2025/12/31  

福本 清三【ふくもと せいぞう】

 

福本 清三【ふくもと せいぞう】
福本 清三
(1943~2021)
昭和18年に香美町香住区森に生まれる。時代劇の斬られ役として、「5万回斬られた男」の異名を持つ。

●関連情報
映画【太秦ライムライト】

●香美町出身・時代劇の斬られ役
1943年(昭和18)に旧香住町森(香美町香住区)に生まれ、子どもの頃は香住の野山を走り回っていたという福本清三。香住第一中学校を卒業後、15歳で単身ふる里を離れ、東映京都太秦撮影所に入所し、大部屋俳優として役者人生のスタートを切りました。昭和30年代、当時隆盛を極めた映画界は大変華やかな世界でしたが、大部屋俳優は400人もの人たちがひしめき合い、非常に厳しかったと言います。町を歩く通行人や大名行列の籠かきなど、画面に大きく出してもらえない日々が10年ほど続きました。

●5万回斬られた男
少しでも画面に映るように立ち回りを覚え、稽古の中でどうすれば自分をアピールできるかを考えたという福本。憧れであったチャップリンの演技を参考にするなどして、死に方、倒れ方を研究しました。そして、少しずつ斬られ役として認知され始め、時代劇には欠かせない役者として、テレビなどで取り上げられるようになりました。田舎育ちで培った抜群の身体能力を活かした演技は、映画関係者から高く評価されています。

2003年(平成15)にはハリウッド映画「ラスト サムライ」で、アメリカの人気俳優 トム・クルーズが演じる主人公を警護する寡黙な侍役に抜擢され、脚光を浴びました。さらに、2014年(平成26)には自身の半生を描いた「太秦ライムライト」に「斬られ役一筋のベテラン俳優」役で初主演を務め、第18回ファンタジア国際映画祭において日本人初となる主演男優賞を受賞し、同時に歴代最年長受賞記録を更新しました。

 

2025/12/31  

かまたりさんの伝説【かまたりさんのでんせつ】

 

かまたりさんの伝説
【かまたりさんのでんせつ】

かまたりさんの伝説
鎌足神社

鎌足神社
・香美町香住区一日市
岡見公園から見える離れ島の中に鎮座する「鎌足神社」。人の往来が困難なため、神事は祠と面する岡見公園で行われている。

 

 

イルカ退散の願いを叶えた「かまたりさん」

日本海を一望できる観光名所として名高い香美町香住区にある岡見公園。岡見公園から見える向かいの島には、「かまたりさん」と呼ばれている小さな祠があります。そこには、古くからの言い伝えが残っています。

昔は船も小さく、魚を獲りに行ける場所が限られていました。しかも、春になると、イルカの大群が押し寄せてきて、魚が一匹もとれない日もあり、地元の漁師たちは頭を抱えていました。春ごとにやってくるイルカの大群に困り果てて、皆で知恵を絞って対策を考えることにしましたが、中々よい知恵が浮かびません。そこで、漁師たちは村の長老にイルカ退治の教えを乞うことにしました。すると、長老はおもむろに口を開いてこう言いました。「その昔、この国で悪い政治を行っていた蘇我入鹿(そがのいるか)を成敗した中臣鎌足(なかとみのかまたり)にお願いすれば、イルカも退治してくださるだろう。」

その言葉を聞いた漁師たちは鎌足をまつる神社を建てて、イルカ退散のために祈願をしました。すると驚いたことに、イルカたちみんなが逃げて、遠くの海へ帰っていきます。魚が獲れない日々から一転し、その年からはたくさんの魚を獲ることができたそうです。イルカの被害がなくなった今でも、鎌足神社では年に一度、大きな釜で湯を沸かし、笹の葉などにつけてその熱湯を四方にまくことで、豊漁と安全を祈願する「湯立神事」が行われています。

 

2024/12/26  

大引の鼻展望台【おおびきのはなてんぼうだい】

 

大引の鼻展望台【おおびきのはなてんぼうだい】

大引の鼻展望台

 
●関連情報
香美町観光HP
●240度ぐるりと日本海を見渡せる絶景スポット
香美町香住区の今子浦海水浴場から徒歩5分の断崖の上にある大引の鼻展望台は、日本海を一望できる絶景スポットとして人気です。断崖絶壁の海に突き出た岬の先に展望台があり、遥かに見渡す水平線は息をのむ美しさです。黒島や白石島の他、東側には断層による峡谷や大引洞門、遠方には豊岡市の猫崎半島や京丹後市の経ヶ岬、西側には三田浜海水浴場や国の天然記念物「鎧の袖」や御崎集落のある伊笹岬など、日本海一帯が眺望できます。「日本の夕陽百選」にも認定されており、夏の赤く染まる夕日の景色もおすすめです。初夏から秋口にかけては、日が暮れた後、水平線にイカ釣り漁船の漁火の灯りが灯り、幻想的な世界も楽しむことができます。

2024/01/27  

かにみそまん【かにみそまん】

 

かにみそまん
かにみそまん
●カニの香りが湯気立つ名物中華まん
関西では香美町の香住漁港でだけで水揚げされるベニズワイガニは「香住ガニ」と呼ばれてブランド化されています。香住ガニは、身が詰まり、甘味が強く、みずみずしいのが特徴。香美町香住で愛される創業42年の中華料理店「白龍」では、そんな香住ガニを贅沢に使った『かにみそまん』が人気です。ずっしり大きなかにみそまんが香住ガニの甲羅の中にドンっと鎮座しており、見た目のインパクトは十分。ほんのり甘いフワフワの生地はもっちり口溶けがよく、生地を割ると、ふわっと上がる湯気とともにカニの香りが食欲を刺激します。中には香住ガニの身がぎっしり詰まっていて、カニみその風味が口いっぱいに広がります。
香住ガニそのものが美味しいので素材の味を活かし、手作りにこだわった香住オリジナルの商品は、8時間もの時間をかけて作るこだわりの逸品です。カニを湯がいて身を取り出して餡を作り、42年の歴史が誇る秘伝の中華スープとカニみそを合わせます。あったかい湯気と幸福感に包まれるかにみそまんは、食べる人が笑顔になる新しい香住の名物料理です。

・中華料理 白龍 0796-36-2967(提供期間:香住ガニのシーズン中)
https://r.goope.jp/kanimisoman/

2024/01/27  

かすみ海上 GEO TAXI【かすみかいじょうじおたくしー】

 

かすみ海上 GEO TAXI
【かすみかいじょうじおたくしー】

かすみ海上 GEO TAXI

 
●関連情報
かすみ海上 GEO TAXI
●城崎温泉の歴史をたどる7分間の空中散歩
ユネスコ世界ジオパークに認定されている「山陰海岸ジオパーク」。以前、香住では大型遊覧船が人々を楽しませていましたが、2016年を最後に廃業。海から見る香住海岸の絶景をもっと気軽に見てもらいたいと誕生したのが、「かすみ海上GEO TAXI」です。海上タクシーは小型船で海を遊覧するアクティビティ。船長を務めるのは現役漁師を中心とした海の男たちで、流暢な香住弁で乗客たちを楽しませています。名勝や奇岩が多い香住海岸の中でも、「青の広場」はおすすめの人気スポット。海底にも岩が多い難所ですが、小型漁船である海上タクシーなら、陸からでは見ることのできない絶景が楽しめます。その他にも、国指定天然記念物の「鎧の袖」やネイティブ・アメリカンに姿が似ていることからその名がついた通称「インディアン島」など、自然の神秘をさらに間近で感じることができます。

2023/01/13  

瀞川山【とろかわやま】

 

瀞川山【とろかわやま】


・香美町村岡

●関連情報
やまもり村岡
●氷ノ山後山那岐山国定公園の中心部に位置する自然度の高い高原
標高1,039m。巨牛が寝そべっている形の山で、村岡区側は比較的なだらかですが、小代(おじろ)区側の山腹は急峻でイヌワシやクマが生息しています。今から250万年ほど前に活動した火山で、林道のあちこちで溶岩や火山砕屑物(さいせつぶつ)を見ることができるのも特徴です。瀞川山の村岡区側に広がったなだらかな高原を瀞川平(とろかわだいら)といい、その一角に兎和野(うわの)高原があります。森の真ん中に2km近くも続くまっすぐな林道があり、秋にはカラマツが黄金色に染まり雄大な景観が広がります。初心者でも登りやすく四季折々、見どころの多い登山ルートはハイキングにも人気です。

2022/01/15  

なしおとめ【なしおとめ】

 

なしおとめ
【なしおとめ】
なしおとめ

なしおとめ

●県内初のオリジナル品種梨
兵庫県初となる梨のオリジナル品種「但馬1号・なしおとめ」。香美町、新温泉町、豊岡市の農家で栽培され、8月中旬から食べ頃を迎えます。

元々、但馬地域で栽培されている梨は9月頃に収穫される「二十世紀」系が8割を占めており、品種のバリエーションが少ないという課題がありました。そこで県立農林水産技術総合センター北部農業技術センターでは、夏の観光客需要への対応や収穫時期を分散して経営の安定化を図るために、平成7年より新しい早生品種の開発を進めてきました。

まずは青梨品種「吉香」に赤梨品種「幸水」を交配して、78個体の実生を得て選抜をスタート。そこから約6年後にできた大量の果実を職員が自ら食べて、堅さ・甘さ・風味・みずみずしさに加えて、収穫期や病気に強いかなど様々な条件に合った1個体を選定していきました。平成25年には一般消費者への試食アンケートを実施し、販売化を希望する声が多くありました。平成29年4月に品種登録が完了し、ようやくオリジナルの梨が誕生した品種です。

糖度は12度以上でみずみずしくてさっぱりとした甘味が特徴で、重さ約400gもある大きな果実は高級感があります。他の品種に比べて種の周囲の果芯部が小さく、食べられる部分が多いため食べ応えは十分です。

2022/01/15  

美方ルビー大納言小豆【みかたるびーだいなごんあずき】

 

美方ルビー大納言小豆
【みかたるびーだいなごんあずき】
美方ルビー大納言小豆

美方ルビー大納言小豆

●旨みと栄養を持ちあわせた畑のルビー
大きな粒で鮮やかな色合いがきれいな『美方大納言小豆』。「手まき・手摘み・手より」の手作業で、一粒一粒丁寧に作っている美方大納言小豆は、ルビー色の見た目から「畑の宝石」と言われています。兵庫県北部に位置する美方郡は、高原や棚田など自然豊かで変化に富んだ地形に恵まれており、古くから良質な小豆が栽培されてきました。アミノ酸や甘み成分のほか、老化防止にもよいとされるポリフェノールが多く含まれており、その味わいは“旨み世界一”との声もあります。また、粒が大きく煮崩れしにくいので、和菓子などに適しているのも特長といえます。

現在、但馬内の業者が美方大納言小豆を使った商品を製造しており、たい焼きやロールケーキ、さらにはミルクと小豆を合わせたジャムなど、多岐に渡った商品が生まれています。生産者を中心とした「美方大納言小豆ブランド推進協議会」では、生産拡大とブランド化を目指して、平成25年11月に「チーム美方ルビー」を発足して、年2回の商品審査会を設け、品質の安定とPR活動に取り組んでいます。

*美方ルビー認定商品は、道の駅村岡ファームガーデン(香美町)、ゆむら屋 おばぁかふぇ(新温泉町)などで購入することができます。

2022/01/15  

兎塚の由来 【うづかのゆらい】

 

兎塚の由来
【うづかのゆらい】

兎塚の由来
兎塚の由来
下中山の兎の塚
・香美町村岡区森脇
下中山(八幡神社の西)にある兎の塚(現在は入口にバリケード設置)。八井谷地区と川端(兎塚小学校近く)と合わせて3つの塚が残っています。※川端は私有地を通るため、見学の際はご注意ください。

 

 

3羽の古兎伝説

豊かな自然溢れる香美町村岡区。南端にあたる兎塚地域には地名にまつわる兎伝説が残っています。
その昔、村の大池に大きな蛇が棲んでおり、通る人を襲ったり馬や牛を飲みこんで村の人々から恐れられていました。この噂を聞いた帝(みかど)は勅命を出し、弓の名手である日下部政高に大蛇を退治するよう命じます。大蛇退治に向かったところ、3羽の古兎が現れて大蛇を退治させまいと政高の行く手を阻んできました。邪魔をする古兎たちは弓であっという間に退治され、その勢いで大蛇も退治され一件落着。
その後、殺された兎が化けて村の人々をたたり始めたので、村人たちは相談して兎の霊を鎮めるため、塚(お墓)を作ることにしました。下中山、川端、八井谷の3カ所にお墓を作り、それぞれ厚く霊を祀ったところ、たたりはなくなりました。
そこからこの地域を「兎塚」と呼ぶようになったといわれています。

 

 

2021/01/24  

日本農業遺産「兵庫美方地域の但馬牛システム」【にほんのうぎょういさん「ひょうごみかたちいきのたじまうししすてむ」】

 

日本農業遺産「兵庫美方地域の但馬牛システム」
【にほんのうぎょういさん「ひょうごみかたちいきのたじまうししすてむ」】
但馬牛システム

但馬牛の放牧

牛籍簿

●先人の熱意が育んだ「和牛生産システム」

“世界の舌を魅了する”神戸ビーフや特産松阪牛の素牛『但馬牛』。兵庫県北西部に位置する美方郡は但馬牛の原産地として知られ、全国の黒毛和牛の99.9%に血縁を持つとされる名牛「田尻号」のふるさとです。

江戸時代から但馬牛の改良に熱心だった美方地域では、同じ谷筋の牛で交配を重ね、優れた特徴を受け継ぐ「蔓牛(つるうし)」と呼ばれる家系群を形成。明治30年頃には、日本初の血統登録の基本となる「牛籍簿(牛籍台帳)」を整備し、一頭一頭を管理する持続可能なシステムを作り出して、黒毛和牛の中では全国で唯一郡内の血統にこだわった育種改良を続けてきました。

さらに、水田では、但馬牛の堆肥を利用し、稲わらを飼料として牛に与える「環境創造型農業システム」が発展したことにより、但馬牛を育てることで、地域の暮らしや農村環境、イヌワシに代表される希少で多種多様な生物資源も守られています。

そうした「環境創造型農業システム」が評価され、平成31年2月に兵庫県で初、畜産部門においては日本で初めて日本農業遺産に認定されました。

今日、私たちがおいしい和牛肉を味わうことができるのは、但馬牛によって育まれた里山の暮らし、生物、伝統、文化、そして先人たちによって脈々と受け継がれてきた育種改良の歴史があるからこそと言えます。昔から家族同様に愛情を注いで育てられ、美方郡の風土が育んできた“農宝”は、次なる未来に向けて継承されています。