日下旅館【くさかりょかん】

日下旅館
・朝来市生野町口銀谷
・日下旅館
国登録有形文化財(建造物)


日下旅館の「日」の字を
書き入れた鬼瓦


●当時は珍しかった3階建ての旅館

平成16年(2004年)に国登録有形文化財に登録された日下旅館は、JR生野駅前に建つ旅館建築です。1910年に当時にして1500円を投じた木造2階建として建築され、次に裏の座敷が造られ、1921年に3階が増築されました。3階が完成した当時、南は姫路から北は城崎にかけて3階建の建物は2軒しかなく、多くの賓客を招いて大祝宴を開いたそうです。2階・3階には数寄屋風の座敷を配置し、鉱山町ならではのカラミ石を使った地下室も設けられていました。そのころは暖房も鍋料理などの燃料も全て炭火だったため、外壁や部屋の壁などのいたる所に、さまざまな意匠の空気孔が開けられています。

丸に日と文字が入れられた鬼瓦に、家人の思い入れが読みとれます。