泰雲寺のシダレザクラ【たいうんじのしだれざくら】
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●西日本最大級を誇るその優雅な姿 泰雲寺の鐘つき堂の屋根をおおうように枝を張っているシダレザクラ。その広さは約20平方メートルにもおよびます。樹高15m、幹周り5.25mで、樹齢300年といわれています。 地上3.5mのところで、南北方向に幹が分かれていますが、長年にわたって枝に降り積もる雪を支え、重みに耐え続けたためか、頑丈な幹となっています。 泰雲寺は京都の臨済宗天竜寺に属する禅寺で、このサクラは天竜寺から移植されたものだそうです。 地元の人たちは、昔からこのサクラの花が満開の頃に、麻の種子を蒔くのによい時期と心得ていたことから“おまき桜”と呼んでいました。30年程前には、この木に咲く花の色は今よりもっと色が濃く、鮮やかなピンク色だったそうです。他所のシダレザクラは、一般的に満開時は白くなるので、この花の色は人々を魅了し、高く評価されました。昭和41年(1966)には県の天然記念物に指定されています。 最盛期を過ぎたこのサクラは、枝をあまり上方には伸ばさず、横へ横へと広げていきます。サクラを保護する為に、お寺では根の周りに柵を設けたり、堆肥を施したり、落葉も自然のままでおかれるように力を尽くしています。 今や旧温泉町の風物詩となっている泰雲寺のシダレザクラ。 地元の人はもちろん、湯村温泉に訪れる観光客にも、その優雅な姿は愛でられています。 |