2013/01/14  

銚子ヶ谷カキツバタ群落 【ちょうしがたにかきつばたぐんらく】

 

銚子ヶ谷カキツバタ群落
【ちょうしがたにかきつばたぐんらく】

・県指定天然記念物
・香美町村岡区

●松林に囲まれたカキツバタの大群落
蘇武岳を縫う広域基幹林道の周辺にある銚子ヶ谷のカキツバタ群落は、植物社会学的には冷温帯の日本海型ブナ林であるブナーヒメアオキ群集に成立する湿原です。松林に囲まれた湿地には、何万株もの紫色のカキツバタが咲き乱れます。
指定範囲は湿原とその周囲(集水区域)15.36ヘクタールに及びます。4,000年以前からのカキツバタが確認され、過去の植物史を物語る湿原として大変貴重なものです。

2013/01/14  

小江神社の大ケヤキ【おえじんじゃのおおけやき】

 

小江神社の大ケヤキ【おえじんじゃのおおけやき】

・県指定天然記念物
・豊岡市江野

●セキリョウさんと親しまれる大ケヤキ
昭和43年に県の指定を受けた天然記念物で、小江神社の境内の中でもひと際目立つ巨木です。樹高約30メートル、幹周り約4.4メートルあります。
大ケヤキの下に水が湧き出る場所があり、かつては地区の共同用水場として利用されていました。上水道ができるまでは貴重な水源として大事に守られてきました。地元の人はこのケヤキを「セキリョウさん」と呼び、お参りすると、咳が止まるといういい伝えがあります。

2013/01/14  

大杉神社の大ヒノキ【おおすぎじんじゃのおおひのき】

 

大杉神社の大ヒノキ【おおすぎじんじゃのおおひのき】

・県指定天然記念物
・新温泉町久斗山

●万年酒が貯蔵される神木
大杉神社の本殿裏にある大ヒノキは、久斗山地区のシンボルとして親しまれてきました。樹齢は1千年ともいわれ、幹周りは約6.5メートルと県下最大を誇ります。
このヒノキの根元には「万年酒」といわれる濁酒が貯蔵されており、毎年、10月1日の祭礼当日に取り出され、村の吉凶が占われます。取り出した酒が澄んでいたら「吉」、濁っていたら「凶」とされます。このような神事は全国的にも稀で、貴重な事例です。

2013/01/14  

一宮神社のケヤキの森【いちみやじんじゃのけやきのもり】

 

一宮神社のケヤキの森【いちみやじんじゃのけやきのもり】

・県指定天然記念物
・豊岡市但東町久畑

●荘厳なケヤキの森が広がる
かつての京街道、久畑の関所近くにある一宮神社には、ケヤキの社そう林が広がっています。境内には樹高約35メートル、幹周り約7メートルの巨木をはじめ、幹周り3メートル以上のケヤキが群生しています。樹齢数百年を超える巨樹の森は、荘厳な雰囲気を創り出しています。
他にもエノキ、ムクノキ、イチョウ、スギなどが自生しており、これほど多くの巨木がまとまって自生している場所は珍しく、群生林として大変貴重なものです。

2012/12/26  

ハチゴロウの戸島湿地の整備【はちごろうのとしましっちのせいび】

 

ハチゴロウの戸島湿地の整備【はちごろうのとしましっちのせいび】


管理棟

ハチゴロウの戸島湿地
・豊岡市城崎町戸島

●生態系の宝庫!ハチゴロウの戸島湿地
平成21年4月にオープンした「ハチゴロウの戸島湿地」は、 円山川下流域にあり、 ここは日本海や楽々浦湾からの汽水、上流からの淡水、山際からの湧水などが混在し、 希少な生き物や植物にあふれる場所です。
この施設は、「嫁殺しの田んぼ」と呼ばれるほど作業が困難だった湿田(ジル田)を、コウノトリの生息拠点として、地域の生物多様性の核として、あるいは環境教育の拠点として整備されました。公の施設の「湿地」として環境を管理しています。
名称になっている「ハチゴロウ」とは、圃場整備工事中の湿田に舞い降りてきた野生のコウノトリの名前です。ハチゴロウがこの湿田に頻繁に飛来するようになった出来事がきっかけで、市がその地をコウノトリが舞い降りることのできる環境として保全・整備することを決めました。
湿地内の人工巣塔ではオープン前からコウノトリのペアが栄巣しており、オープンから2ヶ月余りでヒナの巣立ちも確認されました。

2011/11/21  

和池の大カツラ【わちのおおかつら】

 

和池の大カツラ【わちのおおかつら】

和池の大カツラ
・県指定天然記念物
・香美町村岡区和池
 

●関連情報
但馬高原植物園

●渓流をまたぐ圧巻の姿、根元から湧き出る水は1日5000t
県の天然記念物に指定されている「和池(わち)の大カツラ」は渓流にまたがって根を張った巨木で、樹高約38m、幹まわり約16m、樹齢は1000年を越えるといわれています。主幹は支幹の太さ3m内外の樹叢10数本に囲まれ、樹冠幅は東西に各10m、南側16m、北側10m。「但馬高原植物園─瀞川平─」の園内、うっそうとした原生林の森に立つ老齢の巨木は神秘的な雰囲気を漂わせています。
「カツラの木は一里四方の水を集める」といわれるように、標高約700mの高地にあって、その根元からは1日に約5000tもの清水がこんこんと湧き出ています。水温は年間を通して約10度と非常に冷たく、極めて純度の高い軟水で、色度、濁度、臭気、味など、どれをとっても優れた名水として知られています。コーヒーやお茶、料理などに適し、肌にもやさしい水です。また、古くから下流の田畑をうるおし、人々の暮らしを支えてきた命の水でもあります。この湧き水は高坂川の源流で、100mほど下流にはバイカモの群生地が、200m下流には和池の大池を中心とした湿地帯が広がっており、一帯は「但馬高原植物園─瀞川平─」として整備されています。

2011/06/22  

鎌田のイヌマキ【かまたのいぬまき】

 

鎌田のイヌマキ【かまたのいぬまき】
鎌田のイヌマキ鎌田のイヌマキ

・県指定天然記念物
・豊岡市鎌田

●民家の庭にどっしりと構えた常緑針葉高木
このイヌマキは、樹高は13.74mと低いですが、幹周りは2.84mと大きく、樹齢は300年と推定されています。樹勢は旺盛で枝張りは東西、南北ともに14m前後あります。マキ科の常緑針葉高木で、日本には多く植栽されており、本州中部や九州には自生種があると言われています。

イヌマキの俗称は全国各地に多く、また語源も諸説あります。古くは、杉のことを真木(マキ)と呼んでいだことから、これに対してこの種をそれよりも劣るものとして「イヌマキ」とさげすんで呼んだといわれます。また、クサマキは材の臭さから、ホンマキは正品のマキ、などの説もあります。とはいえ、材の使用に関しては、それほど劣るものではなく、特に水に強い木です。

2011/06/22  

延応寺の大ケヤキ【えんおうじのおおけやき】

 

延応寺の大ケヤキ【えんおうじのおおけやき】

延応寺の大ケヤキ

・県指定天然記念物
・朝来市生野町口銀谷

●生野義挙ゆかりの寺に残る巨木
朝来市生野町口銀谷の延応寺は、延応元年(1239年)に創建され、町内に現存するお寺の中では、一番古い真言宗の寺。四条天皇が時の名をとって名前をつけられたという、由緒深い古刹です。また、幕末期の生野義挙の際に、志士・平野国臣ら30数名がここに集まり、倒幕運動の策を練ったことでも知られています。
この延応寺の観音堂前にある大ケヤキは、樹齢400年以上といわれる老巨木。県の天然記念物にも指定されています。樹高30m、幹まわり8.6mで、地上6.7mのところで幹は3方向に分岐していて、その内1本は落雷により折損しました。しかし、銅板でしっかりと保護されていて、樹勢は衰えていません。枝張りは東西25m、南北に30mあり、威風堂々とそびえ立っています。
伝説によれば、延応年間に本堂が火災におおわれたとき、千手観音が飛鳥のように舞い上がって、この大ケヤキにとまり、難を逃れたといいます。ある日、長遍上人が大ケヤキの前を通り過ぎようとすると、ケヤキの梢に後光をさす千手観音を見つけ、この地に祀ったという伝承が残る名木です。

2011/06/22  

桑野本の大イチョウ【くわのもとのおおいちょう】

 

桑野本の大イチョウ【くわのもとのおおいちょう】
桑野本の大イチョウ桑野本の大イチョウ
・県指定天然記念物
・県指定郷土記念物

・豊岡市竹野町

●遠くからでも近くからでも圧倒される社叢の高木
県指定天然記念物である桑原神社の大イチョウは、本殿の傍らにあり、しっかりとした根張りの基部にまっすぐに天をつかまんばかりの幹がグンと伸び上がっています。樹高44m、樹幹8.45m。遠くから見ても、樹下に入って見上げてみても、圧倒される大きな樹です。地表から4mの地点で、初めての枝を分岐し次々と上へ分岐を重ねて梢へと達しています。

イチョウは雄株と雌株がある雌雄異種で、4月にそれぞれの株に花をつけます。しかし葉の展開が同時であることと、色が淡緑系のため、ほとんど気づくことはありません。この樹は雄。地元では古くからご神木として大切にされており、イチョウの葉が全て落ちると、次の日には雪が降るといわれています。

2011/06/22  

天神社のトチノキ【あまじんじゃのとちのき】

 

天神社のトチノキ【あまじんじゃのとちのき】
天神社のトチノキ
天神社のトチノキ
・県指定郷土記念物
・市指定天然記念物
・豊岡市日高町万場
●樹齢約400年、兵庫県下随一の大きさを誇るトチノキ
幹周7.58m、株元ほど太く、樹高は30m。社叢の林縁にあり、すぐそばを細い渓流が流れています。地表から4m付近で太い枝を一本分枝して、さらに2m上で大きく分枝しながら整った樹形を作り上げています。樹勢良好で樹肌が美しく、巨樹の風格を漂わせています。

変化に富んだ社叢には、スギ、ケヤキ、イチョウの巨木の他、県下最大の幹周2.05mを誇るメグスリノキも存在します。太さ、高さのある数種の巨木が混在し、裏山には県下最大のブナが、谷向こうには巨大トチノキの自然林が残されています。このことから、人が住み着く前は、この天神社付近まで同様の樹種の連続があったのではないかと考えられています。この樹に次ぐ巨木は、豊岡市畑上の幹周7.2m、香美町小代区小長辿の幹周7.17mがあります。