2011/06/22  

県立施設【けんりつしせつ】

 

県立施設【けんりつしせつ】
バネ
県立コウノトリの郷公園

バネ
県立円山川公苑のカヌー


県立但馬文教府


県立但馬ドーム


県立木の殿堂


兎和野高原


県立但馬牧場公園


県立但馬長寿の郷


県立但馬全天候運動場


県立南但馬自然学校

●但馬の多彩な楽しみ方を提案
スポーツ、レクリエーション、芸術など、観光スポットにもなっている県立の施設です。

■県立コウノトリの郷公園(豊岡市)
国の特別天然記念物・コウノトリの野生復帰に取り組む拠点施設。コウノトリの保護・増殖や、コウノトリを再び野生にかえすための研究を進めており、公開ケージではその美しい姿を観察することができます。自然に恵まれた広大な敷地内には、コウノトリや豊岡の自然について紹介する「市立コウノトリ文化館・コウノピア」や、クワガタなどが生息する森、ミズカマキリ、モリアオガエルなどが生息する湿地などが整備されています。

■県立円山川公苑(豊岡市)
円山川河畔に広がるスポーツ・レジャーゾーン。カヤックや各種のカヌーに乗ることができます。夏は50メートルの本格プール、冬はスケート場になる施設や、広い芝生広場、展望レストラン、近・現代美術の企画展を開催する美術館などが併設されています。

■県立但馬文教府(豊岡市)
芸術・文化活動や地域づくり、ボランティア活動など成熟社会における生きがいのある生活創造活動と自己実現を図るための生涯学習を支援しています。また、但馬の文化活動の交流の場となっている文教府ギャラリーでは、一般の人やグループの絵画、写真、書道ほか、いろいろな作品展が開催されています。

■県立但馬ドーム(豊岡市日高町)
神鍋高原にある大きな開閉式のドーム。東京ドームを超える面積のグラウンドを備え、野球やサッカーなど各種スポーツやコンサートなどがおこなえます。ドーム内にはハンググライダー体験、環境発見遊具などのコーナーやレストランがあり、屋外には芝生グラウンド、ジョギングコースなどが整備されています。

■県立木の殿堂(香美町村岡区)
森や木の文化を紹介する自然学習施設。森に関する紹介パネルや、世界の民家模型、木製民具などが展示され、感動の自然物語がハイビジョンシアターで鑑賞できます。工作室では、電動糸ノコを使った組み木作り教室を開いており好評です。

■県立兎和野高原野外教育センター(香美町村岡区)
兎和野高原は兵庫県観光百選の第1位に選ばれた瀞川平にあり、レンゲツツジの自生地としても有名です。標高550mにあるなだらかなキャンプ場は、豊かな自然環境と127haもの広大な敷地に立地し、宿泊棟やフィールドアスレチック、グランドなどを完備しています。自然学校、ボーイスカウト、子ども会などで活用され、四季を通じて、豊かな自然とふれあいながら学習することができます。

■県立但馬牧場公園(新温泉町(旧温泉町))
山の斜面を利用して夏はターフスキーやソリ遊び、冬はスキーができ、但馬牛が自慢のレストラン、バーベキューハウス、宿泊施設なども備えていて、家族で楽しめるレジャーゾーンとなっています。ヒツジやウサギなどとふれあえるふれあい広場コーナーが子どもたちに人気で、但馬牛も放牧されています。但馬牛について紹介する但馬牛博物館もあります。

■県立但馬長寿の郷(養父市八鹿町)
子どもからお年寄りまで、だれもがいきいき暮らせる社会をめざす拠点施設。陶芸・木工ほかの手づくり教室、農業体験などができるほか、快適な居住空間を提案する住宅改修モデルルームや福祉用具などの展示もあります。くつろげる茅葺きの家屋、ギャラリー、宿泊施設など各種施設が充実しています。

■県立但馬全天候運動場(養父市八鹿町)
屋根付きの「いきいきドーム」は、天候を気にせずスポーツを楽しむことができ、テニスコート3面、ゲートボールなら4面に対応しています。ほかにも、家族やグループでピクニックや軽スポーツなどを楽しむことができる「芝生広場」や、シャワー完備の「交流会館」など、年齢問わず総合的にスポーツ活動が行える施設です。

■県立南但馬自然学校(朝来市山東町)
南但馬の豊かな環境を活用して、小学5年生が5泊6日にわたって体験学習をする「自然学校」の拠点施設。朝来群山県立自然公園の一角にあり、大自然の中で、子どもたちが学校生活では得られない体験を通して学習することができます。

2011/06/22  

別宮のオキナグサ自生地【べっくのおきなぐさじせいち】

 

別宮のオキナグサ自生地【べっくのおきなぐさじせいち】
オキナグサ
オキナグサ自生地
・天然記念物
・養父市別宮
●兵庫県下でも珍しいオキナグサの群生
オキナグサは、春、日当たりのよい草原に生えるキンポウゲ科の多年草で、根生葉には長い柄があります。長さ20cmほどの茎につく葉には柄がありません。4月から5月頃、花柄の先に、つりがね形の長さ3cmほどの花を咲かせます。花びらの外側は白毛で覆われ、内側は暗赤紫色をしています。花が終わると、果実に細い綿毛が伸びて、翁の白髪にのように見えることから、和名を翁草(オキナグサ)といいます。養父市別宮(旧関宮町)の鉢伏山の山麓には、オキナグサの自生地があります。環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧種、兵庫県版のレッドデータブックでもAランクに位置づけられる希少種ですが、標高930m付近の東鉢スキー場の中のなだらかな斜面には、ヤマヤナギ・ススキ・イタドリ・アカツメグサなどと共にオキナグサが密集して生育しています。

2011/06/22  

ホードー杉【ほーどーすぎ】

 

ホードー杉【ほーどーすぎ】

ホードー杉
・県指定天然記念物
・幹まわり 12.6m
・樹高 22m
・樹齢 1000年以上
(不明)
・養父市大久保ムネ畑
●とてつもなく大きな杉、ホードー杉
養父市大久保ムネ畑にある「ホードー杉」は、県下第3位の巨木です。大平頭(おおなるがしら)の南東斜面、標高1,150mという高地に、こんなに大きな杉があるのはとても珍しいことです。幹元から数本の主幹に枝分かれて広がり立ち上がる姿は、どっしりと風格に満ちており、樹齢は不明ですが1000年は下らないだろうといわれています。名前の由来もよくわかりませんが、おそらく「とてつもなく」大きな杉という意味ではないかといわれています。

幹元にある空洞に焼けこげた跡が見られるのは、悪天候に悩まされた人がこの空洞に避難して、暖をとるために火を燃やしたからだろうということですが、こんなりっぱな木のためにも、防火の面からもつつしまなければいけません。
以前には、但馬で国指定の天然記念物第1号となった「妙見の大杉(夫婦杉)」という巨木があり、長い間但馬の誇りとして親しまれてきましたが、1990年の台風で惜しくも折れてしまいました。

2011/06/22  

ミツガシワ

 

ミツガシワ

ミツガシワ
・県指定天然記念物
・養父市鉢伏高原
●澄んだ水があふれる湿地に群れ咲く白い花
カシワの葉に似た3個の小さな葉がミツバのようについているところから、「ミツガシワ」の名がついたといわれ、水の中から20~50cmの茎をすっくと伸ばして、先端に小さな白い花をたくさんつけます。白く小さな花びらの内側には、白い毛がたくさん生えている不思議な花です。池や沼の岸辺の湿地に群生する、多年生の抽水植物(浅い水に生活し、根は水底にあって、茎・葉を高く水の上に伸ばす植物)で、清らかな水にしか育ちません。花が咲くのは5~7月、地下茎は1cm近くもの太さがあり、縦横無尽に走っています。中国では葉を乾燥したものを睡菜、または瞑菜といって、睡眠薬としました。苦味配糖体メリアチンを含み、古来から健胃・解熱・駆虫などの薬に用いられてきました。

●氷河時代から生き残った貴重な植物
ミツガシワは、北半球の寒い地域に広く分布し、日本でも東北地方から北海道にかけては普通に見られますが、近畿地方以西ではごく少なく、点々と分布しています。はるか昔に、氷河とともに南下してきた植物の子孫が生き残ったもので、氷河時代の遺物として貴重な植物です。
但馬では、養父市鉢伏高原の北東部に通じる広域基幹林道にかかる道の脇、数軒のロッジが並んでいる近くの湿地に生息しています。2カ所の自生地があり、1カ所は個人所有地、もう1カ所は集落所有地で、1982年に県の天然記念物に指定されました。県内ではここにしか自生していません。しかし、周辺が開発されるに従って、ミツガシワの群落の面積は縮小してきています。猛暑で湿地が乾燥することもダメージを与えます。危機的な状況にあるミツガシワを守るには、絶えることなくきれいな水を与えることが大切です。

2011/06/22  

ヤマドリゼンマイ

 

ヤマドリゼンマイ

ヤマドリゼンマイ
・県指定天然記念物
・養父市鉢伏高原
●鉢伏高原のような群落は珍しいヤマドリゼンマイ
ヤマドリゼンマイは、やや高い山地の湿地に生える夏緑色のシダで、山地湿地の指標植物ともいえるもので、日本では中部地方の湿原に多く分布しています。兵庫県の各地にも生えていますが、鉢伏高原のような群落は西日本では珍しく、1965年、県の天然記念物に指定されています。
株は群生することが多く、根茎から葉がかたまって出るので束のように生えます。新芽が出るときは赤褐色の綿毛をかぶっていますが夏までに徐々になくなります。葉は栄養葉と胞子葉に分かれており、栄養葉は長さ30~80cm、幅15~25cmくらいで直立して生えます。

2011/06/22  

別宮の大カツラ【べっくうのおおかつら】

 

別宮の大カツラ【べっくうのおおかつら】

別宮の大カツラ
・県指定天然記念物
・養父市別宮
●神木として崇拝される、左巻きの老カツラ
養父市別宮(べっくう)にある大カツラは、樹高27.3m、幹まわり14.5m、枝張りは東西に約24m、南北に約26mもある老巨木です。1965年に県の天然記念物に指定されました。主幹は朽ちていますが、1本の株から大小100本近くの幹が群れて立ち上がり、支幹はゆるく左巻きにねじれています。カツラは水を好むといわれるように、根元からは通称「カツラの水」と呼ばれる多量の清水が常に湧きだしており、南に広がる広大な水田をうるおしています。

この木には伝承が多く、なかに、平安時代の僧・空海が諸国巡歴の途中にこの地に立ち寄り、教海寺を開いて別宮を発足させ、このカツラを水の神木であると告げたという伝承があり、そうならば平安初期にはすでに、このカツラの主幹があったと考えられます。また、400年ほど前に街道の休み場所として植えられたという言い伝えもあります。カツラは雌雄異株の木であり、この木は雌木で結実するため、付近には実生苗がたくさんあります。支幹が左巻きになっていることから「捻幹カツラ」とも呼ばれています。

2011/06/22  

建屋のヒダリマキガヤ【たきのやのひだりまきがや】

 

建屋のヒダリマキガヤ【たきのやのひだりまきがや】

建屋のヒダリマキガヤ
・国指定天然記念物
・養父市建屋
●関連情報
養父市役所
●実の表面に左巻きの波紋があることからこの名が付いた
養父市建屋能座地区、琵琶湖疎水の生みの親として知られる故北垣国道・元京都府知事の旧邸内にあるカヤは、県下一位を誇り、1951年、国の天然記念物に指定されています。

樹齢700年、根まわり15m、幹まわり7.4m、樹高35m。東西24m、南北29mに広がる傘状の枝張りが実にみごとな名木です。

樹勢も旺盛で、その立派な姿のとおり、毎年たくさんの実をつけますが、この実の表面に左巻きの波紋があるところから「ヒダリマキガヤ」の名前がつきました。カヤの種子は楕円形で、外側に直線のすじがあるあるのが普通なのです。
周辺に大きな木がなく、平地に生えているため、周辺のどこからでもその姿を見つけることができ、能座地区だけでなく、養父町のシンボルとして親しまれています。

カヤは、常緑高木で、本州以南の山野に自生しますが、庭木としても植えられます。雌雄異株で、雌木は実をつけます。4月頃に開花し、種子は上質の天ぷら油として利用されたり、幹は碁盤や将棋盤、将棋駒を作るのに適しています。

2011/06/22  

中・一宮神社の社叢【なか・いちみやじんじゃのしゃそう】

 

中・一宮神社の社叢【なか・いちみやじんじゃのしゃそう】
中・一宮神社の社叢

・県指定天然記念物

・養父市大屋町中

●深い緑に包まれた、一宮神社の神社の森
養父市大屋町中地区・一宮神社の社叢(神社の森)は、県指定の天然記念物。標高160mの神社裏山の急斜面は深い緑に被われ、カシ類を中心にケヤキ、イチョウ、スギなどの木々が茂っています。

高木層はカシの木が最も多く、ほかにケヤキなどの15種類の大木が混生し、常緑樹、落葉樹があります。それらの高木層の下には、シダ類を主として約30種ほどが自生し、種類が豊富なことが特徴です。
但馬内陸部低地に発達する代表的な自然林で、面積が10,466平方メートルと広く、植物の種類も豊富なことから、貴重な森として大事に管理されています。
その生い茂った社叢は、石垣を配した神社の厳かな雰囲気と相まり、鎮守の森として静寂なたたずまいを見せています。

2011/06/22  

堀畑のハコネウツギ【ほりはたのはこねうつぎ】

 

堀畑のハコネウツギ【ほりはたのはこねうつぎ】

堀畑のハコネウツギ

・県指定天然記念物
・養父市堀畑

●紅白色の花を混じえる古木
ハコネウツギは日本全国の沿海地に自生する落葉低木。5月~6月中旬にかけて花が咲き、初めは白色、後には淡紅色、さらに紅色へと変化 して、最盛期には3色の花がらを楽しむことができます。紅白色の花を混じえることから「ゲンペイ(源平)ウツギ」と地元では呼ばれています。

この樹は萌芽復元性があり、成長が非常に早く、強健で移植が容易なので庭園や公園、生け垣などに植栽されます。また、耐潮性に優れているので海浜にも植えられています。
葉はやや厚く光沢のある広楕円形で、先端が急に鋭くとがり基部も急にくさび形となっています。
昭和55年(1980)に県の天然記念物となったこのゲンペイウツギは墓地の中にあり、献花用として植栽されたものだといわれています。地上2.5m辺りから6本に枝分かれしており、樹齢200年という古木ながら、今も綺麗な花を咲かせています。

2011/06/22  

栲幡原神社のカシ林【かごはらじんじゃのかしりん】

 

栲幡原神社のカシ林【かごはらじんじゃのかしりん】
栲幡原神社のカシ林

・県指定天然記念物

・養父市大屋町和田

●昔のままの姿が現存する、自然林のカシ林
自然植生の形で今に残る、県指定の天然記念物・栲幡原神社(養父市大屋町和田)のカシ林。人の手がほとんど入っておらず、これだけ自然林の形で残っているのは非常に珍しいとされています。
またその規模も、面積2,545平方メートルと相当広く、当地域の代表的な自然林と考えられています。
栲幡原神社は、南北朝時代の武将、楠木正成の一族と伝えられる和田氏によって創建された神社。その歴史のある神社の広大な裏山に、カシ林が広がっています。シラカシ、ウラジロガシ、アラカシなどのブナ科コナラ属のカシの代表たちが、山の斜面に生い茂っています。
また、カシ、ケヤキのほか、ムクノキ、アカシデなどの大木も繁茂し、その厳かな林の雰囲気をよりいっそう引き立てています。