養父神社の狼像
【やぶじんじゃのおおかみぞう】

養父神社の狼像
養父神社の狼像
養父神社の狼像
養父神社の狼像
・養父市養父市場
明治26年(1893)建立の狼像。狛犬と並んで拝殿の前に建っており、口を開けているのがメスで、閉じているのがオスになっています。

 

 

狼の力で守った白狼退治伝説

「養父の明神さん」とよばれ、農業の神として地元の人に親しまれてきた養父市の「養父神社」。紅葉のシーズンや初詣に多くの人が訪れるこの神社に、珍しい石像があるのをご存じでしょうか。
一見、4体の狛犬が並んでいる様に見えますが、尻尾を高く上げた1対は、「狼」の石像です。養父神社では、田畑を荒らす猪や鹿から作物を守る益獣として昔から狼を守り神にしています。
江戸時代に幕府が作った朝倉氏と八木氏の系図に、朝倉高清という武将と同神社に関わるこんな伝説が記されています。
鎌倉時代、関東で2mも越える大きな白猪が暴れていました。将軍・源頼朝に白猪退治を命じられた高清は、但馬に戻り養父神社に7日間こもって祈願。神前から霊力のある鏑矢を授かり、その矢で見事、白猪を退治しました。この功績が認められ、高清は頼朝の家来として迎えられたとされています。すでに絶滅してしまった日本狼ですが、養父神社では今日も石像として私たちを見守ってくれています。