赤木家住宅【あかぎけじゅうたく】
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赤木家住宅 |
●水害対策の備えが残る大庄屋屋敷 2005年、豊岡市で初めて国登録有形文化財に登録された赤木家住宅は、明治、大正時代の自作大農経営地主の住宅様式を残す貴重な文化遺産です。代々大庄屋であった赤木家ですが、家風である「質実剛健」を守り、派手さはありませんが、威風堂々とした存在感に圧倒される建物です。主屋が1870年(明治3)の建築で、書院造の離れや蔵、門などは明治中、末期に建てられ、ほぼ原形のまま残っています。 赤木家住宅の特徴は、水害に対する備え。すぐ近くを流れる円山川が氾濫すると、地域の防災センターとしての役割を担ってきました。東西40m、南北65m、約900坪の広大な敷地に整然と積み上げられた石垣はほぼ玄武岩で構成され、周囲よりも約2mもかさ上げしてあり、一度も浸水したことがないといいます。 さらに、円山川に面する西側には、濁流の勢いを弱めるための水防竹林を造成。竹は切りだして、水防用の資材としても利用されました。 また、蔵の軒下に吊されている小舟は、当時の様子を象徴するもの。縄をゆるめれば、いつでも出船できるようになっていて、洪水時には「パトロール船」として活躍しました。 同家は、円山川の河川改修に尽力するなど、「砂防の神様」と呼ばれた赤木正雄氏の生家でもあり、こうした水防への備えが正雄氏の人生にも多大な影響を与えたともいえます。 ※同住宅は原則として非公開 |