2015/02/10  

見蔵岡遺跡石棒関連出土品 【みくらおかいせきせきぼうかんれんしゅつどひん】

 

見蔵岡遺跡石棒関連出土品
【みくらおかいせきせきぼうかんれんしゅつどひん】
見蔵岡遺跡石棒関連出土品
石棒関連出土品
・豊岡市竹野町松本
・県指定文化財(考古資料)●関連情報
とよおか発掘情報
●西日本初、子孫繁栄を願う石棒の出土品
縄文時代の遺跡である見蔵岡遺跡は、鎌倉時代の屋敷の下に眠っていました。ここでは、西日本で初めての「石棒」の製作地が発見されています。石棒とは、丸棒状の磨製石器のことをいい、縄文時代中期末頃に子孫繁栄を祈願してつくられていたと考えられる遺物です。この石棒や石棒未製品の出土は、近くで石材の産出地があったことを裏付ける遺跡としても重要だと考えられています。また、土器と混在して、縄文中期から後期のものを主体とする石器が669点も出土しています。石器が原材と推定される石材も一定数出土しており、中でも石棒加工具と推定される槌石(つちいし)は、この遺跡で最も特徴的な石器であるといえます。この出土品は、当時の製作技法や流通状況を知る上で、貴重な資料となっています。

2011/06/22  

気比の銅鐸【けいのどうたく】

 

気比の銅鐸【けいのどうたく】
気比銅鐸4個
・豊岡市気比
・国指定考古遺物

・東京国立博物館所蔵

●関連情報
とよおか発掘情報

●貝殻などの上に置かれていた縦横四区画をもつ銅鐸

大正元年(1912年)9月、当時、小学校を改築するために必要な石材をもとめて、気比村字溝谷(鷲崎)の石切場で銅鐸4個が発見されました。
路傍にたっていた巨岩の背面にある小岩窟の中に、河原石や貝殻類をしきならべて、その上に置かれてたといわれています。いずれも流水文の小型銅鐸で、その内の第3号鐸は縦横四区画をもつ特色ある文様構成をしています。当時、日本海側では初めての発見で古代史学者が注目しました。その内の2個は大阪府下でつくられたことがわかってきています。陸路約200kmを隔てた間での交易がおこなわれていたことが推測されます。
銅鐸は弥生時代における最も謎の多い遺物で、気比の銅鐸は質の良さ、保存状況の良好さ、出土状況が比較的はっきりしています。大正元年11月に、宮内省から東京帝室博物館へ着出の指令が出され、現東京国立博物館の蔵品となっています。

2011/06/22  

妙楽寺出土仏具一括【みょうらくじしゅつどぶつぐいっかつ】

 

妙楽寺出土仏具一括【みょうらくじしゅつどぶつぐいっかつ】
錫杖
▲錫杖

・豊岡市妙楽寺
・県指定文化財(考古資料)

●関連情報
とよおか発掘情報

●中世仏教寺院としての「妙楽寺」を解き明かす
昭和37年(1962)、豊岡盆地側から県立但馬文教府へ至る道路の造成工事中に、鎌倉時代から室町時代のものと思われる密教関係の仏具が多数発見されました。出土品は散逸することなく一括で県立但馬文教府で保管、平成12年(2000年)に豊岡市出土文化財管理センターへ移管されました。特に、総高48.2cm、重量2,756kgの大型の錫杖頭は、全国屈指の大きさを誇り、錫杖頭に尊仏を配する例は全国的にも珍しいとされています。仏教考古学、美術工芸史及び地域史上もきわめて価値が高い資料です。

近年の整理作業で確認された「大門坊」「施入本堂」と線刻された資料からは、これまで不明であった、中世仏教寺院としての「妙楽寺」をうかがい知ることができるのでは?と、今後の調査研究に期待が高まっています。

2011/06/22  

戊辰年銘大刀【ぼしんねんめいたち】

 

戊辰年銘大刀【ぼしんねんめいたち】

戊辰年銘大刀
・養父市八鹿町国木

・国指定考古

・兵庫県立歴史博物館所蔵

●関連情報
養父市役所

●箕谷古墳群から608年にあたる鉄刀が出土

昭和58年8月、つるぎが丘公園の建設に先立つ埋蔵文化財調査で、箕谷2号墳から100点以上の遺物とともに一本の鉄刀が出土しました。X線検査の結果、銅で象嵌(ぞうがん)された「戊辰年五月(中)」の大文字が判読され、また、この鉄刀は、奈良・飛鳥時代の天皇が儀式用に使った「圭頭大刀(けいとうたち)」と呼ばれる形式であることもわかりました。
日本最古の銅象嵌で、この大刀は銘文から戊辰年銘大刀(ぼしんねんめいたち)と呼んでいますが、戊辰年は「つちのえたつ」という干支(かんし)年号で、推古(すいこ)天皇16年(608)にあたることから、全国の古墳の実年代を考える基準資料として注目されています。銘文は刀身の柄(つか)よりに「戊辰年五月(中)」の6文字を刻んでいます。鉄にタガネで線を彫り、その線に銅線をうめこんで文字を書く、銅象嵌という方法です。これは日本最古の銅象嵌の技法です。文字は1字1cmほどで、銅線は0.2~0.4mmという細いものです。
書風はのびのある柔らかい筆勢で書かれ、全体として中国六朝(りくちょう)的な様相を残しています。特に 「五 」の字は円筆(えんぴつ)という特色があります。日本にある銘文鉄刀は全国で8本だけの珍しいものです。兵庫県立歴史博物館に保管展示され、レプリカは、つるぎが丘公園体育館に展示されています。