2015/01/31  

但馬の気象【たじまのきしょう】

 

但馬の気象【たじまのきしょう】

来日山の雲海
(豊岡市城崎町)

雪景色
(豊岡市日高町)
●概要
但馬は、気候区分で「山陰型」に属します。山陰型とは、中国山地に隔てられた日本海側にみられる独特の気候で、その上、複雑な地形が特殊な気候をつくりだしています。
但馬の東部には円山川が流れ、下流に豊岡盆地・出石盆地などの平地がありますが、西部には高い山と谷間が続き、山は日本海に直接落ち込んで、海岸には絶壁が多くあります。このような複雑な地形のため、夏は暑く、冬は寒いという但馬独特の気候は、地域によっても多彩な違いを見せています。但馬では「弁当を忘れても、傘を忘れるな」といわれるほど雨が多く、とくに秋から冬にかけては、北西の季節風によって冬空が続きます。

●気温と湿度
夏は、最高気温が39~40.5度、最高湿度80~85%と、緯度にして20度以上も赤道に近いマニラにほぼ近く、非常に蒸し暑くて過ごしにくい日が多くあります。逆に、冬は最低気温が日によって-10度を下まわることもあります。このように、夏暑く、冬寒いという年格差の大きい気候が但馬の特徴です。

●降水量
地球上の年降水量は、平均750~850mmといわれ、日本の多くの地域はこれをはるかに上回り、本州で1500mm、四国・九州で2000mm以上に達します。
但馬では、城崎で2600mm、生野・和田山で1800mmで、城崎の降水量のピークは、冬の雪の降る時期、生野のピークは台風シーズンです。梅雨前後は、前線に近い瀬戸内海側に雨が多く、県中部の山岳地帯にさえぎられた但馬では、かえって雨が少ないのです。冬型の気圧配置になると、大陸の高気圧から吹き出される乾燥した低温の大気が、日本海側で大量の水蒸気を供給されて湿っぽくなり、それが日本列島を縦断する山脈にぶつかって大量の雪を降らせるため、但馬は、本州西南部としては珍しい多雪地帯となっています。

●日照時間
年間日照時間は、姫路の1980.9時間に比べて、豊岡は1640.9時間とはるかに少ないのですが、7月は、姫路171.8時間、豊岡180.6時間とわずかに多いのです。これは、太平洋側のほうが梅雨前線の影響を受けやすいためです。

●霧

霧には発生する場所によって、山霧、川霧、海霧、盆地霧、都市霧などがあり、発生のしかたによっても、放射霧、対流霧、前線霧などに分かれます。但馬では、氷ノ山や扇ノ山でみられる山霧や、豊岡盆地の円山川を中心に発生する川霧が有名です。豊岡の霧発生日数は、年間127日で、じつに3日に1度の割合にもなります。日常生活にはあまりありがたくない霧ですが、とくに晩秋、来日山から望むみごとな霧の雲海は、幻想的な美しさです。

●降雪
但馬の冬は、早く訪れて長く続きます。11月になると、どんよりとした雲が広がり、中旬には北西の季節風が吹きはじめて、高い山に初雪が降ります。スキーヤーにはうれしい雪も、住民には、交通路の遮断、降雪による植林や果樹園の被害、除雪作業の連続など、厳しい冬の日々が続きます。3月に入るとやっと春らしくなってきて、下旬にようやく暖かい春を迎えます。

ラムサール登録湿地【らむさーるとうろくしっち】

 

ラムサール登録湿地【らむさーるとうろくしっち】

ハチゴロウの戸島湿地
(豊岡市城崎町今津)
●世界の重要な湿地を保全する「ラムサール条約」
世界の重要な湿地を保全する「ラムサール条約」(事務局・スイス)に豊岡市の「円山川下流域・周 辺水田」が平成24年に登録されました。
「ラムサール条約」とは世界の重要な湿地を守る国際条約のことで、「特に水鳥の生息地として国際的に需要な湿地に関する条約」が正式名称です。
対象エリアは、河口から約13kmの流域と両岸に広がる水田、人工湿地など約560ヘクタール。コウノトリやヒヌマイトトンボをはじめとする稀少動植物や魚類などを重層的にかかえていることが評価されました。
水鳥などを観察できる「ハチゴロウの戸島湿地」をはじめ円山川下流域などでは、コウノトリなど多様な生き物が生息・生育できる環境を保全・整備する取り組みが行われています。

山陰海岸ジオパーク

 

山陰海岸ジオパーク

玄武洞(豊岡市) 


はさかり岩(豊岡市)
今子浦のかえる島(香美町)


鎧の袖(香美町)


三尾大島(新温泉町)

 

●関連情報
山陰海岸ジオパーク


●貴重な地質遺産「山陰海岸ジオパーク」
「ジオパーク」とは、科学的に見て特別に重要で貴重な、あるいは美しい地質遺産を複数含む一種の自然公園です。地質遺産保全と地球科学普及に利用し、地質遺産を観光の対象とするジオツーリズムを通じて地域社会の活性化を目指しており、ユネスコの支援のもと、主にヨーロッパや中国で積極的に取り組まれています。
山陰海岸ジオパークのエリアは、山陰海岸国立公園(京都府八丁浜海岸から鳥取県鳥取砂丘まで)を中心として、東は京丹後市の経ケ岬から、西は鳥取市の湖山池の西端を通って白兎海岸までの東西約110キロメートル、南北最大約30キロメートルからなります。京都府(京丹後市)、兵庫県(豊岡市・香美町・新温泉町)、鳥取県(岩美町・鳥取市)をまたがる広大なエリアを対象としています。
また、北丹後地震時の地震断層である郷村断層・山田断層、鳥取地震の地震断層である鹿野断層・吉岡断層、更新世に活動した玄武洞、火山地形を残す神鍋山(火山群)及び扇ノ山(第四紀火山)などの貴重な地質遺産もエリアに含まれています。
日本列島がアジア大陸の一部であった時代の岩石から、今日に至るまでの経過が確認できる貴重なエリアで、平成20年12月、日本ジオパーク委員会から日本ジオパークとして認定されました。
そして平成22年10月4日、ついに「世界ジオパークネットワーク」への加盟が認定されました。

こちらより山陰海岸ジオパークの動画をご覧いただけます。

2015/01/31  

地蔵祭り【じぞうまつり】

 

地蔵祭り【じぞうまつり】
地蔵祭り
地蔵祭り
地蔵祭り
(朝来市和田山町)
・朝来市和田山町和田山

8月22・23日

 

地蔵祭り
・朝来市和田山町/和田山/8月22・23日

但馬三大祭りの一つ和田山地蔵祭は、かつて和田山付近を流れる円山川が増水する度に亡くなった水死者の霊を慰めるために、近隣の人々が円竜寺に子安地蔵尊を建立したことが起源とされています。
毎年8月22日、23日の両日から各団体の踊り連が町中2キロメートルを練り歩き、町中には趣向を凝らした造り物や露店で賑わいを見せます。23日夜8時から行われる、送り火になぞらえた花火大会はまつり最大のイベント。東河橋下流で約2000発の花火が夏の夜空に打ち上げられます。

2015/01/31  

岸田さえもん踊【きしださえもんおどり】

 

岸田さえもん踊【きしださえもんおどり】
岸田さえもん踊
岸田さえもん踊(新温泉町)
・新温泉町岸田

8月14・15日

 

岸田さえもん踊
・新温泉町(旧温泉町)/岸田/8月14・15日

鎌倉時代に遊行上人といわれた一遍上人が、山陰地方を巡回した時に「さいもん」と名付け、念仏踊りをして普及したと伝えられています。
約600年の歴史をもつ踊りで、さし手の中に献物の形を残し優雅さの中に舞いの要素を加えた踊りです。毎年8月14・15日のお盆には、旧温泉町に残るほかの盆踊りと共に地域に深く親しまれ、区民一丸となって舞い踊られます。

踊りの芸題には、「熊谷直実」、「伊勢音頭」、「俊徳丸」、「藤吉出世」などがあります。「さえもん踊」は伝統の古さや優雅さにおいては、白眉的存在として定評があり、また反面では修得がむずかしいとされている伝統文化です。

2015/01/31  

上山高原エコミュージアム【うえやまこうげんえこみゅーじあむ】

 

上山高原エコミュージアム【うえやまこうげんえこみゅーじあむ】
ふるさと館
上山高原ふるさと館
常設展示室
常設展示室

●関連情報
上山高原エコミュージアム
新温泉町商工観光課
0796-82-5625

●エコミュージアムは地域まるごと生きた博物館
 鳥取県境の扇ノ山山麓に広がる上山高原は、原生的なブナの森と人の営みの中で育まれてきたススキ草原があり、イヌワシやツキノワグマに代表される貴重で多様な生態系を維持してきました。
上山高原エコミュージアムでは、地域の様々な有形無形の資源を地域の人々が中心となり、活かしながら保全する取り組みを行っています。上山高原と麓の八田集落にみる環境と共生した暮らしの知恵を学び、実践する場をつくるために、地域住民はじめ、個人・団体・NPO・事業者・行政など多様な主体が参画、協働しています。
2006年7月にオープンした上山高原ふるさと館は、この上山高原エコミュージアムの活動拠点として、上山高原周辺地域の自然や生物を紹介したり、地域の歴史・文化に関する資料展示などを行っています。また、自然観察会や地域の案内を発信し、上山高原周辺をフィールドに山歩きをする人たちをサポートしています。
ふるさと館には常設展示室や収蔵庫、体験作業室があり、木工細工や草木染め体験などの各種プログラムも開催しています。

上山高原エコミュージアム事務局
・特定非営利活動法人 上山高原エコミュージアム 上山高原ふるさと館内
・0796-99-4600
・兵庫県美方郡新温泉町石橋757-1

2015/01/31  

太田垣士郎資料館【おおたがきしろうしりょうかん】

 

太田垣士郎資料館【おおたがきしろうしりょうかん】


ロープウエイ

●関連情報
城崎温泉ロープウエイ

●城崎の偉人・太田垣士郎の資料館
 「城崎温泉ロープウエイ」が創業40周年を迎え、それを記念し平成14年に建設された「太田垣士郎資料館」。太田垣士郎氏は城崎ロープウエイの発案者であり、地元・城崎町出身の偉人です。関西電力株式会社の初代社長を務め、石原裕次郎主演映画『黒部の太陽』でも取り上げられた黒部川第四発電所(くろよん)を完成に貢献しました。
その太田垣氏が、子供の頃に友達と駆け回った大師山に城崎温泉ロープウェイの建設を発案したのが昭和37年(1962)。生まれ育った城崎の発展のため、温泉街、日本海を一望できる最高の場所へ、多数の観光客に訪れてもらいたいと尽力しました。
城崎温泉ロープウェイ山麓駅前に建設された資料館には、太田垣氏愛用の自宅の机やゴルフクラブ、趣味で描かれた直筆の自画像や色紙などのゆかりの品を展示しています。その他にも映像でたどる足跡や、写真など、ここにくれば、いかに太田垣氏が城崎の観光づくりに寄与したかが手に取るように分かります。
また、創業40周年に合わせて、「城崎温泉ロープウェイ」のゴンドラもリニューアル。新品のゴンドラには、城崎のイメージキャラクターである、ジョーくんとサキちゃんが描かれています。窓の大きさが広くなったゴンドラからは、美しい温泉街の町並み、円山川、日本海の眺望がよりワイドに楽しめるようになりました。新しい城崎温泉街の観光スポットとして、注目を浴びています。

太田垣士郎資料館
・0796-32-2530
・兵庫県豊岡市城崎町湯島806-1
・午前9時~午後5時
・木曜休館

2015/01/31  

城崎文芸館【きのさきぶんげいかん】

 

城崎文芸館【きのさきぶんげいかん】

城崎文芸館

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●関連情報
城崎温泉観光協会
●城崎温泉の観光・文化の拠点
城崎温泉を訪れた数多くの小説家や歌人、画家たちの作品を展示。中でも、小説「城の崎にて」で知られる志賀直哉との関わりは深く、白樺派と呼ばれた同人たちにもスポットをあてたコーナーや城崎温泉の歴史なども紹介しています。その他、城崎温泉の伝承民芸「麦わら細工」の実演を見学できるほか、ハガキ、コマ、竹トンボなどの麦わら細工の製作体験もすることができます。お茶コーナーやミュージアムショップもあり、城崎ゆかりの文学読本なども販売しています。また、城崎温泉観光協会が併設されており、いろいろなパンフレットが揃い、観光情報も充実しています。

城崎文芸館
・0796-32-2575
・兵庫県豊岡市城崎町湯島357-1
・午前9時~午後5時(入館午後4時30分まで)
・毎月最終水曜休館(祝日の場合は翌日)
・大人400円 中高生300円

2015/01/31  

余部橋りょう・余部鉄橋「空の駅」・余部クリスタルタワー

 

余部橋りょう【あまるべきょうりょう】
余部鉄橋「空の駅」【あまるべてっきょう「そらのえき」】
余部クリスタルタワー【あまるべくりすたるたわー】


余部橋りょう


旧余部鉄橋
(現在は3橋脚のみ)


余部鉄橋「空の駅」


鉄橋のベンチ


余部クリスタルタワー
ライトアップ

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●高さ日本一のトレッスル式鉄橋
余部鉄橋は明治45年に完成した日本一の規模を誇るトレッスル式鉄橋です。トレッスル式とは鉄の櫓を組んだ鉄橋のことで、当時の鉄道院技師古川晴一氏が最新技術で設計し、アメリカの専門家技師の意見を取り入れて完成しました。山陰本線最大の難工事で、トレッスル(橋脚部分)の資材は、アメリカの工場から船で余部まで運び、2年半の歳月と33万余円の巨費と延べ25万人の人々の手によって完成しました。海風によって錆びないように特殊ペンキを塗って鉄を保護し、美しい姿を維持しています。鉄橋の上を走る列車の窓から眺める日本海は絶景で空中を走っているかのようです。
2007年には橋梁架け替え工事が行われ、2010年に総事業費30億円をかけて新しい橋梁が完成しました。新橋梁では、旧橋梁で問題点となっていた定時性の低下や騒音面、落下物・落雪の防止などに各種対策が施されています。

●高さ40mからの絶景を望む「空の駅」
平成22年8月、新しくコンクリート橋に架け替えられましたが、JR餘部駅側の3本の橋脚は現地保存され、余部鉄橋「空の駅」展望施設として生まれ変わりました。旧余部鉄橋跡を歩くことができ、高さ40mから見る日本海の景色は絶景です。さらに、通路には橋脚下を望む覗き窓も設置されています。
橋脚下は全面芝生張りの広場が整備されており、余部鉄橋の主桁モニュメントを設置。余部鉄橋の橋脚跡を活用した東屋などで、ゆったりとした時間を過ごすことができます

●余部鉄橋「空の駅」にエレベーターが設置
平成25年5月に余部鉄橋「空の駅」の展望施設がオープンしましたが、高さ41メートル、急こう配の上り坂が利用者の大きな負担となっていました。そこで、高齢者や障がいを持つ方にも利便性を高めるため、エレベーター(愛称:余部クリスタルタワー)が平成29年に設置されました。展望施設までの所要時間は約40秒、全面ガラス張りなので日本海の眺望や余部のまち並みを楽しみながら、昇り降りできます。夜間はライトアップされ、春はグリーン、夏はブルー、秋はオレンジ、冬はホワイトと、季節により色が変ります。また、七色のレインボーに染まる余部クリスタルタワーを見られたらラッキーかも!!

※空の駅の開門時間・エレベーターの利用時間:午前6時から午後9時30分
開門時間は季節や現地の気象状況により変更あり。
※空の駅、エレベーターの利用料金は無料です。

・香美町香住観光協会 0796-36-1234
・兵庫県美方郡香美町香住区余部1723-4

2015/01/31  

ジオパークと海の文化館【じおぱーくとうみのぶんかかん】

 

ジオパークと海の文化館【じおぱーくとうみのぶんかかん】

ジオパークと
海の文化会館

●関連情報
ジオパークと海の文化館
●香美町で楽しめるジオパークの魅力を紹介
香住漁港(東港)にあった「海の文化館」が、2014年春に「ジオパークと海の文化館」としてリニューアルオープン。1階は山陰海岸ジオパークが学べるフロアで、日本海の成り立ちや香美町の地形・地質が育んだ暮らしなどを紹介しています。2階は漁業、北前船、海の生き物など、香住の海の文化や歴史が学べるフロアとなっています。
ジオの恵みジオラマでは、香美町の地形・地質と人々の暮らしとの関わりを楽しいジオラマで再現。その他にも、化石や魚類のはく製、顔認識機能で遊べるモニターなど、子どもたちも楽しく遊べる展示内容となっています。
また、焼きちくわやスルメづくりなどの水産加工体験もでき、小中学校の体験学習、自然学校のメニューとして多くの子どもたちが訪れています。
※水産加工体験は有料/要予約/10人以上から受付

香美町立ジオパークと海の文化館
・0796-36-4671
・兵庫県美方郡香美町香住区境1113
・午前9時~午後5時(午後4時30分までに入館)
・水曜定休(祝日の場合翌日)、年末年始
・観覧料は無料