正法庵の大スダジイ【しょうぼうあんのおおすだじい】
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●大地の生命を感じる、正法庵の大スダジイ 1本の樹がまるで森のように生い茂っている新温泉町(旧浜坂町)正法庵の大スダジイは、推定樹齢800~1,000年と言われる古木。スダジイはシイの木の仲間で、タブノキとともに日本の常緑広葉樹林を代表する樹木で、一般にドングリがなる木として知られています。 正法庵の大スダジイは、シイの木としては兵庫県第3位の大きさを誇り、県の天然記念物にも指定されています。 |
正法庵の大スダジイ【しょうぼうあんのおおすだじい】
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●大地の生命を感じる、正法庵の大スダジイ 1本の樹がまるで森のように生い茂っている新温泉町(旧浜坂町)正法庵の大スダジイは、推定樹齢800~1,000年と言われる古木。スダジイはシイの木の仲間で、タブノキとともに日本の常緑広葉樹林を代表する樹木で、一般にドングリがなる木として知られています。 正法庵の大スダジイは、シイの木としては兵庫県第3位の大きさを誇り、県の天然記念物にも指定されています。 |
泰雲寺のシダレザクラ【たいうんじのしだれざくら】
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●西日本最大級を誇るその優雅な姿 泰雲寺の鐘つき堂の屋根をおおうように枝を張っているシダレザクラ。その広さは約20平方メートルにもおよびます。樹高15m、幹周り5.25mで、樹齢300年といわれています。 地上3.5mのところで、南北方向に幹が分かれていますが、長年にわたって枝に降り積もる雪を支え、重みに耐え続けたためか、頑丈な幹となっています。 泰雲寺は京都の臨済宗天竜寺に属する禅寺で、このサクラは天竜寺から移植されたものだそうです。 地元の人たちは、昔からこのサクラの花が満開の頃に、麻の種子を蒔くのによい時期と心得ていたことから“おまき桜”と呼んでいました。30年程前には、この木に咲く花の色は今よりもっと色が濃く、鮮やかなピンク色だったそうです。他所のシダレザクラは、一般的に満開時は白くなるので、この花の色は人々を魅了し、高く評価されました。昭和41年(1966)には県の天然記念物に指定されています。 最盛期を過ぎたこのサクラは、枝をあまり上方には伸ばさず、横へ横へと広げていきます。サクラを保護する為に、お寺では根の周りに柵を設けたり、堆肥を施したり、落葉も自然のままでおかれるように力を尽くしています。 今や旧温泉町の風物詩となっている泰雲寺のシダレザクラ。 地元の人はもちろん、湯村温泉に訪れる観光客にも、その優雅な姿は愛でられています。 |
ギフチョウ
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●春の訪れとともにあでやかに舞う、春の女神 明るい黄色と黒の縞に、赤とブルーのすそ模様をひるがえし、花から花へ舞い飛ぶようすは実にあでやか。ようやく訪れた春、ソメイヨシノの開花とともに現れるギフチョウは、誰が名づけたのか、「春の女神」の名にふさわしい美しいチョウです。 日本特産のチョウで、本州のみに生息しています。アゲハチョウの仲間ですが、やや小型。兵庫県下にも生息地は多くありますが、各地とも環境の悪化や乱獲もあって個体数の減少が目立ち、絶滅したところもあります。 但馬では、扇ノ山、妙見山、三川山などの山地から、豊岡市内の妙楽寺、愛宕山、大師山などの低山地まで、広くあちこちで見られますが、これも徐々に減少の傾向をたどっています。 ●落ち葉の下で10ヶ月も眠って、春を待ちます |
モリアオガエル
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●梅雨になると産卵場に集結、メスをめぐって争奪戦 5~6月ごろ、木の枝に、白い泡状の卵を産みつけることで有名なカエルで、背中には緑色の地に紅褐色の斑紋があります。 地域によっては天然記念物として保護されており、但馬の各地にも広く分布していますが、そのわりに目にすることが少ないのは、普段、山地の木の上で生活することが多いから。産卵期以外はあまり人目につかないようです。 モリアオガエルは産卵のため、梅雨の時期になると、近くの林から池や水たまりの上に張り出した木を目指して集まってきます。そうして周囲が暗くなったころ、産卵場となる木の枝に登ります。木の枝に陣取ったオスは「クックックッ」と鳴いてメスを誘い、メスが近づくと、メスの背中に乗って、産卵に適した枝先まで移動します。このとき、ほかのオスたちもメスを奪おうと飛びついてきます。産卵場所に着くと、背中に乗ったオスは、メスの腹部を絞るようにしてゼリー状の粘液と卵を出させ、後足で粘液をかきまわして泡状にするのです。こうして枝に産み付けられた卵は1~2週間でふ化し、オタマジャクシは、枝の下にある池や水たまりに落ちて、夏ごろには小さなカエルに変態していきます。 |
オオサンショウウオ
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●世界最大の両生類、世界でたった3種の貴重な生物 「生きた化石」といわれるオオサンショウウオは世界最大の両生類で、カエルやイモリの仲間です。その発生は2億年前にも遡りますが、ヨーロッパでは氷河期を経てほとんどが滅び、現在地球上では、日本、中国、アメリカで、わずか3種しか残っていないという貴重な生物です。アメリカのものは「ヘルベンダー」(地獄に向かう人)と呼ばれ、大きくて70cmほど、中国のものは「ワーワーユイ」と呼ばれ、150cmほどになるそうです。 ●但馬では身近にみられる特別天然記念物 兵庫県では但馬・丹波などのほとんどの河川の上流部に生息していることがわかりました。但馬では円山川、大屋川、八木川、出石川、竹野川など、どこにでもいる身近な生き物といえるでしょう。オオサンショウウオが棲むには、エサとなる生き物が豊富で生態系が保たれ、川岸に住みかとなるくぼみや奥行きのある産卵巣などが必要です。平成2年から6年間かけて行われた養父市建屋川の治水工事では、オオサンショウウオの生息と治水を両立させるため、全国でも初めてのさまざまな取り組みがおこなわれました。 |
但馬の地形概観【たじまのちけいがいかん】
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近畿の北西部にある但馬は、中国山地の東端にあたります。兵庫県の最高峰・氷ノ山からは南東に山並みが続き、これらの山々に端を発する川が日本海にそそいでおり、山すそが海に落ち込んだ海岸部は断崖絶壁が多く変化に富んでいます。 宇宙から見た但馬地方 ●山地 3つめは、北但層群におおわれていたところが、その後の隆起・浸食作用で削り取られて基盤岩が露出し、さらに河川によって深い谷が刻まれたもので、高竜寺岳(697m)などがあります。 また、但馬山地の中でも、火成活動を受けなかった地域(おもに八木川以南の古生層)は、長い年月の間に風化が進み、山頂まで植林がなされて美林をつくりだしています。 ●平地 円山川以外の河川は短小なので、新しい山地が削り取られてできた狭い谷底平野だけが形成されています。 ●河川 ●海岸 |
但馬の河川【たじまのかせん】
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●但馬最大の川・円山川 日本海にそそぐ但馬のおもな河川は東から、円山川、竹野川、佐津川、矢田川、岸田川とあります。 但馬最大の河川・円山川は、播州との分水界にあたる生野町円山を源流として、豊岡市津居山で日本海にそそいでいます。 但馬の1市12町を流域にもち、但馬山地の山々を水源とした大屋川・八木川・稲葉川・出石川などの多くの支流を合流しながら、豊かな水量でゆったりと流れています。豊岡市域に入ると、標高数メートルの非常にゆるやかな流れとなります。河口近くの楽々浦(ささうら)は氷河期の谷が埋め残された潟湖で、湖岸の樹木はサギの絶好のねぐらとなっています。 かつては蛇行して流れ、洪水のたびに氾濫を繰り返したため、大正11年から15年をかけて大改修されて、現在の流路になりました。市内のところどころには、かつての流路が三日月湖として残っており、円山川の荒々しい一面をうかがわせています。 竹野川、佐津川の源流はともに三川山で、流路も短く流れも早い川です。 |
但馬の地質【たじまのちしつ】
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●但馬の地史 今から約3億年前、アジア大陸の東端は海で、但馬の姿はありませんでした。それから1億年ほど後の造山運動(本州造山運動)で、但馬の陸化が進みました。養父市大屋町一帯に広がる「舞鶴帯」や、福岡県を西端として但馬までのびる「三郡帯」はこのころのもの、「夜久野層群」は少し後にできたといわれています。それから少し経って最初の火山活動が但馬で起こり、花崗岩体の貫入によって、城崎、湯村などの温泉源がつくられました。 2500万年前、海底火山の溶岩が海水と反応して緑色に変化する、グリーンタフ変動が起こり、生野、明延などの鉱山ができました。このころ但馬には海が深く入り込んでおり、村岡には海底面の流跡が残っています。 1000万年前、2回目の大きな火山活動によって、日和山安山岩ができ、古村岡水道が陸化し、数百万年前の火山活動で、鎧の袖(香美町香住区)や宇日流紋岩(豊岡市竹野町)などができました。兵庫県の最高峰・氷ノ山は約300年前、玄武洞の玄武岩は約160万年前の噴火によるものです。 中国地方を東西に走る山脈は、東端の氷ノ山周辺で急に南北の連なりになっており、変化に富んだ但馬海岸の地形とあわせて、かつて但馬が地殻変動の拠点のひとつであったことがうかがえます。 県下で一番新しい火山活動は、約1万年前の神鍋噴火です。また、約2万年前に、最後の氷期が終わって間氷期にはいったころ、現在の豊岡の平野部は海でした。このような、さまざまの変化を経て現在の但馬ができたのです。 ●但馬の地質 ■明延鉱山 |
但馬の山【たじまのやま】
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スキー場の広がる但馬山地は、県下一の高さを誇り「兵庫の屋根」といわれる氷ノ山(1,510m)をはじめ、鉢伏山(1,221m)、扇ノ山(1,310m)など、1,000mを越える山々が連なっています。中国山地の東端に位置する但馬山地は、第三紀末の火山活動によって、なだらかな古い山並みの上に突き出すようにできた山々で、氷ノ山では、山頂部の荒々しい岩肌と、斜面に沿って流れた溶岩によってできたゆるやかな斜面が対照的です。 山頂平坦部の周辺の谷は急崖となって、いたるところに滝や渓谷ができ、浸食が進み、荒々しい岩肌を見せる急斜面が多い、壮年期的な山地です。山頂周辺の厚い溶岩台地の末端部には、霧ヶ滝、瀞川滝、不動滝、天滝など、多くの美しい渓谷ができ、ハイキングコースとなっています。ゲレンデの多くは標高600~800mの高原ですが、鉢伏高原では1,221mの山頂までリフトで登れ、南に氷ノ山の樹氷や白銀の尾根を望む山頂からの眺望がすばらしく、別世界のようです。 但馬山地には、神鍋山や宝山(夜久野高原)など、第四紀にできた新しい火山もあります。お椀を伏せたようなスコリア丘は、形も崩れず、すり鉢のような火口を広げています。しかし、森林伐採の波に浸食されて、ブナ、トチ、ナラなどの原生林が次々に伐採され、山頂部や渓谷の一部に残るだけとなっています。 かつて山には多くの木地師が住み、住居を転々と移しながら、豊かな原料に支えられて「ろくろ」を回していましたが、今はその跡もありません。 |
但馬の地史【たじまのちし】
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●但馬の地史 今から約3億年前、アジア大陸の東端は海で、但馬の姿はありませんでした。それから1億年ほど後の造山運動(本州造山運動)で、但馬の陸化が進みました。養父市大屋町一帯に広がる「舞鶴帯」や、福岡県を西端として但馬までのびる「三郡帯」はこのころのもの、「夜久野層群」は少し後にできたといわれています。それから少し経って最初の火山活動が但馬で起こり、城崎・湯村などの温泉源がつくられました。 2500万年前、海底火山の溶岩が海水と反応して緑色に変化する、グリーンタフ変動が起こり、生野、明延などの鉱山ができました。このころ但馬には海が深く入り込んでおり、村岡には海底面の流跡が残っています。 1000万年前、2回目の大きな火山活動によって、日和山安山岩ができ、古村岡水道が陸化し、数百万年前の火山活動で、鎧の袖(香美町香住区)や宇日流紋岩(豊岡市竹野町)などができました。 兵庫県の最高峰・氷ノ山は約300万年前、玄武洞の玄武岩は約160万年前の噴火によるものです。中国地方を東西に走る山脈は、東端の氷ノ山周辺で急に南北の連なりになっており、変化に富んだ但馬海岸の地形とあわせて、かつて但馬が地殻変動の拠点のひとつであったことがうかがえます。 県下で一番新しい火山活動は、約1万年前の神鍋噴火です。また、約2万年前に、最後の氷期が終わって間氷期にはいったころ、現在の豊岡の平野部はまだ海でした。 このように、さまざまの変化を経て現在の但馬ができました。 |
逆算年数
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代
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紀
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地質・地史等
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地質現象・天然記念物・鉱山など
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1万年前
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新
世 代 |
第四紀
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・縄文遺跡 ・古豊岡湖 ・古神鍋湖沼群 ・段丘 ・神鍋火山群の活動 |
・別宮、兎塚、神鍋など ・中谷貝塚(豊岡市) ・古栗栖野湖・古太田湖等湖底平野 ・高位段丘/新屋・鍛冶屋(香美町小代区) ・栃本の溶岩瘤(豊岡市日高町) |
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200万年前
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・田倉山(宝山)火山の活動 ・玄武洞火山(来日火山)の活動 ・鉢伏火山の活動 ・氷ノ山火山の活動 |
・畑上(豊岡)(神崎砂丘:ソロバン玉石) ・柱状・板状節理(小倉・赤石) ・玄武洞、青龍洞、白虎洞、朱雀洞 ※三郡変成岩を貫いて噴火 |
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700万年前
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新
第三紀 |
照
来 層 群 |
・猿尾滝ヒン岩脈の貫入 ・宇日流紋岩(安山岩)噴出 ・春来累層・高山累層の形成 |
・猿尾滝(香美町村岡区) ・霧ヶ滝渓谷(新温泉町) ・猫崎(豊岡市竹野町)・岡見(香美町香住区)の傾斜不整合 ・鎧の袖(香美町香住区) ・宇日流紋岩の流理(豊岡市竹野町) ・但馬御火浦(浜坂・香美町香住区) ・吉滝(香美町小代区) ・昆虫化石(新温泉町) |
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2600万年前
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村
岡 累 層 |
・妙見山堆積層 ・瀞川山堆積層 ・湯舟川頁岩石 ・大野峠砂岩層 |
・地層の褶曲・断層(妙見林道) ・断層(瀞川山林道) (古照来湖、古村岡水道) |
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豊
岡 累 層 |
・大岡山堆積層 ・河江流紋岩 ・日和山安山岩 ・辻礫岩層 |
・波食甌穴群(豊岡市竹野町) ・はさかり岩(豊岡市竹野町切浜) ・漣痕化石(香美町香住区) ・海底面の流痕(香美町村岡区) ・百層崖(香美町香住区鎧) ・断層(豊岡市妙楽寺山) ・阿瀬渓谷(豊岡市日高町) |
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八
鹿 累 層 |
・来日岳火山性堆積層 ・椿色火山岩 ・火山性角礫岩 |
・鍾乳日本、亀山洞門(新温泉町居組)
(古浜坂湖) |
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高
柳 累 層 |
・高柳砂岩、礫岩層 | ・古高柳湖(淡水湖?) | |||
6500万年前
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古
第三紀 |
(古第三紀の地層は但馬では見られません) | ・グリーンタフ変動による鉱山 生野・明延鉱山 (金、銀、銅、錫など) |
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1億6500万年前
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中
生 代 |
白亜紀
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・花崗岩貫入 ・矢田川層群の形成 |
・城崎・湯村・七釜・ハチ北の温泉 (花崗岩の裂け目から湧出) ・山中鉱山 |
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1億9000万年前
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ジュラ
紀 |
・カンラン石・蛇紋岩(超苦鉄質岩)の上昇 | ・天滝、不動滝(養父市大屋町) ・硬玉(養父市大屋町加保) ・頑火輝石(養父市関宮) ・大屋鉱山、夏梅鉱山、聖長鉱山 |
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2億2500万年前
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三畳紀
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・御祓山層群 ・夜久野層群 |
・御祓山不整合 (トリアス・古生層) |
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2億8000万年前
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新
古 生 代 |
二畳紀
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・夜久野古生層 ・三郡変成岩 ・南谷層群 |
・秩父古生層の主体 (石炭紀~二畳紀) |
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3億4500万年前
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石炭紀
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※但馬の地史はこのあたりから、わかってきました | |||
3億9500万年前
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デボン
紀 |
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4億3000万年前
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旧
古 生 代 |
シル
リア紀 |
日本最古の地層と化石 | ・岐阜県福地 ・福井県上伊勢 ・岩手県大船戸村 ・高知県越知町 など |
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5億年前
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オルド
ビス紀 |
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5億7000万年前
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カンブ
リア紀 |
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8億5000万年前
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先
カ ン ブ リ ア紀 |
原生代
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・飛騨・隠岐変成岩 (日本で古い岩石、約11~16億年前?) ・地球上最古の岩石(堆積岩)アフリカで発見(約26~38年前、地球の形成) |
・岐阜県上麻生・片麻岩礫 (20~25億年前、日本最古の岩石?) |
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45億年前
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始生代
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