2011/06/22  

百手の儀式【ももてのぎしき】

 

百手の儀式【ももてのぎしき】
弓

行列

百手の儀式
(香美町香住区)
・香美町香住区御崎平内神社

1月28日

百手の儀式
香美町香住区/御崎平内神社/1月28日

平家落人の伝説にまつわる儀式。壇ノ浦の戦いで敗れた平家一門の門脇宰相平教盛(たいらののりもり)を大将とする7人が、 寿永4年(1185)この地に流れつき、平家再興をはかるため、一の谷に門脇、2.5Kmを隔てて西方・平家崎に伊賀、東方さじき屋敷に矢引が住居を構えました。
百手の儀式は、この門脇、伊賀、矢引の武士にふんした3人の少年が的にめがけて101本の矢を射るもので、歩射という弓の神事からはじめられたといわれています。氏神の平内神社で、地区内で採取した竹で弓と矢を製作します。竹で編んだ45cm四方の的に目を描いた紙を貼って( 現在は普通の的になっています)、矢を放ちます。源氏に見立てた的に矢を射て平家の怨念を晴らす、親から子へ世代を重ね、士気を鼓舞し、平家再興を夢見て受け継がれてきた行事です。

他にも、平家落人の行事として、一行が流れついた時、修験僧からクズの葉にのせた小麦の蒸し物をもらって飢えをしのいだことにまつわる「小麦まつり」、大正時代まで続けられていた、正月にホラ貝を吹き出陣に備えていた「陣ぞろえ」、また近年まで「花あそび」などの行事も続けられていました。

2011/06/22  

火祭り【ひまつり】

 

火祭り【ひまつり】
火祭り
湯村の火祭り(新温泉町)
・新温泉町湯
8月24日
湯村の火祭り
新温泉町(旧温泉町)/湯/8月24日

「ジ~ロンボ(次郎坊)、タ~ロンボ(太郎坊)、む~ぎのな~かのク~ロンボ(黒んぼ)」という囃し言葉とともに、子どもたちが弧を描くように打ち振りまわす無数のたいまつの火。「ジ~ロンボ、タ~ロンボ」というのは天狗の名前で、天狗のような驕慢(きょうまん)な心。「む~ぎのな~かのク~ロンボ」は、麦が病気になった黒穂で、害を及ぼすもの。いずれも松明(たいまつ)で焼き払い、五穀豊穣、家内安全、健康を祈願します。春来川の川面に映える火は、暮れゆく夏の夜、幻想的な雰囲気をかもし出します。


火祭り
愛宕火祭
(豊岡市出石町)
・豊岡市出石町鍛冶屋伊福部神社
8月24日に近い日曜日

 

愛宕火祭
・豊岡市出石町/鍛冶屋伊福部神社/8月24日に近い日曜日

夜、陽が沈む頃、七年山中腹の愛宕(あたご)神社で、木と木をすり合わせて行う「火起こしの儀式」がおこなわれ、愛宕神社の燈明は、地域の若者達によって参道を運ばれます。この火をとって、子どもや、大人の共振りが始まります。パチパチと音をたてて燃え上がる麦ワラの束を縄で持って勢いよく振り廻します。同時に各地区の太鼓保存会によって、火祭太鼓が打ち鳴らされクライマックスを迎えます。
愛宕神社の祭礼は、江戸時代からおこなわれていましたが、大正の頃から途絶えてしまい、昭和55年に復活されました。


万燈の火祭り
(香美町香住区)
・香美町香住区三谷矢田川河川敷
7月24日
万燈の火祭り
・香美町香住区/三谷矢田川河川敷/7月24日

約200年前の江戸中期、まん延した疫病を鎮めるためにはじまったと伝えられています。その後、無病息災や豊作を願う行事として定着しましたが、松明用の麦わらが手に入らなくなり、一時途絶えましたが、昭和59年に復活されました。
4~10mの竹ざおの先端につけた麦わらに火をつけ振り回します。地元消防団の模範演技に続いて、子どもや女性たちも次々に火振りをします。火の粉を受けると無病息災、家内安全、火の用心などの願いがかなえられると言われています。
豪快に光跡を描く火振りがくりひろげられ、最期は約40人が、会場中央で、燃えさかるわらを空高く突き上げる大火柱を披露し、夜空に火の粉を1回、2回と大きく舞わせて、火の舞いをしめくくります。

2011/06/22  

三川権現大祭【みかわごんげんたいさい】

 

三川権現大祭【みかわごんげんたいさい】
三川権現大祭
三川権現大祭
(香美町香住区)
・香美町香住区三川三川権現社
5月3日
 

三川権現大祭
・香美町香住区/三川権現社/5月3日

氷ノ山・後山・那岐山国定公園にある三川山は、シャクナゲやブナの原生林が群生する自然豊かな山。ここは、古来より山岳宗教、修験道の行場として栄え、開山役行者神変大菩薩によって蔵王権現を祀る霊山でした。大和の大峯山、伯耆の三徳山と並んで、日本三大権現のひとつに数えられています。ふもとにある三川権現蔵王堂前では、毎年5月3日、全国各地から集まる山伏によって、護摩供養が行われます。太い護摩木を高く積み上げ、桧葉で覆い、火矢を放つなどして点火します。参拝者が小木に願いを託し、燃える炎に投げ入れて所願の成就を祈る火の祭です 。

2011/06/22  

瀞川稲荷大祭【とろかわいなりたいさい】

 

瀞川稲荷大祭【とろかわいなりたいさい】
瀞川稲荷大祭
瀞川稲荷大祭
(香美町村岡区)
・香美町村岡区板仕野

瀞川稲荷神社

5月上旬

 

瀞川稲荷大祭
・香美町村岡区/板仕野瀞川稲荷神社/5月上旬

標高1,000m級の雄大な山々に囲まれた緑の森林、美しい湧き水、四季折々に それぞれの表情を見せる植物たち。そんな豊かな自然に恵まれた村岡町瀞川平にある瀞川稲荷神社。養蚕を祀る神として、地元の人々の信仰を集めてきました。
5月上旬の2日間にわたって開かれる瀞川稲荷大祭は、五穀豊穣を祈る春の大祭。初日は火まつりと護摩供養。2日目には本まつりが開かれ、ほかに瀞川太鼓の演奏やもちまきなどのイベントも開かれます。また、稲荷なべやおにぎりなどのサービスもあり、祭り当日は家族連れなどたくさんの人が訪れます。

2011/06/22  

麒麟獅子舞【きりんじしまい】

 

麒麟獅子舞【きりんじしまい】
麒麟獅子
麒麟獅子
浜坂の麒麟獅子舞
浜で舞い路地から各家々を舞いながらねり歩く。子どもの頭を噛んでもらうと健康に育つと言われている。

・浜坂宇都野神社.居組.三尾の麒麟獅子舞は県重要無形文化財

麒麟獅子舞
新温泉町(旧浜坂町)
・居組麒麟獅子舞/10月9日 大歳神社(新温泉町居組)
・諸寄麒麟獅子舞/7月14日.15日 為世永神社(新温泉町諸寄)
・浜坂麒麟獅子舞/7月19日~21日川下祭
10月8日 宇都野神社(新温泉町浜坂)
・栃谷田君麒麟獅子舞/10月13日 厳島神社.長田神社(新温泉町栃谷)
・七釜麒麟獅子舞/9月29日 山宮神社(新温泉町七釜)
・福富麒麟獅子舞/9月28日 三柱神社新温泉町福富)
・和田麒麟獅子舞/10月3日 八柱神社(新温泉町和田)
・三尾麒麟獅子舞/10月9日 八柱神社.三柱神社(新温泉町三尾)
浜坂宇都野神社.居組.三尾麒麟獅子舞は県の重要無形文化財

新温泉町(旧温泉町)
・千谷麒麟獅子舞/4月17日 秋葉神社
9月19日三宝荒神(新温泉町千谷)
香美町香住区
・鎧麒麟獅子舞/10月5日 十二社神社(香美町香住区鎧)

麒麟獅子舞
麒麟獅子舞の起源については定かではありませんが、現在残っている資料から推測すると、鳥取藩の初代藩主・池田光仲が慶応3年(1650)に因幡の樗谿神社(おおちだにじんじゃ)に日光東照宮の御分霊を勧誘したときの祭礼行列に、日光東照宮を象徴する麒麟を頭にした麒麟獅子舞を、因幡東照宮の奉納芸能として舞ったのが始まりとされています。
鳥取に広まった麒麟獅子舞が但馬にも伝えられたのではないかといわれていますが、いつごろのことなのか何も文献が残っていません。現在、麒麟獅子舞が残っているのは、鳥取県東部地域から兵庫県浜坂町、温泉町、香住町のみで、他の地域では見ることができません。麒麟獅子舞の麒麟の顔は大きな口、大きな鼻の穴、目の上に太いまゆ、立った耳、そして一本角とユーモラスな表情をしています。
新温泉町(旧浜坂町)と鳥取県の麒麟獅子舞では違いがあります。新温泉町(旧浜坂町)では、お囃子(はやし)に「ジャンジャン」と呼ばれるシンバルのような小型の楽器が用いられますが、新温泉町(旧浜坂町)以外では、木槌で叩く楽器「鉦(しょう)」が用いられるのが特徴です。また、お囃子のリズムも新温泉町(旧浜坂町)は速く、鳥取は遅いといわれています。新温泉町(旧浜坂町)の8つの舞いも、それぞれに舞い方、囃子のリズムなどが微妙に異なっています。

浜坂宇都野神社の麒麟獅子舞
江戸中期から伝承されているもので、7月の夏の例祭、「川下(かわすそ)祭り」で神前で舞われた後、御輿(みこし)町内巡行列の先導として町内を廻り、家々の門前で家内安全を祈念し勇壮に舞います。祭り当日は露店が並び、花火が上がり、近隣から多くの見物人が押し寄せて、町は祭り一色となります。

2011/06/22  

三番叟【さんばそう】

 

三番叟【さんばそう】
三番叟
三番叟
(香美町香住区)

悪霊を鎮める主役の翁、千歳、黒木将の三神が厳かな舞いを奉納します。
・町指定無形民俗文化財
三番叟
香美町香住区
・10月2日/沖野神社(訓谷)

・10月5日/八坂神社(一日市)・香住神社(香住)

吉野神社(森)・法庭・八幡神社(下浜)

・10月7日/大放神社(沖浦)

「とうとうたらり、たらりらたらり」と、ゆっくり低い声の地謡ではじまる三番叟。「天下太平」「長久円満、息災延命」などの祈りをこめ、秋祭りの日、香美町香住区内の6地区で氏神に奉納されます。1つの地区に集中して残っているのは、県下でも大変珍しいとされています。

三番叟は三番猿楽と呼ばれて古くからあり、香住町では室町時代に始まったと伝えられる伝統芸能で、別名「踏子(ふみこ)」とも呼ばれています。舞うのではなく、踏み鎮めの祈祷のなごりだと考えられています。

翁(おきな)、千歳(せんざい)、黒木将(くろきじょう)の三神にふんした子どもたちが、謡(うたい)や笛、太鼓、拍子木のリズムに合わせて力強く舞台を踏みます。