2015/01/31  

男坂神社のシラカシ林【おさかじんじゃのしらかしりん】

 

男坂神社のシラカシ林【おさかじんじゃのしらかしりん】
男坂神社のシラカシ林

・県指定天然記念物

・養父市大屋町宮垣

●急な石段の先に広がるシラカシ林
養父市大屋町宮垣の大屋川左岸、小高い天満山という丘陵に男坂神社が祀られています。男坂神社の歴史は古く、社伝によれば、北側の琴引山の緑によって少彦名命の神霊を留めて社頭を創立したといわれています。
神社を取り囲むようにして天満山全体を被う、シラカシを中心とした林が県指定の天然記念物。神社の長い参道を通って、100段以上の石段を登ると、緑豊かな社叢が広がります。
神社入り口の竹林を除くと、全山ブナ科コナラ属のシラカシの林といってもよく、ほとんど人の手が加えられていないので、自然性が高いのが特徴。

また、ここは蛇紋岩を基盤とする場所にあり、植生を代表する自然林としても非常に価値が高いものとされています。村の人々からは鎮守の森として親しまれ、静かなたたずまいが心地よい癒しの森です。

2013/05/28  

玉水神社のムクノキ林【たまみじんじゃのむくのきりん】

 

玉水神社のムクノキ林【たまみじんじゃのむくのきりん】

・県指定天然記念物
・養父市玉見

●巨木が生い茂る社そう林
菅原道真を祀る玉水神社は、かつて洪水により流された時、同地であ最も樹木の茂った現在地を選び、移築されたと伝わります。樹齢300年以上のムクノキ、イチョウ、ケヤキなどの社そう林が県の天然記念物に指定されています。
樹高30メートルを超える巨木が並び立ち、荘厳な印象を与えています。特に樹高約40メートル、幹周り約5.5メートルのムクノキは、但馬地域で稀にみる巨木です。

2011/11/21  

イヌワシ

 

イヌワシ

イヌワシ・国指定天然記念物
(場所は不特定)

大空を飛翔する姿はまさに風の王者
 

●関連情報
日本イヌワシ研究会

●風にのり、大空を悠々と飛翔する風の王者
両翼を広げると、畳よりひとまわりも大きいイヌワシは、山岳地帯の険しい断崖や高木の上に小枝を積んで、大きな巣をつくります。
スズメやトビのように里で見かける鳥ではなく、但馬では、氷ノ山山系に棲んでいます。主食はノウサギ、ヤマドリなど。空高く飛び、獲物を見つけると翼をすぼめて猛烈な勢いで下降し、すばやく捕らえます。
風格のあるその姿と大きさ、鳥の中でも最強の部類に属し、食物連鎖の頂点に位置しており、豊かな自然条件のもとでしか生きていけません。●絶滅の危機にひんする孤独な王者
イヌワシは、但馬以外にも全国に生息していますが、絶滅の危機にひんしています。兵庫県下のイヌワシも例外ではなく、スギ、ヒノキなど針葉樹の拡大で、主食のノウサギなどが減り、慢性的なエサ不足で体力が弱ったせいか、毎年連続でヒナを育てることができなくなってしまいました。
また、イヌワシは決まった狩り場をもっていますが、人間や車を極端に嫌います。最近、林道が増えて、そこに人間や車が入ってきて、エサの捕獲に影響が生じています。第二のコウノトリにしないためにも、保護活動や環境の保全に地道に取り組み続け、大空に悠々とイヌワシが舞う但馬を誇りにしたいと思います。

2011/06/28  

コウノトリ

 

コウノトリ
ダウンロードして動画をお楽しみください。

 

高速回線用 低速回線用
13.2MB 8.1MB
PLAY TIME:3分
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2011/06/22  

別宮のオキナグサ自生地【べっくのおきなぐさじせいち】

 

別宮のオキナグサ自生地【べっくのおきなぐさじせいち】
オキナグサ
オキナグサ自生地
・天然記念物
・養父市別宮
●兵庫県下でも珍しいオキナグサの群生
オキナグサは、春、日当たりのよい草原に生えるキンポウゲ科の多年草で、根生葉には長い柄があります。長さ20cmほどの茎につく葉には柄がありません。4月から5月頃、花柄の先に、つりがね形の長さ3cmほどの花を咲かせます。花びらの外側は白毛で覆われ、内側は暗赤紫色をしています。花が終わると、果実に細い綿毛が伸びて、翁の白髪にのように見えることから、和名を翁草(オキナグサ)といいます。養父市別宮(旧関宮町)の鉢伏山の山麓には、オキナグサの自生地があります。環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧種、兵庫県版のレッドデータブックでもAランクに位置づけられる希少種ですが、標高930m付近の東鉢スキー場の中のなだらかな斜面には、ヤマヤナギ・ススキ・イタドリ・アカツメグサなどと共にオキナグサが密集して生育しています。

2011/06/22  

ホードー杉【ほーどーすぎ】

 

ホードー杉【ほーどーすぎ】

ホードー杉
・県指定天然記念物
・幹まわり 12.6m
・樹高 22m
・樹齢 1000年以上
(不明)
・養父市大久保ムネ畑
●とてつもなく大きな杉、ホードー杉
養父市大久保ムネ畑にある「ホードー杉」は、県下第3位の巨木です。大平頭(おおなるがしら)の南東斜面、標高1,150mという高地に、こんなに大きな杉があるのはとても珍しいことです。幹元から数本の主幹に枝分かれて広がり立ち上がる姿は、どっしりと風格に満ちており、樹齢は不明ですが1000年は下らないだろうといわれています。名前の由来もよくわかりませんが、おそらく「とてつもなく」大きな杉という意味ではないかといわれています。

幹元にある空洞に焼けこげた跡が見られるのは、悪天候に悩まされた人がこの空洞に避難して、暖をとるために火を燃やしたからだろうということですが、こんなりっぱな木のためにも、防火の面からもつつしまなければいけません。
以前には、但馬で国指定の天然記念物第1号となった「妙見の大杉(夫婦杉)」という巨木があり、長い間但馬の誇りとして親しまれてきましたが、1990年の台風で惜しくも折れてしまいました。

2011/06/22  

ミツガシワ

 

ミツガシワ

ミツガシワ
・県指定天然記念物
・養父市鉢伏高原
●澄んだ水があふれる湿地に群れ咲く白い花
カシワの葉に似た3個の小さな葉がミツバのようについているところから、「ミツガシワ」の名がついたといわれ、水の中から20~50cmの茎をすっくと伸ばして、先端に小さな白い花をたくさんつけます。白く小さな花びらの内側には、白い毛がたくさん生えている不思議な花です。池や沼の岸辺の湿地に群生する、多年生の抽水植物(浅い水に生活し、根は水底にあって、茎・葉を高く水の上に伸ばす植物)で、清らかな水にしか育ちません。花が咲くのは5~7月、地下茎は1cm近くもの太さがあり、縦横無尽に走っています。中国では葉を乾燥したものを睡菜、または瞑菜といって、睡眠薬としました。苦味配糖体メリアチンを含み、古来から健胃・解熱・駆虫などの薬に用いられてきました。

●氷河時代から生き残った貴重な植物
ミツガシワは、北半球の寒い地域に広く分布し、日本でも東北地方から北海道にかけては普通に見られますが、近畿地方以西ではごく少なく、点々と分布しています。はるか昔に、氷河とともに南下してきた植物の子孫が生き残ったもので、氷河時代の遺物として貴重な植物です。
但馬では、養父市鉢伏高原の北東部に通じる広域基幹林道にかかる道の脇、数軒のロッジが並んでいる近くの湿地に生息しています。2カ所の自生地があり、1カ所は個人所有地、もう1カ所は集落所有地で、1982年に県の天然記念物に指定されました。県内ではここにしか自生していません。しかし、周辺が開発されるに従って、ミツガシワの群落の面積は縮小してきています。猛暑で湿地が乾燥することもダメージを与えます。危機的な状況にあるミツガシワを守るには、絶えることなくきれいな水を与えることが大切です。

2011/06/22  

ヤマドリゼンマイ

 

ヤマドリゼンマイ

ヤマドリゼンマイ
・県指定天然記念物
・養父市鉢伏高原
●鉢伏高原のような群落は珍しいヤマドリゼンマイ
ヤマドリゼンマイは、やや高い山地の湿地に生える夏緑色のシダで、山地湿地の指標植物ともいえるもので、日本では中部地方の湿原に多く分布しています。兵庫県の各地にも生えていますが、鉢伏高原のような群落は西日本では珍しく、1965年、県の天然記念物に指定されています。
株は群生することが多く、根茎から葉がかたまって出るので束のように生えます。新芽が出るときは赤褐色の綿毛をかぶっていますが夏までに徐々になくなります。葉は栄養葉と胞子葉に分かれており、栄養葉は長さ30~80cm、幅15~25cmくらいで直立して生えます。

2011/06/22  

別宮の大カツラ【べっくうのおおかつら】

 

別宮の大カツラ【べっくうのおおかつら】

別宮の大カツラ
・県指定天然記念物
・養父市別宮
●神木として崇拝される、左巻きの老カツラ
養父市別宮(べっくう)にある大カツラは、樹高27.3m、幹まわり14.5m、枝張りは東西に約24m、南北に約26mもある老巨木です。1965年に県の天然記念物に指定されました。主幹は朽ちていますが、1本の株から大小100本近くの幹が群れて立ち上がり、支幹はゆるく左巻きにねじれています。カツラは水を好むといわれるように、根元からは通称「カツラの水」と呼ばれる多量の清水が常に湧きだしており、南に広がる広大な水田をうるおしています。

この木には伝承が多く、なかに、平安時代の僧・空海が諸国巡歴の途中にこの地に立ち寄り、教海寺を開いて別宮を発足させ、このカツラを水の神木であると告げたという伝承があり、そうならば平安初期にはすでに、このカツラの主幹があったと考えられます。また、400年ほど前に街道の休み場所として植えられたという言い伝えもあります。カツラは雌雄異株の木であり、この木は雌木で結実するため、付近には実生苗がたくさんあります。支幹が左巻きになっていることから「捻幹カツラ」とも呼ばれています。

2011/06/22  

建屋のヒダリマキガヤ【たきのやのひだりまきがや】

 

建屋のヒダリマキガヤ【たきのやのひだりまきがや】

建屋のヒダリマキガヤ
・国指定天然記念物
・養父市建屋
●関連情報
養父市役所
●実の表面に左巻きの波紋があることからこの名が付いた
養父市建屋能座地区、琵琶湖疎水の生みの親として知られる故北垣国道・元京都府知事の旧邸内にあるカヤは、県下一位を誇り、1951年、国の天然記念物に指定されています。

樹齢700年、根まわり15m、幹まわり7.4m、樹高35m。東西24m、南北29mに広がる傘状の枝張りが実にみごとな名木です。

樹勢も旺盛で、その立派な姿のとおり、毎年たくさんの実をつけますが、この実の表面に左巻きの波紋があるところから「ヒダリマキガヤ」の名前がつきました。カヤの種子は楕円形で、外側に直線のすじがあるあるのが普通なのです。
周辺に大きな木がなく、平地に生えているため、周辺のどこからでもその姿を見つけることができ、能座地区だけでなく、養父町のシンボルとして親しまれています。

カヤは、常緑高木で、本州以南の山野に自生しますが、庭木としても植えられます。雌雄異株で、雌木は実をつけます。4月頃に開花し、種子は上質の天ぷら油として利用されたり、幹は碁盤や将棋盤、将棋駒を作るのに適しています。