長楽寺の散り椿【ちょうらくじのちりつばき】

長楽寺の散り椿
・県指定天然記念物
・豊岡市日高町上石
●花びらが散ると一面赤い絨毯を敷き詰めたように美しい
豊岡市日高町上石の長楽寺境内には、樹齢500年のツバキがあります。秀吉に攻略された時、戦死者の霊を慰めるために植えられたと伝えられるものだそうです。

根まわり1.9m、樹高約7m、枝張りは東西約11m、南北9m。推定樹齢500年の古木ながら樹勢は旺盛で、3月半ば~4月末には、紅にわずかに白斑のまじった八重中輪の花をつけ、花びらが散ると、一面 に赤い絨毯を敷き詰めたように美しいことで知られています。一般のツバキは花全体がポトリと落ちますが、長楽寺のものは花弁の数が20枚近くあり、花びらが別々に落ちるところから「散り椿」の名がつきました。1978年、県の天然記念物に指定されています。

このツバキは、花弁のほとんどが離生する性質や、新葉の裏面にまれに長毛があり、葉形がわずかに小型であることなどから、サザンカが浸透交雑した品種の可能性もあるということです。