2011/11/25  

帯雲寺【たいうんじ】

 

帯雲寺【たいうんじ】

帯雲寺
・豊岡市野上

・木造十一面観音像
(彫刻)
県指定文化財

●桧を材とした一木造の十一面観音像
帯雲寺の前身は、天台宗神通寺とされており、この地に移った際に名を帯雲寺と改名し、曹洞宗に改宗しました。本尊は本堂中央に祀られた地蔵菩薩。元禄年間の建立と伝えられる山門は室町時代の作といわれています。本堂は、元禄5年(1692)建立後、文政年間に新築されたものです。
県の文化財に指定されている「木造十一面観音像」は平安時代初期の作。桧を材とした一木造で像高は222センチあります。
また、山門の2階に安置されていた2体の毘沙門天像も同じく平安時代の作で、桧材の一木造りです。

2011/11/21  

西光寺【さいこうじ】

 

西光寺【さいこうじ】
西光寺

西光寺

・新温泉町浜坂
・兵庫県景観条例
景観形成重要建造物等

石灯籠
石灯籠

西光寺のレンガ塀
西光寺のレンガ塀

●寛政年間に寄進された石灯籠

西光寺は、浄土真宗に属する寺院で、本尊に阿弥陀如来像が安置されています。創立時期は不明ですが、近江国犬上郡夏河の里出身の小林和泉守親正が、天正年間に芦屋城にきて、その後落城により浜坂に住んだといわれています。
初代仁右衛門正氏は「和泉屋」を名乗り、熱心な本願寺門徒で、道場「寿徳庵」を建立しました。その後、1656年(明暦2)、本願寺から寺号を受領し、寺号を「西光寺」と改めました。
西光寺参道には、1789年(寛政元)~1801年(寛政13)頃に和泉屋小林助右衛門(親正の子孫)によって建てられた一対の石燈籠があり、町指定建造物に指定されています。
西光寺のレンガ塀は、1911年(明治44)に完成した山陰線桃観トンネルの朝鮮人労働者や関係者から贈られたものです。当時、西光寺では桃観トンネル完成後、工事で犠牲になった人のために追弔会をし、民族の区別なく、亡くなった人の弔いをしたそうです。

2011/11/21  

大乗寺【だいじょうじ】

 

大乗寺【だいじょうじ】


大乗寺
・香美町香住区森

・十一面観世音菩薩
・障壁画165面
以上国指定彫刻・絵画
・大乗寺客殿など2棟
県指定重要文化財
・午前9時~午後4時

・拝観料大人800円
・TEL0796-36-0602

●関連情報
大乗寺

●別名応挙寺、165の障壁画が立体曼陀羅をつくりだす

高野山真言宗 亀居山 大乗寺は聖武天皇の御代天平17年(745)、行基菩薩自ら聖観音菩薩立像を彫刻し祀ったのが始まりとされています。一時衰退しましたが、安永年間、密蔵法印が伽藍の再建につくし、弟子の密英上人が後を継ぎ伽藍を完成させました。
その際、客殿に円山応挙とその一門の手による障壁画が描かれ、そのため別名応挙寺とも呼ばれ、多くの人々が訪れています。
円山応挙(1733~1795)は、はじめ狩野派の石田幽汀に学び、その後、自然の写生に専念したり、西欧の遠近法などの手法を学び、彼独特の新しい画風としての写生画を完成しました。その写生画はあらゆる階層の人々に支持され、画壇の第一人者となり、円山派の祖として仰がれた人物です。
その昔、円山応挙は生活が苦しく絵を売りながら、何とか暮らしを支え、絵を学んでいたころ、大乗寺の住職・密蔵上人と出会いました。上人はまだ無名であった応挙の画才を見抜き、即座に学費を援助しました。応挙にとって大乗寺の密蔵・密英住職は、忘れることのできない恩人だったのです。
天明7年、当時55才になっていた応挙は、古くなって改築の時期がきていた大乗寺伽藍の話を聞きつけました。以来8年間、5回に渡って大乗寺を訪れ、子や弟子の呉春・長沢芦雪らとともにご恩返しとして、多数のふすま絵や軸物を描いたと伝えられています。
大乗寺の中心に位置する仏間の十一面観世音菩薩(国重文)を守る立体曼陀羅が、客殿13室(県指定文化財)に障壁画として165面も描かれ、すべて国の重要文化財に指定されています。
※作品の一部はデジタル再製画を展示

2011/11/20  

山路寺【さんろじ】

 

山路寺【さんろじ】

山路寺
・養父市大屋町山路

・障壁画(絵画)

県指定文化財

●片山楊谷の唯一の大作として知られる「障壁画」
山路寺「障壁画」の作者、片山楊谷は円山応挙にも師事した鳥取藩のお抱え絵師で、人物、花鳥、走獣の描画に卓越した作品を残しています。享和元年(1801)に世を去った楊谷が、その1年前に描いたとされる山路寺の障壁画は、現在知られる唯一の大作として県の文化財に指定されています。
「老松図」「猛虎図」「牡丹孔雀図」など、力強く緻密な描写から、但馬を代表する障壁画といえます。
山路寺は、永承2年(1047)に開創された寺院で、本尊は十一面観世音菩薩を祀っています。寛延3年(1750)の火災により、宝暦3年(1753)に現在の場所に再建されました。かつて9ヶ寺を末寺としていましたが、現在はそのほとんどが廃寺となっています。

2011/11/20  

日輪寺【にちりんじ】

 

日輪寺【にちりんじ】

日輪寺
・朝来市桑市

・鰐口(工芸品)

県指定文化財

●応永年間に作られた貴重な文化財「鰐口」
天平年間(729~749年)、奈良時代の四聖の一人とされている「行基」により創建されたと伝わっています。本尊は如意輪観音。行基の作といわれる像高80cmの立像は、秘仏となっています。
堂前にある応永年間(1394~1428年)に作られたとされる「鰐口」は、仏堂の正面軒先に吊り下げられた仏具の一種であり、貴重な文化財です。
境内の近くには、元禄年間(1688~1704年)僧清雅の創建という末寺無心庵の跡があります。一堂が建ち、その中に立像で豪華な木彫の地蔵菩薩立像が安置されています。

2011/11/20  

法宝寺【ほっぽうじ】

 

法宝寺【ほっぽうじ】

法宝寺
・朝来市和田山町岡田

・木造薬師如来坐像(彫刻)
・石造宝篋印塔(建造物)

県指定文化財

●珍しい手法で作られた「薬師如来坐像」
天平21年(749)、行基によって創建されたといわれる法宝寺は、真言宗高野山派に属する古刹です。平安時代に制作された本尊の「薬師如来坐像」は、33年ごとに開帳される秘仏。寄木造で膝は通常1材で作られますが2材からなり、大変珍しい手法のものとされています。
南北朝時代に造立された「石造宝篋印塔」は花崗岩で作られています。笠石の下部を請花とし、基礎の反花と対応させています。
法宝寺には羽柴秀吉による但馬攻めの際、戦乱から免れるための制札が残っています。

2011/11/20  

楽音寺【がくおんじ】

 

楽音寺【がくおんじ】

楽音寺
・朝来市山東町楽音寺

・経瓦(考古資料)
・絹本著色涅槃図(絵画)
・絹本著色両界曼荼羅図
(絵画)

県指定文化財

●阿弥陀如来像が彫り込まれた珍しい「経瓦」
大同年間(806~810)に創建と伝わる古刹。兵庫県指定の重要文化財である「経瓦」「仏涅槃図」「両界曼陀羅」は広く有名です。
中でも平安時代後半によく行われた経瓦は、粘土板に仏教の経典を線刻して焼きあげたものが一般とされていますが、この瓦経は仏像の胸部に1字ずつ経典が書きこんであります。12世紀頃の楽音寺経塚から出土したもので、縦が17.8cm、横が17.5cmあります。
また、楽音寺は薬師如来、子安地蔵、福寿弁財天は多くの信仰をあつめ、寺山一帯の 「四国八十八カ所霊場」と共に、今なお参詣者の絶えることがありません。境内には享保一揆の義民松岡新右衛門や、生野義挙の志士小山六郎の供養碑、その歴史を伝えてくれます。
境内にはウツギヒメハナバチの巨大集団営巣地があり、県の天然記念物に指定されています。

2011/11/20  

鷲原寺【わしはらじ】

 

鷲原寺【わしはらじ】

鷲原寺
・朝来市岩津

・石仏群
石像阿弥陀如来坐像
(彫刻)
・絹本著色仏画十二天像
(絵画)

県指定文化財

●16体の石仏が佇む「岩屋観音」
創立年代は不明ですが、法道仙人が開基したと伝わります。鷲原寺から1kmほど参道を登った先にある奥の院「岩屋観音」には、石仏群が安置されていて、県の文化財に指定されています。岩屋観音は崖にはり付くような形で建てられており、中は岩肌がむき出しになっています。
観音山の崖の中腹にあり、鎌倉時代に石工心阿が刻んだ十一面観音菩薩など16体の石仏が佇んでいます。花崗岩から丸彫りされ、天井には大日如来像が浮き彫りになっています。この石仏は節分と4月の春の大祭、及び毎月18日の午前中だけ開帳されます。
同じく県の文化財に指定されている「絹本著色仏画十二天像」は、密教で信仰される守護神で、細部まで丁寧に描かれ力感があります。 図には応仁の乱で知られる山名持豊(宗全)の書と花押が記されています。
また、2月の節分には幸福を祈願して、1周30mもある数珠を回す「数珠繰り」が行われています。

2011/11/20  

蓮華寺【れんげじ】

 

蓮華寺【れんげじ】

蓮華寺
・養父市大屋町夏梅

・木造聖観世音菩薩立像
(彫刻)

県指定文化財

●別名「夏梅の庭寺」とも呼ばれる古刹
蓮華寺の「聖観世音菩薩立像」は、平安時代後期の作と推定されています。桧の一木造りで、内抉りはなく、両眼は彫出しています。境内の三重塔を改修したとされる、楼閣2階建ての赤堂の六角宮殿に安置されています。
蓮華寺は弘仁年間(810~824年)、弘法大師によって、帰命山安養寺として開創したと伝わります。江戸期に現在の蓮華寺と改名し、本尊の弥勒菩薩は江戸中期に奈良から勧請したものです。
蓮華寺には亀島を持つ阿字池と渓谷風の滝を持つ心字池の2庭園があり、市の文化財に指定されています。また、有数の紅梅の古木もあり、別名「夏梅の庭寺」とも呼ばれています。

2011/11/20  

福王寺【ふくおうじ】

 

福王寺【ふくおうじ】

福王寺
・養父市大屋町中

・木造阿弥陀如来立像
(彫刻)

県指定文化財

●平安時代と鎌倉時代の様式を合わせ持つ仏像
開創年代は明暦元年(1655)で、阿闍梨舜海が現屋敷に寺を造立したと伝わります。
本尊の「阿弥陀如来立像」は、高さ3尺(約97cm)、寄木造で鎌倉時代初期の作とされ、平安時代後期の丸顔を主体として、鎌倉時代のやや面長で厳しい表情が加わっています。また、脚部の着衣はY字形の衣紋の形式で、衣服の袖は薄く彫刻し、平安時代後期の特徴を示しています。県下でも美術史的な価値は高く、バランスのよい姿の美しい仏像です。 平安時代と鎌倉時代の様式をあわせ持つ仏像として大変貴重です。