ラムサール登録湿地【らむさーるとうろくしっち】

 

ラムサール登録湿地【らむさーるとうろくしっち】

ハチゴロウの戸島湿地
(豊岡市城崎町今津)
●世界の重要な湿地を保全する「ラムサール条約」
世界の重要な湿地を保全する「ラムサール条約」(事務局・スイス)に豊岡市の「円山川下流域・周 辺水田」が平成24年に登録されました。
「ラムサール条約」とは世界の重要な湿地を守る国際条約のことで、「特に水鳥の生息地として国際的に需要な湿地に関する条約」が正式名称です。
対象エリアは、河口から約13kmの流域と両岸に広がる水田、人工湿地など約560ヘクタール。コウノトリやヒヌマイトトンボをはじめとする稀少動植物や魚類などを重層的にかかえていることが評価されました。
水鳥などを観察できる「ハチゴロウの戸島湿地」をはじめ円山川下流域などでは、コウノトリなど多様な生き物が生息・生育できる環境を保全・整備する取り組みが行われています。

山陰海岸ジオパーク

 

山陰海岸ジオパーク

玄武洞(豊岡市) 


はさかり岩(豊岡市)
今子浦のかえる島(香美町)


鎧の袖(香美町)


三尾大島(新温泉町)

 

●関連情報
山陰海岸ジオパーク


●貴重な地質遺産「山陰海岸ジオパーク」
「ジオパーク」とは、科学的に見て特別に重要で貴重な、あるいは美しい地質遺産を複数含む一種の自然公園です。地質遺産保全と地球科学普及に利用し、地質遺産を観光の対象とするジオツーリズムを通じて地域社会の活性化を目指しており、ユネスコの支援のもと、主にヨーロッパや中国で積極的に取り組まれています。
山陰海岸ジオパークのエリアは、山陰海岸国立公園(京都府八丁浜海岸から鳥取県鳥取砂丘まで)を中心として、東は京丹後市の経ケ岬から、西は鳥取市の湖山池の西端を通って白兎海岸までの東西約110キロメートル、南北最大約30キロメートルからなります。京都府(京丹後市)、兵庫県(豊岡市・香美町・新温泉町)、鳥取県(岩美町・鳥取市)をまたがる広大なエリアを対象としています。
また、北丹後地震時の地震断層である郷村断層・山田断層、鳥取地震の地震断層である鹿野断層・吉岡断層、更新世に活動した玄武洞、火山地形を残す神鍋山(火山群)及び扇ノ山(第四紀火山)などの貴重な地質遺産もエリアに含まれています。
日本列島がアジア大陸の一部であった時代の岩石から、今日に至るまでの経過が確認できる貴重なエリアで、平成20年12月、日本ジオパーク委員会から日本ジオパークとして認定されました。
そして平成22年10月4日、ついに「世界ジオパークネットワーク」への加盟が認定されました。

こちらより山陰海岸ジオパークの動画をご覧いただけます。

宇日の流紋岩【うひのりゅうもんがん】

 

宇日の流紋岩【うひのりゅうもんがん】

・県指定文化財
・豊岡市竹野町宇日

●断崖の流紋岩が流理構造
豊岡市北部の竹野海岸の平井の鼻から宇日海岸・田久日海岸にかけて見られる流紋岩の露頭で、海岸線に連続して見ることができます。
流紋岩の「流理」とは、シリカに富む細粒やガラス質の火成岩が規則正しく配列し稿状になっていることを指します。まるで渦巻きのような様は神秘的な光景を生み出しています。。

波食甌穴群【はしょくおうけつぐん】

 

波食甌穴群【はしょくおうけつぐん】

・県指定文化財
・豊岡市竹野町竹野

●波の浸食で形成された無数の丸い穴
海水浴場として知られる竹野浜の西にある、兵庫県最北端の猫崎半島。
その西海岸の岩盤には、無数の丸い穴「甌穴(ポットホール)」があります。
これは岩盤に生じた窪みに小石が絡まり、波の作用で小石がグルグルと回され削られてできたものです。普通は河床でみられる「甌穴」ですが海食によるものは珍しいとされています。
数千年の歳月をかけて、波が岩棚の石を回転させて掘り下げた結果できたこの甌穴群の奇観は、学術的価値の高いものとされています。

漣痕化石【れんこんかせき】

 

漣痕化石【れんこんかせき】

・県指定文化財
・香美町香住区下浜

●浸食作用で作られた規則的な微地形
水に接する砂質の堆積物の表面には、波の作用で作られた周期的なうねり模様が残ることがあります。
これを「漣痕(リップルマーク)」と呼びます。

約2,000万年前、香住区下浜付近一帯は「古浜坂湖」という淡水湖で、底の泥に刻まれた波の跡は、礫質の砂の層に覆われていました。
それが化石となって残り、海抜14mの地層中に波長50~60cmの波形が延長50m、東西方向に並んでいます。

鎧の袖【よろいのそで】

 

鎧の袖【よろいのそで】

・国指定天然記念物
・香美町香住区下浜

●斜度70度でそそり立つ断崖
幅200m、高さ70m、斜度70度でそそり立つ断崖。
約1,000万~300万年前の火山活動によって形成されたといわれています。

柱状節理の発達した流紋岩質デイサイトからなり、上部には板状の岩石の割れ目が発達しています。
その形状が鎧の“おどし”(袖)に似ていることから、この名前がついています。
美しく迫力ある大海食崖で、国の天然記念物に指定され、日本百景にも選定されています。
また、延長線上にある「鷹ノ巣島」と「蜂ノ巣島」は、鎧の袖の岩床が海食によって海中に分離してできたもので、この2島も柱状節理が発達し、美しい景観をみせています。

但馬御火浦【たじまみほのうら】

 

但馬御火浦【たじまみほのうら】

旭洞門


三尾大島

・新温泉町~香美町
・国指定名勝・天然記念物

●火山活動の様子や海食地形を観察
新温泉町浜坂湾東部の小浜谷から香美町香住区伊笹岬の間の海岸を指します。
この一帯は、昔ここで起きた火山活動の様子や海食地形を観察することができます。
西南西、東北東方向の直線的な海岸線は、海食崖や礫浜の奇岩怪石が続いています。

特に三尾地区では、貫入岩の流紋岩質デイサイトの美しい柱状節理からなる「三尾大島」が素晴らしい景観をみせてくれます。遊覧船からは三尾大島をはじめ、柱状節理・岩脈・洞門などが多くの地学現象が観察されます。

香住海岸【かすみかいがん】

 

香住海岸【かすみかいがん】

・鷹ノ巣島


・めがね洞門

・香美町香住区境~下浜
・国指定名勝

●山陰海岸における最も湾入に富んだ隆起海岸
山陰海岸における最も湾入に富んだ隆起海岸で、入り組んだ海岸美や洞門、奇岩が点在しています。
香美町香住区の境~下浜に至る海岸線を指し、複雑に屈曲した海岸線に、無数の洞窟や断崖、奇岩が連なり見事な造形美をつくり出しています。
エリア内には国指定天然記念物の鎧の袖や鷹ノ巣島、但馬松島、めがね洞門などの景勝地があります。特に遊覧船からはさまざまな地質が見られます。
また、海岸の岩場には多くの動物の足跡化石や流痕など貴重な地質遺産が多数残されています。昭和13年(1938)5月には国の名勝に指定されました。

切浜の「はさかり岩」【きりはまのはさかりいわ】

 

切浜の「はさかり岩」【きりはまのはさかりいわ】

・県指定文化財
・豊岡市竹野町切浜

●2本の礫岩の間に挟まった球状の礫岩
はさかりとは但馬の方言で「挟まる」という意味で、
海中から突き出た2本のロウソクのような岩の間に、直径3~4メートルの球状の岩が挟まれて奇観を形成しています。洞門の天井部が崩れ落ちる途中でひっかかって止まったものと考えられています。
道路脇にはロードパークがあり、また、ジオカヌーに乗って海から見ると、陸側とは違った景観を見ることができます。

玄武洞【げんぶどう】

 

玄武洞【げんぶどう】
・国指定天然記念物
・豊岡市赤石
●亀甲に似た六角形の石柱が群立
自然がつくり出した芸術ともいうべき、見事な柱状摂理で知られる玄武洞。亀甲に似た六角形の石柱が群立しています。
160万年前の噴火によって流れ出たマグマが冷え固まって形成されました。中でも代表的な「玄武洞」は、マグマ冷却時の熱対流の動きを最もよく表す柱状節理です。
地元では「灘岩」と呼び、石垣などに多く使われています。昭和6年(1931)には、玄武洞及び青龍洞が国の天然記念物、昭和38年(1963)には周辺地域一帯が山陰海岸国立公園に指定されました。世界の地質公園である山陰海岸ジオパークの見所のひとつでもあります。
1929年に京都帝国大学の松山基範博士が地磁気の逆転説を世界で初めて発表した場所であり、国際的にも貴重な場所として知られています。
公園内には「玄武洞」「青龍洞」「白虎洞」「南朱雀洞」「北朱雀洞」の5つの洞があります。