隆国寺【りゅうこくじ】


隆国寺

・豊岡市日高町荒川

・36面の襖絵
県指定文化財
・石垣
町指定文化財

●関西花の寺第6番札所、通称「ボタン寺」
 通称「ボタン寺」として親しまれている隆国寺には、4月下旬~5月上旬頃、約70種類1000株のボタンが華やかに咲き誇ります。天保年間、飢饉で苦しむ人々を寺の米蔵を開いて救ったことから、感謝した人々が「富貴の花」といわれるボタンを寺に植栽したということです。
関西花の寺第6番札所として、初夏にはたくさんの人が満開のボタンを見に訪れます。
隆国寺は山名の四天王と呼ばれた楽々前(ささのくま)城主・垣屋隆国の菩提寺として、天正15年(1587)阿瀬金山に建立され、 江戸期に入り現在の地に移りました。 現在は県指定文化財に指定されており、36面の襖絵を始め、様々な文化財が残っています。
本堂にある孔雀の図などの見事な襖絵は、円山派と対峙した岸連山一門が描いたものです。また、寛政4年(1792)に再建された山門は三丹(但馬、丹後、丹波)随一と称されています。楼上には釈尊、文殊、普賢の釈迦三尊と十六羅漢が祀られており、訪れる人の邪気を払うと共に、寺全体を守護しているそうです。
境内正面及び両側に配する石垣も町を代表する貴重な文化財です。創建当時に作られたもので、神鍋溶岩の蒸し石を巧みに組み合わせ、重厚な構えを呈しています。特に、山門を経て本堂を望む景観と見事な構成をなし、その石組みは優れた技術と感覚を示しています。苔むした石垣に鮮やかなボタンの花がいっそう映え、訪れる人を魅了しています。