青谿書院【せいけいしょいん】

青谿書院

・養父市八鹿町宿南
・県指定文化財

●池田草庵が開いた漢学塾
幕末から明治の初めにかけて但馬聖人・池田草庵が開いた漢学塾で、明治の近代化を支えた多くの門弟が勉学に励みました。草庵はここで門人たちと寝起きをともにし、自ら模範をみせることで、知識と実行を兼ね備えた人間の育成に心を砕いたといいます。
建物は質実剛健という言葉にふさわしく、周囲にはのどかな田園風景が広がります。
便所の扉の内側には、門人たちが寝る間を惜しんで、夜の10時の消灯後にもロウソクを灯して勉強したススの跡が無数に残っています。
また、「青谿書院資料館」には、草庵の遺品、著書をはじめ、関係資料を数百点展示しています。教えを慕って入門した門人の数は、明治11年に亡くなるまで、全国30ヵ所から673人にのぼり、日本の近代化を担った多くの人材を教育しました。
出身者には、日本金融界の基礎を築いた原六郎や日本近代眼科の父・河本金次郎、東大総長を2度つとめた浜尾新、琵琶湖疏水を開いた北垣国道などがいます。