2011/11/22  

渓流魚料理【けいりゅうさかなりょうり】

 

渓流魚料理【けいりゅうさかなりょうり】

ヤマメ


アマゴ料理

●渓流の恵みを受けた川魚料理
豊かな自然に恵まれた但馬は、美しい清流や滝がたくさんあります。そこには鮎、ヤマメ、アマゴ、ニジマスなどの川魚がイキイキと暮らしています。渓流の恵みをいっぱいに受けた川魚料理の素朴な味が引き立ちます。塩焼き、刺身、唐揚げ、天ぷら、甘露煮など食べ方もいろいろ楽しめます。

鮎料理
大屋川の清流で育った鮎は「大屋次郎」の名で呼ばれ、小ぶりながらクセがなく食べやすいのが特長。養父市大屋町あゆ公園では、つかみ取りや釣りを体験でき、レストランでは鮎のコース料理も味わえます。(要予約)
また、矢田川でとれた新鮮な鮎料理も逸品。
・やぶ市観光協会大屋支部 079-669-1104

・香住観光協会 0796-36-1234
・香美町村岡観光協会 0796-94-0123

ヤマメ料理
清流が育てたヤマメを、川魚の香ばしさを生かしたコース料理でどうぞ。ヤマメの塩焼き、刺身、寿司などのほか、山の幸を使った季節感たっぷりの料理を一緒に食べられるお店もあります。昔ながらの素朴な味わいとあたたかいもてなしに心からくつろげます。
・神鍋観光協会 0796-45-0800
・やぶ市観光協会氷ノ山鉢伏支部 079-667-3113
・香美町村岡観光協会 0796-94-0123

アマゴ料理
アマゴはヤマメと共に渓流の魚として釣り人に人気があります。ヤマメと異なり朱点があるのが特徴。但馬の渓流で育ち、身が引き締まったアマゴをご賞味ください。
・香美町村岡観光協会 0796-94-0123
・小代観光協会 0796-97-2250
・生野町観光協会 079-679-2222

ニジマス料理
神鍋高原から伏流水が湧き出している豊岡市日高町十戸は、豊かな水量と一定した水温を利用し、大正時代からニジマスの養殖が盛んです。ニジマス釣りと料理が楽しめ、低脂肪な白身の淡泊さを活かした料理は女性に人気があります。
・神鍋観光協会 0796-45-0800

2011/11/22  

そ ば

 

そ ば

出石皿そば


赤花そば

平家そば

高中そば

●それぞれのこだわりを持ったそば
出石皿そば【豊岡市出石町】
約300年前、在来そばにお国替えで信州上田のお殿様が連れてきたそば職人の技法が加わったことに、はじまるといわれています。挽きたて、打ちたて、ゆがきたての伝統を守り、現在では約50軒のそば屋が軒を並べるほど。白磁の出石焼の小皿に分け入れるのも特徴。ネギ・大根おろし・生たまご・とろろいもなどの薬味を入れていただきます。小皿を箸の高さぐらい(約15皿分)食べあげると「そば通」といわれるとか。
・NPO法人但馬國出石観光協会 0796-52-4806
・そば打ち体験可の店舗有(要予約)

赤花そば・水そば【豊岡市但東町】
白い花の中に珍しい赤い花を咲かせる赤花そば。そば粉100%だけを使い、つなぎを一切使わないこだわり。純粋な風味があり、しっかりコシがあり何もつけずに食べるとそば本来の味を感じることができます。極みは「水そば」、冷たい水にゆがいたそばだけを盛り、薬味もそばつゆもなく、箸休めの漬け物だけでいただくというもの。また、そば通にはうれしい、そば畑のオーナー制度やそば打ち体験もあります。
赤花そばの郷 0796-56-0081
(土日祝営業・平日は要確認)
・そば打ち体験可(要予約)
・シルク温泉やまびこ お食事処たんとう 0796-54-0141

床瀬のそば【豊岡市竹野町】
ほのかに柚子の香り、やや濃いめのつゆで、あっさりと味わえる床瀬そば、見た目は細くて繊細、かなりコシが強い。甘みをおさえたつけだしと相性が良い椒そばなど、山間の里に、地元のそば打ち名人がそば粉と自然薯だけで打つ店が点在。素朴な田舎そばが評判で、囲炉裏を囲んで郷土料理とともに楽しめる店やそば打ち体験ができる店などふるさとの味を満喫できます。
・たけの観光協会 0796-47-1080

平家そば【香美町香住区】
約800年前、平家の落人が住みついたという伝説を持つ集落にあるそば。つるつると舌触りがよい繊細な味。だしは調味料だけを先にあわせた「かえし」を使っています。
・平家の里 0796-34-0100

高中そば【養父市】
地元のおかあさんたちが心を込めて打つそば。細かく丁寧にひいたそば粉に山芋を加えたもので、素朴でしっかりとしたコシがあります。箸休めに山椒、わさび、ふきなどの山菜が添えられているのもうれしい。
・高中そば処 079-665-0364
・そば打ち体験可(要予約)

2011/11/22  

但馬ビーフ【たじまびーふ】

 

但馬ビーフ【たじまびーふ】

但馬ビーフ
ステーキ
●神戸牛、松阪牛、近江牛の素牛は但馬牛
「山でつくり草で飼う」と昔から但馬牛は言われてきました。山間の豊かな自然の中で丹精込めて育まれ、品位に富み血統の良い牛として知られています。
但馬ビーフの特長は、美しい鮮紅色にきめの細かい霜降り。霜降りの脂肪分が適度に肉全体にとけだし、やわらかく舌触り良い但馬牛独特のまろやかさが醸し出されます。

ステーキ
分厚い但馬ビーフを鉄板の上でジュージュー焼くと良い香りが食欲をそそります。手ごろな値段で本格但馬ビーフのフルコースを味わえるのは、やはり産地だからこそ。舌にとろける贅沢を味わってください。

すきやき
しょう油だれに、野菜と肉の旨みが程良く溶け合い、いっそうおいしさが増します。

・神鍋観光協会 0796-45-0800
・たけの観光協会 0796-47-1080
・やぶ市観光協会 079-664-1555

・香美町村岡観光協会 0796-94-0123

・小代観光協会 0796-97-2250
・湯村温泉観光協会 0796-92-2000

2011/11/22  

松葉ガニ【まつばがに】

 

松葉ガニ【まつばがに】

焼きガニ

カニ刺し
カニみそ
セコめし
●関連情報
但馬漁業協同組合(JF但馬)
●冬の味覚の王様「松葉ガニ」
冬の荒れる日本海から水揚げされるズワイガニを但馬では「松葉ガニ」と呼びます。太い脚にぎっしりと詰まった身は極上の甘み。漁期は11月上旬から3月20日ころまで。その期間、但馬ではカニづくしの季節となり、おいしいカニを求めてたくさんの人々が訪れます。

カニすき
みんなで囲む鍋はカニ料理の定番。カニ本来の味を味わうには最初から野菜を入れず、カニを入れ一気に煮ると、ふわっと身がはち切れんばかりにふくらむので、そこを手早く引き上げアツアツを食べます。旅館や民宿のご主人に、地元ならではのおいしい食べ方を教わるのも良いかも。

ゆでガニ
カニまるごとをゆがき、素手でバキッと折ってかぶりつきます。シンプルな調理法ですが、火加減やゆがき時間、塩加減などおいしくゆがくのは難しいとか。本場のカニの旨さは、脂ののったようなコクがあり、口の中にいつまでも甘みが残ります。

焼きガニ
焼くと芳ばしい香りが食欲をそそり、旨さを引き立てます。旨みの汁が流れてしまわないように強火で一気に焼き上げ、殻が赤くなり透明な身がうっすらと白くふくらんできたら食べごろ。天然の塩味もカニの甘みを引き立ててくれます。

カニ刺し
新鮮でなければ味わえない、地元ならではの逸品。殻をとって氷水につけるとパッと花が咲いたように開きます。透き通るような身の光沢と、とろける天然の甘みは贅沢の極み。

カニみそ
みそはカニの肝臓で、多量の脂肪やグリコーゲンが含まれています。栄養分が豊富で、コクのある磯の風味が口の中に広がる珍味。酒にもごはんにも合います。みその入った甲羅に熱い日本酒を注いで飲む甲羅酒もおすすめ。

他にも、カニの脚を持ち、熱い鍋のだしの中でゆっくり2~3回ゆらすと、カニ刺しと同じように身がパッと広がる「カニしゃぶ」。生でも食べられる鮮度の良いカニだからこそできる食べ方です。
松葉ガニのメスをセコガニといい、お腹に卵をたくさん持っています。このセコガニをご飯に炊き込んだ「セコめし」は漁師町の家庭料理の味。また、蒸しガニやカニ雑炊、カニグラタン、カニ寿司など、さまざまな料理があります。

・豊岡観光協会 0796-22-8111

・神鍋観光協会 0796-45-0800
・城崎温泉観光協会 0796-32-3663
・たけの観光協会 0796-47-1080

・香住観光協会 0796-36-1234
・浜坂観光協会 0796-82-4580
・湯村温泉観光協会 0796-92-2000

2011/11/22  

その他の温泉

 

その他の温泉

日和山温泉

奥城崎温泉

●但馬には内湯や温泉スタンドで温泉を楽しめるところもたくさんあります

日和山温泉
日本海が一望できる風光明媚な露天風呂など、魅力あふれるホテルの温泉です。

・兵庫県豊岡市瀬戸
・ホテル1軒 内湯のみ
・泉質/含塩化土類─食塩泉
・効能/婦人病・リウマチ性疾患・運動器障害・創傷・慢性湿疹・角化症・虚弱児童など

・ホテル金波楼 0796-28-2111

十戸温泉
神鍋高原から湧き出す、清らかな水は十戸の滝に集まってきます。そこに湧き出す温泉は清らかな水を源にした美しいお湯が自慢です。
・兵庫県豊岡市日高町十戸

・旅館2軒 内湯のみ
・泉質/含炭酸─土類─重曹泉
・効能/神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・慢性消化器病・痔疾・冷え性・疲労回復など
・神鍋観光協会 0796-45-0800

奥城崎温泉
海のすぐそばにあるホテルの温泉。海の塩が温泉にも生きています。なめるとちょっとしょっぱいですが、そこが効き目でもあります。
・兵庫県豊岡市竹野町

・ホテル1軒 内湯のみ
・泉質/ナトリウム・カルシウム─塩化物強塩高温泉
・効能/神経痛・筋肉痛・慢性消化器病・冷え性など
・奥城崎シーサイドホテル 0796-47-0666

佐津温泉
夏は海水浴でにぎわう美しい海が目の前。楽しく遊んだあとは、温泉に入って、さっぱり爽快気分が満喫できます。
・兵庫県美方郡香美町香住区佐津

・民宿29軒 内湯のみ
・泉質/含弱放射能食塩泉
・効能/神経痛・筋肉痛・関節痛・皮膚病・婦人病など
・香住観光協会 0796-36-1234

柴山温泉
冬になるとカニ漁でにぎわう柴山漁港がすぐ近くにあります。温泉に入って、とれたてのカニをいただく贅沢を味わえる温泉です。
・兵庫県美方郡香美町香住区柴山

・民宿13軒 内湯のみ
・泉質/アルカリ性単純放射能低温泉
・効能/神経痛・筋肉痛・関節痛・切り傷など
・香住観光協会 0796-36-1234

香住温泉
香住ガニが水揚げされる但馬屈指の漁港・香住漁港があります。カニをはじめとする新鮮な魚介類がたっぷり楽しめます。
・兵庫県美方郡香美町香住区香住

・民宿16軒 内湯のみ
・泉質/低張性弱アルカリ性低温泉
・効能/神経痛・筋肉痛・関節痛・疲労回復など
・香住観光協会 0796-36-1234

2011/11/21  

但馬ファンクラブ【たじまふぁんくらぶ】

 

但馬ファンクラブ【たじまふぁんくらぶ】
●関連情報
但馬ファンクラブ
●但馬の情報・特産品キャッチ、旅先で使える割引券
 但馬ふるさとづくり協会が主催。但馬にお住まいの方も、そうでない方も、但馬に興味がある方ならどなたでも入会できる但馬ファンのためのクラブです。入会すると、但馬のレジャー・グルメ・温泉などの観光情報や、宿泊・飲食・おみやげ・レジャー施設など200以上の施設で利用できる「トクトク券」(割引券)が付いた「パスポート」が手に入ります。
1年会員(1,000円)と3年会員(3,000円)があり、コース毎に複数の「会員特典」が用意されています。但馬の情報や特産品などから、自分の希望する特典を選べます。
但馬のあらゆる情報が手に入るので、遠くにいながら但馬を身近に感じたり、但馬に遊びに来るときに使ったりと、但馬の旅を快適にサポートしてくれます。

(公益財団法人)但馬ふるさとづくり協会
・0796-24-2247
・兵庫県豊岡市山王町11-28

2011/11/21  

村岡民俗資料館「まほろば」【むらおかみんぞくしりょうかん「まほろば」】

 

村岡民俗資料館「まほろば」
【むらおかみんぞくしりょうかん「まほろば」】

まほろば
・県景観形成重要建造物
●関連情報
香美町役場
●凝った装飾が残る資料館は明治時代の郡役所
明治20年(1887)頃に建てられた建物で、かつては旧七美郡(しつみぐん)の郡役所として使われていました。現在は、民俗資料館として、1階にこどもひろば、2階に村岡区内で出土した考古資料が展示されています。縄文時代早期の石器や土器などの資料を見ることができます。
木造の擬洋風建築物としては、同時期に建てられた県下にある郡役所と、意匠に共通点が見られますが、破風の装飾板は他にはない凝った装飾が施されているのが特徴です。昭和63年(1988)に、軽量鉄骨構造の外観再現建築へ改造されましたが、窓台、玄関ポーチのシャフトとペディメント、妻部の装飾は、当時のものを再使用しており、但馬の近代化遺産建築のひとつに数えられています。

村岡民俗資料館まほろば
・0796-26-0033
・兵庫県美方郡香美町村岡区村岡2324-1
・火曜~金曜/午後1時~午後5時開館
・土・日・祝/午前9時~午後5時開館
・毎月初日、毎週月曜、年末年始(12/28~1/4)休館
(毎月初日が土、日の場合と、成人の日、子どもの日、文化の日、敬老の日は開館)
・一般150円、高校生100円、中学生以下無料
(20名以上の団体の場合、一般120円、高校生80円)

2011/11/21  

柤大池公園【けびおおいけこうえん】

 

柤大池公園【けびおおいけこうえん】

柤大池

バンガロー村

●関連情報
柤大池公園バンガロー村 あけぼの山荘

●大自然とふれあえるアウトドアスポット
 標高600mの高原内にある湖水・柤大池(けびおおいけ)。柤岡は昔、淡水湖の中にあり、今の大池は、その淡水湖の一部なのではないかといわれています。
池の周辺はスポーツ、レジャーに持ってこいのアウトドアフィールド。野球、テニス、サイクリング、ローラースケートなどのスポーツを楽しむことができます。
柤大池公園の一番の特徴は、氷ノ山後山那岐山国定公園内に位置するそのロケーションのよさ。あまり人の手を加えずに、自然のままの姿を残した公園では、四季色とりどりの景色を見ることができます。特に秋の紅葉シーズンは一面が真っ赤に染まります。
また、園内には、バンガロー・コテージ・テントサイトを備えたキャンプ場を完備。週末や夏休みになると、京阪神からたくさんの人々が訪れます。爽やかな風、新鮮な空気、夜になれば、満天の星空。自然あふれる思い出づくりに最適です。

柤大池公園バンガロー村 あけぼの山荘
・0796-95-1109
・兵庫県美方郡香美町村岡区柤岡
・4月中旬~11月下旬(気候により多少変動します)
・毎週水曜日(夏休み期間は無休)
・ログハウス全5棟、コテージ全5棟、オートキャンプ場、グラウンド、テニスコート(3面)

2011/11/21  

棚田オーナー【たなだおーなー】

 

棚田オーナー【たなだおーなー】
●関連情報

株式会社おおや振興公社
●米作りを体験、秋には新米が届くオーナー制度

おおや農村公園棚田オーナー【養父市大屋町】
1997年にオープンしたオーナー制の棚田。家族やグループが年3回の農作業に汗を流します。5月中旬~下旬に田植え、6月中旬~7月下旬頃に草取り、9月上旬~中旬頃に稲刈りをします。化学肥料や農薬を使わない、昔ながらの米作りを地元の人の指導を受けながら体験します。蛇紋岩地帯でつくる米は昔から美味しいと評判です。園内施設の割引制度などもあります。

株式会社おおや振興公社
TEL.079-669-1822

だんだん田んぼの会【香美町村岡区大笹】
香美町村岡区大笹は、冬はスキー客らで賑わう旅館街。2002年、旅館店主らが中心となり、地元の棚田でオーナー制度をスタートしました。毎年、京阪神からの家族連れやグループの参加があり、参加者は年3回、農業体験をします。秋には玄米30キロが自宅に届き、ハチ北温泉「湯治の湯」やスキー場リフト券の割引などの特典もあります。

ハチ北高原自然協会
TEL.0796-96-0732

2011/11/21  

但馬牛【たじまうし】

 

但馬牛【たじまうし】
放牧
庭先

但馬牛を飼う但馬の人々は、牛を家族の一員として一つ屋根の下で共に寝起きして、雪深いきびしい風土に生き、温和で姿美しい但馬牛を大切に育ててきました。

■但馬牛博物館
・新温泉町丹土1033
・TEL.0796-92-1005
・午前9時~午後5時
・木曜定休
(休日と重なった
場合は次の平日)
・入館料/無料

●関連情報
新温泉町役場
但馬牛博物館

●但馬牛とは
農耕用の機械が導入されるまで、農家は農業の働き手のひとつとして、各家庭に1頭は牛を飼育していました。家族の住む母家に同居させ、我が子同様に愛情を注ぎ、大事に育てたと言います。起伏に富んだガタガタ道は、牛の足腰を丈夫にし、但馬特有の夏の湿気と冬の寒気がよい毛並みをつくりました。子牛は競り市で売られ、農家の大事な収入源でした。優良牛の育成を目指して、よい特性を備えている牛を選び、何世代もの近親繁殖を繰り返す間に、その優れた特質が固定され、血統(蔓牛)をつくってきました。現在も兵庫県外の優良牛との繁殖はせず、純血を守っています。

●但馬牛を創った男「前田周助」
現在の但馬牛の歴史を語る上で、なくてはならない人がいます。香美町小代区に生まれた前田周助(1797~1872)です。牛の取引と小代牛の宣伝のために、わざわざ大阪の市場まで牛を連れて出かけたという逸話が残る人物。彼の人生はまさに但馬牛とともに生きたと言えます。周助は「蔓(つる)牛」の開発に一生をかけました。「蔓」とは、他地域との交流を避けた「閉鎖育種」の方法で生み出された、発育・資質・繁殖性の優秀な牛の血統のことを言い、その系統牛を「蔓牛」と呼びます。但馬牛の優れた特質は、長年に渡り、他との交配をさけ、改良に改良を重ねて受け継がれた優良な血統から生み出されました。

「蔓牛」を創り出すことで、安定的に優秀な子牛が生産することができます。周助は系統牛になりそうな牛がいると聞けば、東へ西へと駆け回りました。そのためには私財を投げ打って、牛を買い求める毎日。そしてついに100年に一度の雌牛を手に入れました。飼料の選定から一切の手入れ、特に繁殖には多年の研究と経験の全てを注ぎました。こうして周助の生み出した牛は「周助蔓」と言われ、現在の但馬牛の代表的な蔓のひとつ「あつた蔓」の素となりました。

●伝説の但馬牛「田尻号」
昭和14年に香美町小代区に生まれた伝説の雄牛「田尻号」。全国和牛登録協会の資料によると、全国の黒毛和種繁殖雌牛の99.9%が、「田尻号」の血統に繋がることが分かりました。名だたる高級黒毛和牛の母牛の大部分が、この「田尻号」をルーツに持っています。明治に入り西洋文化の影響で肉食が盛んになると、日本の小型の牛を改良するため、体格のよい外国の牛と交配させることが進められました。但馬でも例外ではなく、外国牛との交配が行われましたが、肉質の低下を招き、優良な血統牛を失いかねない危機におちいります。

第二次世界大戦後、但馬牛の純牛種を守ろうと、新しい血統作りが始まりました。ここで注目されたのが「周助蔓」。険しい山々と深い谷あいにあり、隣村との行き来が困難な小代には、外国牛との交配を免れた但馬牛が奇跡的に生き残っていました。中でも田尻松蔵が丹精込めて育て上げた「田尻号」は、生まれて半年で美方郡の種オス牛候補として認められた名牛。特に遺伝力の強さは他の雄牛の中でも群を抜いていたと言います。

但馬の山間部では家の玄関の横に牛小屋があり、昔から家族同様に牛が育てられてきました。松蔵も「田尻号」を我が子のように可愛がり、毎日運動と手入れを欠かさなかったそうです。そのおかげでほとんど病気をすることもなく、昭和29年まで種牛として活躍しました。昭和30年には長年の功績を讃えられ、黄綬褒賞を受賞しています。


●但馬牛の特徴

1.資質が抜群によい
毛味、色味、骨味が良く皮は薄く、弾力ゆとりがあり、
品位に富み体のしまりが良い。
2.遺伝力が強い
全国の和牛改良に広く活用されている。
3.肉質、肉の歩留りがよい
肉の味がよく、骨が細く皮下脂肪が少ない。
4.長命連産で粗飼料の利用性が良い
長命連産。山野草を好み、古来より
「但馬牛は、山でつくり、草で飼う」といわれています。