東楽寺【とうらくじ】

東楽寺
・豊岡市清冷寺
・四天王立像
国指定彫刻
●藤原中期、一木彫刻の四天王立像をまつる

弘法大師開祖の寺、東楽寺には国指定重要文化財に指定された四天王立像が祀られています。四天王は、仏を守るための4体の武神で、持国天、増長天、広目天、多聞天のすべてが揃っています。寺伝では、延長年間(923~929)寺の再興の時に造立されたものといわれています。桧材の一木彫刻で藤原中期のすぐれた作風をそなえており、いずれも尊厳に満ちた表情、姿が特徴です。また、体躯に重量感があり、堂々としていますが、動きに乏しく、着用している甲冑も比較的簡素です。四天王像は、古くはいかつい甲冑に身を固めたものが多いのですが、東楽寺の四天王はやや優しさが増しています。
遠く高知県妙国寺に残されている梵鐘の銘に、「但馬国気多郡東楽寺…正安元年(1299)…」とあるところから、おそくとも鎌倉時代には東楽寺という名の寺があったことは確実です。
また、他にも聖観音立像、絹本著色涅槃像図が市指定文化財になっています。