2011/06/22  

猿尾滝【さるおだき】

 

猿尾滝【さるおだき】

猿尾滝

左右360度の
画像を見る

↑上のアイコンをクリックすると左右360度の画像が見れる「Quick Time VR」がご覧になれます。


Quick Time VRを楽しむためには上のバナーより「Quick Time」をダウンロードしてください。

●ソーメン流しにたとえられ愛された滝
落差60mの大瀑布「猿尾滝」は、「日本の滝100選」「県指定名勝」に選定されています。猿尾滝は上下2段の滝からなっており、下段の滝の景観が猿の尾に似ていることからこの名前がついたようです。
国道9号線からすこし入った県道から眺める滝は、自然林をバックに優美な印象。
滝の入り口駐車場から渓流沿いに進むと、すぐに落差21mの「下段の滝」が見えてきます。古くは村岡藩主の山名公が、妙見山・名草神社参道から美しい滝を眺めて楽しんだとか。
下段の滝から、ブナ・エゴノキ・ヤマフジ・クマシデ・ホウノキ・カエデなどが茂る道を登っていくと、落差39mの「上段の滝」があります。下段の滝とは異なり、波涛のような水しぶきをあげて落ちる瀑布は、迫力に満ちた荒々しい表情。上段の滝の黒い岩肌はゴツゴツと尖っており、この岩がいきおいよく飛沫をあげさせるのです。上段の滝の上部、滝口近くには石の不動尊がまつられています。
周辺にはモミジが多く、秋の燃えるような紅葉と白い瀑布のコントラストは実にみごとです。
なめらかな岩肌を滑り落ちるその景観は“ソーメン流し”にたとえられ、古くは村岡藩主・山名公が、妙見山・名草神社参道から眺める美しい滝として楽しんだとか。

・香美町村岡観光協会 0796-94-0123

2011/06/22  

吉滝・久須部渓谷【よしたき・くすべけいこく】

 

吉滝・久須部渓谷【よしたき・くすべけいこく】

吉滝
●関連情報
香美町役場
●澄んだ空気と透き通った水が迎えてくれる
香美町小代区の中心を流れる矢田川、その源流近くに多くの滝があります。特に久須部渓谷には、要の滝や吉滝などがダイナミックな美しさを誇っています。吉滝は別名裏見の滝と呼ばれ、裏からの滝の流れを見ることができる珍しい滝です。
沢すじにはシオジ・サワクルミなどの木々が生え、水しぶきのかかる岩のすき間にはイワタバコやダイモンジソウなどの草花が咲いているのがみられます。透き通った流れにヤマメ・イワナ・カジカなどの川魚が泳ぎ、昔と変わらぬ清らかさです。
吉滝の近くにはキャンプ場やコテージ村の設備があり、夏にはたくさんの人々で賑わいます。また、久須部渓谷の滝のそばには「滝見亭」というイワナや山菜が食べられる食事処もあります。

吉滝キャンプ場・コテージ村
・吉滝キャンプ場管理組合 0796-97-2392
・美方町産業振興課 0796-97-3111
・兵庫県美方郡香美町小代区

・テントサイト 1日 大人300円 小人200円
・管理棟 半日1500円 1日3000円
・山村広場施設 半日2500円 1日5000円
・コテージ(定員5名)
1泊1棟17000円(14時~翌日10時)追加1名ごとに1000円加算
休憩1棟1000円(16時まで)1時間につき
休憩1棟1200円(16時~22時)1時間につき

2011/06/22  

ベニズワイガニ

 

ベニズワイガニ


ベニズワイガニ
●香住カニとしても売り出し中
但馬で「ベニガニ」と呼ばれるベニズワイガニも、クモガニ科で、大きさ、形ともズワイガニとよく似ていますが、ズワイガニに比べて甲殻の色の赤みが強く、ズワイガニは腹側が白いのに対して、ベニガニは腹側も赤いので見分けることができます。正確には、ベニガニの甲羅の一番幅が広い部分には1本のトゲがあり、これで区別することができます。
ベニガニが棲んでいるのはズワイガニよりさらに深い、水深800~2,000m近くの深海で、海域では日本海北部から山陰沖合までと、北海道から銚子沖合までの太平洋沿岸に分布しています。そのためベニガニ漁は「かご漁」でおこなわれます。サバなどのエサを入れた直径1.3mほどのカゴを100~400個連ねて海中に投下し、ベニガニをカゴに誘い込みます。漁期は9月上旬~6月下旬(9月1日~6月30日ごろ)、漁場は隠岐堆、大和堆周辺です。

2011/06/22  

金属バネ工業【きんぞくばねこうぎょう】

 

金属バネ工業【きんぞくばねこうぎょう】
バネ
用途も多様化する金属バネ
兵庫県の特産品に指定
●日本の高度経済成長とともに発展
但馬の地場産業の中では歴史が新しく、第二次世界大戦中に大阪市内のスプリング工場が朝来市和田山町に疎開し、工場を開設したのがはじまりです。

昭和25年の朝鮮戦乱特需以降、景気上昇の波に乗り、増大する需要に応じて、自動車、車輌、弱電産業への部品を供給し発展してきました。
昭和60年に、企業が和田山を中心にして、養父、朝来の各市にひろがって合計数18、従業員195名、生産額年間18億円余がありました。

製品は線バネ、薄板バネを中心に、つる巻バネ、重ねバネなど。出荷先、原料仕入先が、大阪、岡山、愛媛などと遠隔地にあるため、金属工業の立地には必ずしも有利ではなく、円高不況のなかで主要なユーザーである自動車、弱電機メーカーなどの海外進出と現地での部品調達方式が進行していく中で、技術力の向上、販路の拡大が重要な課題とされています。
中でも朝来市和田山町の金属バネ工業は、県の特産品に指定され、コンピュー夕用のわずか数ミリのものから、工業用の大きなスプリングまで毎日数十トン単位で生産し、東京・大阪などの工業地へと出荷しています。

2011/06/22  

但馬杜氏【たじまとうじ】

 

但馬杜氏【たじまとうじ】
升酒

長年の知識と技術
但馬杜氏が造り出す
甘露の雫。
麹づくり
麹づくり
香りや風味の成分となる麹をつくる作業。酒つくりの中で最も神経を使う重要な仕事とされています。

●関連情報
新温泉町役場

●但馬人気質が造りだす甘露の雫
但馬では、特に雪深い地方の人たちが冬季の働き場所を求め、出稼ぎとして、全国各地に酒造りに出かけました。杜氏とは酒造りの最高責任者のことです。酒造りは杜氏・蔵人(くらびと)のグループが、新米の刈り入れの終わる10月頃から翌年の春まで、約6~7カ月の間、家を離れ、酒造会社の蔵元に泊まり込んでおこなわれます。蔵によって人数は異なりますが、数人から20人程度の蔵人がチームをつくり、杜氏の指導のもとで酒造りの作業をおこないます。「一蔵一杜氏」といわれるように、杜氏の数だけ酒の種類があるといわれています。
但馬の人は、慎重で誠実、質素にも耐えて思いやりがあり、粘り強い精神力があります。長年の知識と技術の蓄積が今日の但馬杜氏を生みだしました。

●記録に残る但馬杜氏
記録に残るものでは、天保8年(1837年)大阪でおこった大塩平八郎の乱に関連して、大和郡山にいた小代庄城山(香美町小代区)出身の杜氏、藤村某が登場します。藤村はこの地方の代表格で、城主の信頼も厚かったといいます。この時代から、すでに数多くの但馬の杜氏が地方に出かけていたことがわかります。
平成4年の記録では、全国の杜氏は1,754人、但馬の杜氏は全体の1割を占め、近畿を中心に中国・四国・北陸などで活躍していました。しかし、その数も20年前と比べると4分の1、5分の1に減少し、高齢化も進んでいます。また、冬季の出稼ぎシステムも時代にそぐわなくなってきています。最近、酒造りも機械化されてきましたが、手づくりの味の魅力は依然として重宝されています。

2011/06/22  

キャンプ場【きゃんぷじょう】

 

キャンプ場【きゃんぷじょう】

奈佐森林公園
湯の原温泉オートキャンプ場


今子浦ファミリーキャンプ場


柤大池公園バンガロー村


石ヶ堂古代村キャンプ場

●海・山・高原・渓谷、どこでもキャンプ
但馬は豊かな自然に恵まれており、海岸部、山間部ともに、気軽にアウトドアレジャーが楽しめるキャンプ場がたくさん整備されています。浜辺の松林、高原、森の中、滝のある渓谷など、ロケーションもさまざま。
キャンプ場には、テントサイトや常設テント、トイレ、炊事施設、シャワーなどの設備があるほか、キャンプファイヤー設備、コテージやバンガロー、ログハウスなど快適に過ごせる宿泊棟を備えているところ、オートキャンプができるところ、温泉施設や体験施設のあるところなど、学校の野外教育から、家族・グループの利用まで多様な目的に幅広く対応しています。【但馬のキャンプ場】

■奈佐森林公園(豊岡市)
■気比の浜きのさきKビーチ(豊岡市)
■白糸の滝キャンプ場(豊岡市出石町)
■兵庫県子ども自然村(豊岡市但東町)
■神鍋高原キャンプ場(豊岡市日高町)
■湯の原温泉オートキャンプ場(豊岡市日高町)※オートキャンプ可
■来日岳林間キャンプ場(豊岡市城崎町)
■たけのこ村キャンプ場(豊岡市竹野町)
■竹野浜海水浴場(豊岡市竹野町)
■弁天浜海水浴場(豊岡市竹野町)
■青井浜海水浴場(豊岡市竹野町)
■切浜海水浴場(豊岡市竹野町)
■休暇村竹野海岸(豊岡市竹野町)

■浜坂県民サンビーチ(新温泉町(旧浜坂町))
■居組県民サンビーチ(新温泉町(旧浜坂町))
■草太園地キャンプ場(新温泉町(旧温泉町))※オートキャンプ可

■今子浦ファミリーキャンプ場(香美町香住区)
■三田浜キャンプ場(香美町香住区)
■吉滝キャンプ場(香美町小代区)
■県立兎和野高原野外教育センター(香美町村岡区)※オートキャンプ可
■グリーンパークハチ北(香美町村岡区)
■柤大池公園バンガロー村(香美町村岡区)※オートキャンプ可

■鉢伏高原キャンプ場(養父市関宮)
■町営氷ノ山逆水キャンプ場(養父市関宮)
■妙見キャンプ場(養父市八鹿町)
■石ヶ堂古代村キャンプ場(養父市広谷)
■天滝公園キャンプ場(養父市大屋町)※オートキャンプ可

■兵庫県青年の山(朝来市山東町)
■緑ヶ丘キャンプ場(朝来市)
■魚ヶ滝キャンプ場(朝来市生野町)
■菅町キャンプ場(朝来市生野町)※オートキャンプ可
■せせらぎ荘キャンプ場(朝来市生野町)

2011/06/22  

県立施設【けんりつしせつ】

 

県立施設【けんりつしせつ】
バネ
県立コウノトリの郷公園

バネ
県立円山川公苑のカヌー


県立但馬文教府


県立但馬ドーム


県立木の殿堂


兎和野高原


県立但馬牧場公園


県立但馬長寿の郷


県立但馬全天候運動場


県立南但馬自然学校

●但馬の多彩な楽しみ方を提案
スポーツ、レクリエーション、芸術など、観光スポットにもなっている県立の施設です。

■県立コウノトリの郷公園(豊岡市)
国の特別天然記念物・コウノトリの野生復帰に取り組む拠点施設。コウノトリの保護・増殖や、コウノトリを再び野生にかえすための研究を進めており、公開ケージではその美しい姿を観察することができます。自然に恵まれた広大な敷地内には、コウノトリや豊岡の自然について紹介する「市立コウノトリ文化館・コウノピア」や、クワガタなどが生息する森、ミズカマキリ、モリアオガエルなどが生息する湿地などが整備されています。

■県立円山川公苑(豊岡市)
円山川河畔に広がるスポーツ・レジャーゾーン。カヤックや各種のカヌーに乗ることができます。夏は50メートルの本格プール、冬はスケート場になる施設や、広い芝生広場、展望レストラン、近・現代美術の企画展を開催する美術館などが併設されています。

■県立但馬文教府(豊岡市)
芸術・文化活動や地域づくり、ボランティア活動など成熟社会における生きがいのある生活創造活動と自己実現を図るための生涯学習を支援しています。また、但馬の文化活動の交流の場となっている文教府ギャラリーでは、一般の人やグループの絵画、写真、書道ほか、いろいろな作品展が開催されています。

■県立但馬ドーム(豊岡市日高町)
神鍋高原にある大きな開閉式のドーム。東京ドームを超える面積のグラウンドを備え、野球やサッカーなど各種スポーツやコンサートなどがおこなえます。ドーム内にはハンググライダー体験、環境発見遊具などのコーナーやレストランがあり、屋外には芝生グラウンド、ジョギングコースなどが整備されています。

■県立木の殿堂(香美町村岡区)
森や木の文化を紹介する自然学習施設。森に関する紹介パネルや、世界の民家模型、木製民具などが展示され、感動の自然物語がハイビジョンシアターで鑑賞できます。工作室では、電動糸ノコを使った組み木作り教室を開いており好評です。

■県立兎和野高原野外教育センター(香美町村岡区)
兎和野高原は兵庫県観光百選の第1位に選ばれた瀞川平にあり、レンゲツツジの自生地としても有名です。標高550mにあるなだらかなキャンプ場は、豊かな自然環境と127haもの広大な敷地に立地し、宿泊棟やフィールドアスレチック、グランドなどを完備しています。自然学校、ボーイスカウト、子ども会などで活用され、四季を通じて、豊かな自然とふれあいながら学習することができます。

■県立但馬牧場公園(新温泉町(旧温泉町))
山の斜面を利用して夏はターフスキーやソリ遊び、冬はスキーができ、但馬牛が自慢のレストラン、バーベキューハウス、宿泊施設なども備えていて、家族で楽しめるレジャーゾーンとなっています。ヒツジやウサギなどとふれあえるふれあい広場コーナーが子どもたちに人気で、但馬牛も放牧されています。但馬牛について紹介する但馬牛博物館もあります。

■県立但馬長寿の郷(養父市八鹿町)
子どもからお年寄りまで、だれもがいきいき暮らせる社会をめざす拠点施設。陶芸・木工ほかの手づくり教室、農業体験などができるほか、快適な居住空間を提案する住宅改修モデルルームや福祉用具などの展示もあります。くつろげる茅葺きの家屋、ギャラリー、宿泊施設など各種施設が充実しています。

■県立但馬全天候運動場(養父市八鹿町)
屋根付きの「いきいきドーム」は、天候を気にせずスポーツを楽しむことができ、テニスコート3面、ゲートボールなら4面に対応しています。ほかにも、家族やグループでピクニックや軽スポーツなどを楽しむことができる「芝生広場」や、シャワー完備の「交流会館」など、年齢問わず総合的にスポーツ活動が行える施設です。

■県立南但馬自然学校(朝来市山東町)
南但馬の豊かな環境を活用して、小学5年生が5泊6日にわたって体験学習をする「自然学校」の拠点施設。朝来群山県立自然公園の一角にあり、大自然の中で、子どもたちが学校生活では得られない体験を通して学習することができます。

2011/06/22  

ザゼンソウ

 

ザゼンソウ

残雪の中から春を告げるザゼンソウ
大笹のザゼンソウ群落
・県指定天然記念物
・香美町村岡区ハチ北高原
●山々に春を告げる、ザゼンソウの群生地
3月下旬、残雪の中からザゼンソウの花が顔をのぞかせる頃になると、但馬の山々にも本格的な春がやってきます。香美町村岡区ハチ北高原の標高700m付近には、およそ1.5ヘクタールに3,000株を越えるザゼンソウが自生しています。

ザゼンソウは、サトイモ科の植物で、本州中部から北の谷間に分布する多年生草木で、西日本のハチ北高原にこれだけ群生しているのは珍しく貴重な存在として、1971年に県の天然記念物に指定されています。

ザゼンソウの花は花弁のないたくさんの花が集まって、こん棒状になっており、これを肉穂花序と呼びます。この花序を包みこむ暗紅色の大きな苞(ほう)が「仏炎苞」で、その花が法衣を着て座禅を組んだ僧の姿に、苞が仏像の光背に似ているところからこの名がつきました。開花期は3月から5月。

2011/06/22  

ギフチョウ

 

ギフチョウ

ギフチョウ
 

●関連情報
ギフチョウ研究会

●春の訪れとともにあでやかに舞う、春の女神
明るい黄色と黒の縞に、赤とブルーのすそ模様をひるがえし、花から花へ舞い飛ぶようすは実にあでやか。ようやく訪れた春、ソメイヨシノの開花とともに現れるギフチョウは、誰が名づけたのか、「春の女神」の名にふさわしい美しいチョウです。
日本特産のチョウで、本州のみに生息しています。アゲハチョウの仲間ですが、やや小型。兵庫県下にも生息地は多くありますが、各地とも環境の悪化や乱獲もあって個体数の減少が目立ち、絶滅したところもあります。
但馬では、扇ノ山、妙見山、三川山などの山地から、豊岡市内の妙楽寺、愛宕山、大師山などの低山地まで、広くあちこちで見られますが、これも徐々に減少の傾向をたどっています。

●落ち葉の下で10ヶ月も眠って、春を待ちます
ギフチョウの幼虫は「カンアオイ」という植物の葉を食べて成長します。このカンアオイは、クリやコナラなど落葉樹の林の日陰に生育する植物で、もともと繁殖力が弱いうえに、落葉樹の林が杉やヒノキの植林に変わったり、ゴルフ場、宅地などの開発によって環境が変化すると、簡単に減ってしまうのです。そうしてカンアオイが減っていくことが、ギフチョウの減少した大きな原因と考えられています。
ギフチョウの成虫は山の尾根すじや山頂で見かけることが多いのですが、これはほとんどオス。メスは山すそや林道などの日だまりで、レンゲやツツジの蜜を吸っているのを見かけます。
4月下旬、カンアオイの葉の裏をめくると、直径1mmほどの真珠色の美しい卵が5~10個、かたまって産み付けられているのが見つけられます。卵はしだいに黒ずんで、産卵から2週間ほどでふ化します。真っ黒でビロードのようなツヤをもつ幼虫は、約1ヶ月間に脱皮を4回くりかえしてサナギになります。サナギはこのあと、夏~冬まで10ヶ月もの間、落ち葉の下で眠り、翌春を待って飛び立つのです。

2011/06/22  

モリアオガエル

 

モリアオガエル

モリアオガエル

モリアオガエルの卵
 

●関連情報
日本のカエル

●梅雨になると産卵場に集結、メスをめぐって争奪戦
5~6月ごろ、木の枝に、白い泡状の卵を産みつけることで有名なカエルで、背中には緑色の地に紅褐色の斑紋があります。
地域によっては天然記念物として保護されており、但馬の各地にも広く分布していますが、そのわりに目にすることが少ないのは、普段、山地の木の上で生活することが多いから。産卵期以外はあまり人目につかないようです。
モリアオガエルは産卵のため、梅雨の時期になると、近くの林から池や水たまりの上に張り出した木を目指して集まってきます。そうして周囲が暗くなったころ、産卵場となる木の枝に登ります。木の枝に陣取ったオスは「クックックッ」と鳴いてメスを誘い、メスが近づくと、メスの背中に乗って、産卵に適した枝先まで移動します。このとき、ほかのオスたちもメスを奪おうと飛びついてきます。産卵場所に着くと、背中に乗ったオスは、メスの腹部を絞るようにしてゼリー状の粘液と卵を出させ、後足で粘液をかきまわして泡状にするのです。こうして枝に産み付けられた卵は1~2週間でふ化し、オタマジャクシは、枝の下にある池や水たまりに落ちて、夏ごろには小さなカエルに変態していきます。