旧吉川家住宅【きゅうきっかわけじゅうたく】

旧吉川家住宅
・朝来市生野町口銀谷
・主屋
・西塀
・土蔵
・内蔵
・米蔵
・離れ
国登録有形文化財(建造物)

井筒屋内部

●生野の山師が代々住まいとし、代官所の公事宿だった旧宅

江戸時代から明治時代にかけて建築された木造2階一部平屋建の古民家です。1832年に造られ幕末の趣を残す主屋、生野独特の赤みがかた釉薬瓦、明治中期に造られ当時の様式がよく分かる離れ、明治前期に造られた土蔵、1843年に造られた内蔵、明治5年に造られた米蔵、江戸末期に造られた西塀などが、国の登録有形文化財と兵庫県指定の景観形成重要建造物等になっています。
江戸時代は「井筒屋」の号で代々山師(代官所から採掘権を与えられた鉱山経営者)を務めていた吉川家の邸宅で、郷宿(公用で生野代官所を訪れた村役人の宿泊所)でもありました。井筒屋はただ宿を世話するだけでなく代官所への訴えごとの介助もしており、村役人たちから「旦那さん」と敬意を払われていたそうです。
現在は「生野まちづくり工房井筒屋」という名前で、吉川家から寄贈された資料の展示のほかギャラリーなども設けられ、口銀谷地区のビジターセンターなどとして活用されています。