2011/11/21  

夢千代館【ゆめちよかん】

 

夢千代館【ゆめちよかん】

昭和をイメージしたテレビセット
平和維持の活動パネル


外観

●関連情報
温泉町夢公社

●テレビドラマ「夢千代日記」の展示館
 NHKテレビドラマ「夢千代日記」の舞台となったことから、以来「夢千代の里」として広く観光客に親しまれてきた湯村温泉。その湯村の新しい観光名所として、平成16年11月に湯村温泉博覧館・夢千代館がオープンしました。
元々銀行だった建物を再利用した館内1階には、NHKのテレビドラマ「夢千代日記」と、ドラマの中で描かれる昭和20~30年代の懐かしい風景を再現したテレビセットが組まれています。中央にあるテレビモニタには、ドラマのワンシーンも常時放映されており、まるで自分が夢千代日記の世界にいるかのように演出されています。
また、女優・吉永小百合さんゆかりの品々をはじめ、夢千代日記を通じた広島市との友好関係や、吉永小百合さんが取り組まれている平和維持の活動も紹介されています。

湯村温泉博覧館・夢千代館
・0796-99-2300
・兵庫県美方郡新温泉町湯80
・午前9時~午後6時
7月21日~8月31日は午前9時~午後6時30分
・通年営業(ただし、臨時休館日あり))
・大人 300円 小・中学生 150円

2011/11/21  

杜氏館【とうじかん】

 

杜氏館【とうじかん】

杜氏館

●関連情報
新温泉町役場

●但馬杜氏の伝統の技を知る!
新温泉町(旧温泉町)の湯村温泉中心部にある、酒造りの歴史がひと目でわかる「杜氏館」。同町には60人以上の杜氏がおり、「杜氏の里・新温泉町」を町内外にアピールしようと、酒造りで使われていた道具や資料などを紹介しています。
杜氏館は2階建て延べ84平方メートル。展示されているのは、酒絞りに使った布製酒袋や、こうじをかき交ぜる時に使用するワラの深靴、米を蒸すために使う「こしき」のほか、釜、酒造り唄(うた)の原稿、手押しポンプなど。ほとんどが昭和初期から近年まで使われていた昔ながらの珍しい道具で約100点。酒づくりに携わっていた元杜氏など経験者が分かりやすく、案内してくれます。
また、併設されている商店案内所には、温泉町観光協会・温泉研究所が移転し、商店案内だけでなく観光案内なども行っており、湯村温泉の情報を得ることができます。

杜氏館・観光案内所
・0796-92-2000・99-2770
・兵庫県美方郡新温泉町湯98-3
・午前9時~午後6時

2011/11/21  

おもしろ昆虫化石館【おもしろこんちゅうかせきかん】

 

おもしろ昆虫化石館【おもしろこんちゅうかせきかん】

おもしろ昆虫化石館

●関連情報
新温泉町役場

●湯村は化石の宝庫。日本初の昆虫化石博物館
国内有数の化石産出地・新温泉町(旧温泉町)に、日本初の昆虫化石博物館ができました。自分自身で化石を見つけることもできる体験型の学習・見学施設です。主に旧温泉町内(特に海上地区)の昆虫の化石を中心に展示しています。化石解説パネル、化石地層レプリカ、ファンタビュー(立体映像)、採集の仕方パネル、採集道具展示、実物展示、化石ものしりQ&A、化石ヒストリーなどのコーナーがあり、わかりやすく紹介されています。

おもしろ昆虫化石館
・0796-93-0888
・兵庫県美方郡新温泉町千谷
・午前9時~午後5時(入館は16時30分)
・月曜日休館(臨時休館日を設けることもあります)
・大人100円 小人50円

2011/11/21  

県立但馬牧場公園/但馬牛博物館【けんりつたじまぼくじょうこうえん/たじまうしはくぶつかん】

 

県立但馬牧場公園/但馬牛博物館
【けんりつたじまぼくじょうこうえん/たじまうしはくぶつかん】


県立但馬牧場公園

但馬牛博物館
●関連情報
但馬牧場公園
●但馬牛と動物、自然とふれあう爽快フィールド
自然をまるごと公園に。但馬牛のPRと生産振興の拠点、動物や自然とのふれあいを通じて、安らぎと憩いの場を提供しています。大動物舎には但馬牛が飼育され、広い緑の放牧地をのんびりと草を噛んでいる姿が見られます。小動物舎や動物ふれあい広場には、ダチョウやワラビー、ヒツジやヤギ、ウサギなどかわいい動物たちがいっぱい。小動物には直接ふれることもできます。
また、本場の但馬ビーフが味わえるレストラン、バーベキューハウス、宿泊施設も完備。 但馬牛博物館もあり、但馬牛のルーツや改良の歴史、人と但馬牛の関わり、現状と将来展望などについて、実物やジオラマ、パネル、映像などでわかりやすく紹介しています。
さらに、愛宕山山腹は、夏はターフスキーやそり遊び、冬はゲレンデとして本格的なスキーが楽しめます。山頂は良いお天気の日には、遠くに日本海が望めるという絶景、初夏にはラベンダーなどの美しい花園で彩られます。
シーズンには、羊の毛刈りやラベンダーの収穫、冬は雪上運動会など、さまざまなイベントや体験教室を開催しています。

●平成30年4月リニューアル「但馬牛博物館」
平成6年のオープン以来、但馬牛のPRを行ってきた「但馬牛博物館」が、平成30年にリニューアル!子どもたちや海外の観光客により分かりやすく但馬牛を知ってもらうため、体験型のミュージアムとして生まれ変わりました。
施設内の中央には迫力ある和牛の原点とされる名牛「田尻号」の巨大造形物が置かれ、但馬牛の歴史や特徴を、ユニークな展示やアニメーション映像などでより親しみやすく伝えています。
また、世界に誇るブランド「神戸ビーフ」の美味しさの秘密に迫る体験型展示も設置。但馬牛のすごさや素晴らしさを、親子で楽しく学ぶことができます。

県立但馬牧場公園
・0796-92-2641
・兵庫県美方郡新温泉町丹土1033
・午前9時~午後5時
・木曜日定休(祝日の場合は翌日)
・無料(施設使用およびレンタル用品は有料)

2011/11/21  

但馬牛【たじまうし】

 

但馬牛【たじまうし】
放牧
庭先

但馬牛を飼う但馬の人々は、牛を家族の一員として一つ屋根の下で共に寝起きして、雪深いきびしい風土に生き、温和で姿美しい但馬牛を大切に育ててきました。

■但馬牛博物館
・新温泉町丹土1033
・TEL.0796-92-1005
・午前9時~午後5時
・木曜定休
(休日と重なった
場合は次の平日)
・入館料/無料

●関連情報
新温泉町役場
但馬牛博物館

●但馬牛とは
農耕用の機械が導入されるまで、農家は農業の働き手のひとつとして、各家庭に1頭は牛を飼育していました。家族の住む母家に同居させ、我が子同様に愛情を注ぎ、大事に育てたと言います。起伏に富んだガタガタ道は、牛の足腰を丈夫にし、但馬特有の夏の湿気と冬の寒気がよい毛並みをつくりました。子牛は競り市で売られ、農家の大事な収入源でした。優良牛の育成を目指して、よい特性を備えている牛を選び、何世代もの近親繁殖を繰り返す間に、その優れた特質が固定され、血統(蔓牛)をつくってきました。現在も兵庫県外の優良牛との繁殖はせず、純血を守っています。

●但馬牛を創った男「前田周助」
現在の但馬牛の歴史を語る上で、なくてはならない人がいます。香美町小代区に生まれた前田周助(1797~1872)です。牛の取引と小代牛の宣伝のために、わざわざ大阪の市場まで牛を連れて出かけたという逸話が残る人物。彼の人生はまさに但馬牛とともに生きたと言えます。周助は「蔓(つる)牛」の開発に一生をかけました。「蔓」とは、他地域との交流を避けた「閉鎖育種」の方法で生み出された、発育・資質・繁殖性の優秀な牛の血統のことを言い、その系統牛を「蔓牛」と呼びます。但馬牛の優れた特質は、長年に渡り、他との交配をさけ、改良に改良を重ねて受け継がれた優良な血統から生み出されました。

「蔓牛」を創り出すことで、安定的に優秀な子牛が生産することができます。周助は系統牛になりそうな牛がいると聞けば、東へ西へと駆け回りました。そのためには私財を投げ打って、牛を買い求める毎日。そしてついに100年に一度の雌牛を手に入れました。飼料の選定から一切の手入れ、特に繁殖には多年の研究と経験の全てを注ぎました。こうして周助の生み出した牛は「周助蔓」と言われ、現在の但馬牛の代表的な蔓のひとつ「あつた蔓」の素となりました。

●伝説の但馬牛「田尻号」
昭和14年に香美町小代区に生まれた伝説の雄牛「田尻号」。全国和牛登録協会の資料によると、全国の黒毛和種繁殖雌牛の99.9%が、「田尻号」の血統に繋がることが分かりました。名だたる高級黒毛和牛の母牛の大部分が、この「田尻号」をルーツに持っています。明治に入り西洋文化の影響で肉食が盛んになると、日本の小型の牛を改良するため、体格のよい外国の牛と交配させることが進められました。但馬でも例外ではなく、外国牛との交配が行われましたが、肉質の低下を招き、優良な血統牛を失いかねない危機におちいります。

第二次世界大戦後、但馬牛の純牛種を守ろうと、新しい血統作りが始まりました。ここで注目されたのが「周助蔓」。険しい山々と深い谷あいにあり、隣村との行き来が困難な小代には、外国牛との交配を免れた但馬牛が奇跡的に生き残っていました。中でも田尻松蔵が丹精込めて育て上げた「田尻号」は、生まれて半年で美方郡の種オス牛候補として認められた名牛。特に遺伝力の強さは他の雄牛の中でも群を抜いていたと言います。

但馬の山間部では家の玄関の横に牛小屋があり、昔から家族同様に牛が育てられてきました。松蔵も「田尻号」を我が子のように可愛がり、毎日運動と手入れを欠かさなかったそうです。そのおかげでほとんど病気をすることもなく、昭和29年まで種牛として活躍しました。昭和30年には長年の功績を讃えられ、黄綬褒賞を受賞しています。


●但馬牛の特徴

1.資質が抜群によい
毛味、色味、骨味が良く皮は薄く、弾力ゆとりがあり、
品位に富み体のしまりが良い。
2.遺伝力が強い
全国の和牛改良に広く活用されている。
3.肉質、肉の歩留りがよい
肉の味がよく、骨が細く皮下脂肪が少ない。
4.長命連産で粗飼料の利用性が良い
長命連産。山野草を好み、古来より
「但馬牛は、山でつくり、草で飼う」といわれています。

2011/11/21  

イヌワシ

 

イヌワシ

イヌワシ・国指定天然記念物
(場所は不特定)

大空を飛翔する姿はまさに風の王者
 

●関連情報
日本イヌワシ研究会

●風にのり、大空を悠々と飛翔する風の王者
両翼を広げると、畳よりひとまわりも大きいイヌワシは、山岳地帯の険しい断崖や高木の上に小枝を積んで、大きな巣をつくります。
スズメやトビのように里で見かける鳥ではなく、但馬では、氷ノ山山系に棲んでいます。主食はノウサギ、ヤマドリなど。空高く飛び、獲物を見つけると翼をすぼめて猛烈な勢いで下降し、すばやく捕らえます。
風格のあるその姿と大きさ、鳥の中でも最強の部類に属し、食物連鎖の頂点に位置しており、豊かな自然条件のもとでしか生きていけません。●絶滅の危機にひんする孤独な王者
イヌワシは、但馬以外にも全国に生息していますが、絶滅の危機にひんしています。兵庫県下のイヌワシも例外ではなく、スギ、ヒノキなど針葉樹の拡大で、主食のノウサギなどが減り、慢性的なエサ不足で体力が弱ったせいか、毎年連続でヒナを育てることができなくなってしまいました。
また、イヌワシは決まった狩り場をもっていますが、人間や車を極端に嫌います。最近、林道が増えて、そこに人間や車が入ってきて、エサの捕獲に影響が生じています。第二のコウノトリにしないためにも、保護活動や環境の保全に地道に取り組み続け、大空に悠々とイヌワシが舞う但馬を誇りにしたいと思います。

但馬の海岸 名勝・奇勝 【たじまのかいがん めいしょう・きしょう】

 

但馬の海岸 名勝・奇勝
【たじまのかいがん めいしょう・きしょう】

鎧の袖(香住海岸)
・県指定天然記念物

釣り鐘洞門(香住海岸)
・県指定天然記念物
●関連情報
山陰海岸ジオパーク
但馬海岸は、火山活動や地殻変動によってできた岩石海岸で、但馬山地の山麓部が直接日本海に接しています。そのため、平野は少なく、山すそが日本海の荒波に削られて、いたるところに険しい断崖絶壁や洞門などをつくり出しています。岩には多くの断層や節理による岩石の割れ目ができ、それに沿って浸食された、出入りの激しいリアス式海岸です。
丹後半島の網野海岸から但馬海岸全域、そして、鳥取砂丘までの延長約75kmにおよぶ海岸線は、山陰海岸国立公園に指定されています。
複雑な海岸線に連なるこれらの奇観は、自然のつくりあげた芸術として見ごたえがあり、新温泉町(旧浜坂町)・岸田川河口から香美町香住区・井笹崎までの海岸一帯は、国の名勝天然記念物「但馬御火浦」(たじまみほのうら)に指定されています。

■海食崖
香住海岸の「鎧の袖」は、幅200m、高さ65m、角度70度でそそり立つ断崖。粗面岩質流紋岩の溶岩の割れ目の模様が、武者の鎧の袖に似ているところからこの名がつきました。美しく迫力ある大海食崖で、天然記念物に指定され、日本百景にも選ばれています。ほかに、「但馬赤壁」や松ヶ鼻の「百層崖」など、さまざまな海食崖が見られます。
■洞門
また、洞門も非常に多く、天然記念物に指定されている「釣り鐘洞門」(香美町香住区)は、洞内の中心部の高さ32m、直径30m、広さ約190畳、水深10mで、昼なお暗く、イワツバメやコウモリが生息しています。遊覧船で中まで入れる数少ない洞門のひとつで、文字どおり釣り鐘をふせたような形をしており、地底に入るようなスリル感が観光客に喜ばれています。
■岩棚
香美町香住区今子浦の「千畳敷」や、豊岡市竹野町猫崎半島には、波食棚といわれる、広い岩棚があります。
■甌穴(おうけつ)
新温泉町(旧浜坂町)釜屋の池ノ島には、ポットホールといわれる円形の甌穴が3カ所できており、最大のものは直径5m、深さ5mもあります。数千年の歳月をかけて、波が岩棚の石を回転させて掘り下げていったものです。
■砂浜
砂浜の海岸は円山川、竹野川、矢田川、岸田川の河口部にわずかに広がり、夏は近畿圏の海水浴場としてにぎわっています。
■漁港
東から、津居山港(豊岡市)、竹野港(豊岡市竹野町)、柴山港(香美町香住区)、香住港(香美町香住区)、浜坂港(新温泉町・旧浜坂町)の、5つの良港をかかえています。

2011/11/21  

西光寺【さいこうじ】

 

西光寺【さいこうじ】
西光寺

西光寺

・新温泉町浜坂
・兵庫県景観条例
景観形成重要建造物等

石灯籠
石灯籠

西光寺のレンガ塀
西光寺のレンガ塀

●寛政年間に寄進された石灯籠

西光寺は、浄土真宗に属する寺院で、本尊に阿弥陀如来像が安置されています。創立時期は不明ですが、近江国犬上郡夏河の里出身の小林和泉守親正が、天正年間に芦屋城にきて、その後落城により浜坂に住んだといわれています。
初代仁右衛門正氏は「和泉屋」を名乗り、熱心な本願寺門徒で、道場「寿徳庵」を建立しました。その後、1656年(明暦2)、本願寺から寺号を受領し、寺号を「西光寺」と改めました。
西光寺参道には、1789年(寛政元)~1801年(寛政13)頃に和泉屋小林助右衛門(親正の子孫)によって建てられた一対の石燈籠があり、町指定建造物に指定されています。
西光寺のレンガ塀は、1911年(明治44)に完成した山陰線桃観トンネルの朝鮮人労働者や関係者から贈られたものです。当時、西光寺では桃観トンネル完成後、工事で犠牲になった人のために追弔会をし、民族の区別なく、亡くなった人の弔いをしたそうです。

2011/11/21  

但馬牛【たじまうし】

 

但馬牛【たじまうし】
放牧
庭先

但馬牛を飼う但馬の人々は、牛を家族の一員として一つ屋根の下で共に寝起きして、雪深いきびしい風土に生き、温和で姿美しい但馬牛を大切に育ててきました。

■但馬牛博物館
・新温泉町丹土1033

・TEL.0796-92-1005

・午前9時~午後5時
・木曜定休
(休日と重なった

場合は次の平日)

・入館料/無料

●関連情報
新温泉町役場
但馬牛博物館

●但馬牛とは
農耕用の機械が導入されるまで、農家は農業の働き手のひとつとして、各家庭に1頭は牛を飼育していました。家族の住む母家に同居させ、我が子同様に愛情を注ぎ、大事に育てたと言います。起伏に富んだガタガタ道は、牛の足腰を丈夫にし、但馬特有の夏の湿気と冬の寒気がよい毛並みをつくりました。子牛は競り市で売られ、農家の大事な収入源でした。優良牛の育成を目指して、よい特性を備えている牛を選び、何世代もの近親繁殖を繰り返す間に、その優れた特質が固定され、血統(蔓牛)をつくってきました。現在も兵庫県外の優良牛との繁殖はせず、純血を守っています。

●但馬牛を創った男「前田周助」
現在の但馬牛の歴史を語る上で、なくてはならない人がいます。香美町小代区に生まれた前田周助(1797~1872)です。牛の取引と小代牛の宣伝のために、わざわざ大阪の市場まで牛を連れて出かけたという逸話が残る人物。彼の人生はまさに但馬牛とともに生きたと言えます。周助は「蔓(つる)牛」の開発に一生をかけました。「蔓」とは、他地域との交流を避けた「閉鎖育種」の方法で生み出された、発育・資質・繁殖性の優秀な牛の血統のことを言い、その系統牛を「蔓牛」と呼びます。但馬牛の優れた特質は、長年に渡り、他との交配をさけ、改良に改良を重ねて受け継がれた優良な血統から生み出されました。

「蔓牛」を創り出すことで、安定的に優秀な子牛が生産することができます。周助は系統牛になりそうな牛がいると聞けば、東へ西へと駆け回りました。そのためには私財を投げ打って、牛を買い求める毎日。そしてついに100年に一度の雌牛を手に入れました。飼料の選定から一切の手入れ、特に繁殖には多年の研究と経験の全てを注ぎました。こうして周助の生み出した牛は「周助蔓」と言われ、現在の但馬牛の代表的な蔓のひとつ「あつた蔓」の素となりました。

●伝説の但馬牛「田尻号」
昭和14年に香美町小代区に生まれた伝説の雄牛「田尻号」。全国和牛登録協会の資料によると、全国の黒毛和種繁殖雌牛の99.9%が、「田尻号」の血統に繋がることが分かりました。名だたる高級黒毛和牛の母牛の大部分が、この「田尻号」をルーツに持っています。明治に入り西洋文化の影響で肉食が盛んになると、日本の小型の牛を改良するため、体格のよい外国の牛と交配させることが進められました。但馬でも例外ではなく、外国牛との交配が行われましたが、肉質の低下を招き、優良な血統牛を失いかねない危機におちいります。

第二次世界大戦後、但馬牛の純牛種を守ろうと、新しい血統作りが始まりました。ここで注目されたのが「周助蔓」。険しい山々と深い谷あいにあり、隣村との行き来が困難な小代には、外国牛との交配を免れた但馬牛が奇跡的に生き残っていました。中でも田尻松蔵が丹精込めて育て上げた「田尻号」は、生まれて半年で美方郡の種オス牛候補として認められた名牛。特に遺伝力の強さは他の雄牛の中でも群を抜いていたと言います。

但馬の山間部では家の玄関の横に牛小屋があり、昔から家族同様に牛が育てられてきました。松蔵も「田尻号」を我が子のように可愛がり、毎日運動と手入れを欠かさなかったそうです。そのおかげでほとんど病気をすることもなく、昭和29年まで種牛として活躍しました。昭和30年には長年の功績を讃えられ、黄綬褒賞を受賞しています。


●但馬牛の特徴

1.資質が抜群によい
毛味、色味、骨味が良く皮は薄く、弾力ゆとりがあり、
品位に富み体のしまりが良い。
2.遺伝力が強い
全国の和牛改良に広く活用されている。
3.肉質、肉の歩留りがよい
肉の味がよく、骨が細く皮下脂肪が少ない。
4.長命連産で粗飼料の利用性が良い
長命連産。山野草を好み、古来より
「但馬牛は、山でつくり、草で飼う」といわれています。

山陰海岸ジオパーク

 

山陰海岸ジオパーク
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高速回線用 低速回線用
13.1MB 8.3MB
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