円通寺【えんつうじ】

円通寺
・豊岡市竹野町

・絹本淡彩月庵宗光像
県指定絵画

●名僧月庵和尚が創建、別名あじさい寺

別名あじさい寺と呼ばれ、臨済宗南禅寺派、中本山で、最高の儀式の執行権、宗義統制権や寺号、本尊、院号などの授与権を含む教学上の特権、その他宗政上の特権を有した大本山に次ぐ格式のある寺院です。元中6年(1389)時の但馬守護、山名時義・時熈(ときひろ)父子が、高僧月庵和尚をして円通寺を創建しました。 しかし、その直後、同年5月4日に山名時義は没してしまいました。時義の墓所が今も円通寺にあります。
月庵は嘉暦元年(1326)美濃国に生まれ、朝廷より正続大師禅師と追諡(ついし)された禅僧です。但馬国に住んだのは貞治6年(1367)のことで、生野町大明寺、山東町大同寺も創建しました。

寛永21年(1644)9月には、沢庵和尚が寺を訪れ、多くの詩を残しています。また後年、大石蔵之助の妻大石りくなど多くの著名人が来寺しています。享保5年(1720)に焼失など幾多の変遷はありましたが、現在なお600年の伝統は守り続けられています。
県指定重要文化財の絹本淡彩月庵宗光像は、曲ろくに座す月庵の肖像が斜左から描かれています。永徳3年(1383)月庵58歳の時のもので、図上に自書の文字が記されています。