六ケ国の但馬版として整備された巡礼道で、総道程約175キロメートルもあります。心を込めて巡れば全国をまわるだけの功徳が得られるとされています。
但馬全域にわたって地蔵菩薩を示す「訶」の梵字をかたどった順路になっており、その一番手前にあるのが、柴地区の地がため地蔵。このお地蔵さんは、但馬地蔵巡礼六十六ヶ所の40番目の札所になっています。そのご詠歌に「柴原をわけゆく我ものちの世は頼む地蔵の姿おがむよ」とうたわれています。