2013/05/29  

轟の太鼓踊【とどろきのたいこおどり】

 

轟の太鼓踊【とどろきのたいこおどり】
轟の太鼓踊
・県指定文化財
・豊岡市竹野町轟

 

●蓮華寺で行われる盆の施餓鬼供養の仏事
蓮華寺で行われる盆の施餓鬼供養の仏事として踊られる轟の「太鼓踊り」。
特徴はその素朴さにあるといわれています。
同じ系統に属する「ざんざか・ざんざこ踊り」は衣裳や踊りに工夫を凝らすのに対し、
「太鼓踊り」には派手さもなく、衣裳も白浴衣のみです。踊りの構成は「ザンザンザカザット」の囃子込み太鼓と唄の部分が交互に演じられます。
その成立や起源についてははっきりと分かっておらず、締太鼓に江戸時代後期の年号が記されていることから、少なくともこの頃から踊っていたことが分かっています。昭和34年頃を最後に一時途絶えましたが、平成4年、約30年ぶりに地元有志によって復活しました。

表米神社の相撲桟敷【ひょうまいじんじゃのすもうざしき】

 

表米神社の相撲桟敷【ひょうまいじんじゃのすもうざしき】

表米神社の相撲桟敷

・朝来市和田山町竹田
・県指定文化財

●半円形に六段の珍しい石積段型桟敷
竹田城跡のふもとにある表米神社。格技を好んだと言われる表米宿弥命を祀り、境内には相撲桟敷が設けられています。
半円形に六段の石積段型桟敷は、全国でも非常に珍しく、県の文化財に指定されています。現代でいうところの野外観覧席で、江戸末期と明治期の座席割図が各1枚残っていることから、村の行事に利用されていました。角正面には舞台もあり、歌舞伎の見物などに使われたとも考えられます。

2013/05/29  

青谿書院【せいけいしょいん】

 

青谿書院【せいけいしょいん】

青谿書院

・養父市八鹿町宿南
・県指定文化財

●池田草庵が開いた漢学塾
幕末から明治の初めにかけて但馬聖人・池田草庵が開いた漢学塾で、明治の近代化を支えた多くの門弟が勉学に励みました。草庵はここで門人たちと寝起きをともにし、自ら模範をみせることで、知識と実行を兼ね備えた人間の育成に心を砕いたといいます。
建物は質実剛健という言葉にふさわしく、周囲にはのどかな田園風景が広がります。
便所の扉の内側には、門人たちが寝る間を惜しんで、夜の10時の消灯後にもロウソクを灯して勉強したススの跡が無数に残っています。
また、「青谿書院資料館」には、草庵の遺品、著書をはじめ、関係資料を数百点展示しています。教えを慕って入門した門人の数は、明治11年に亡くなるまで、全国30ヵ所から673人にのぼり、日本の近代化を担った多くの人材を教育しました。
出身者には、日本金融界の基礎を築いた原六郎や日本近代眼科の父・河本金次郎、東大総長を2度つとめた浜尾新、琵琶湖疏水を開いた北垣国道などがいます。

宇日の流紋岩【うひのりゅうもんがん】

 

宇日の流紋岩【うひのりゅうもんがん】

・県指定文化財
・豊岡市竹野町宇日

●断崖の流紋岩が流理構造
豊岡市北部の竹野海岸の平井の鼻から宇日海岸・田久日海岸にかけて見られる流紋岩の露頭で、海岸線に連続して見ることができます。
流紋岩の「流理」とは、シリカに富む細粒やガラス質の火成岩が規則正しく配列し稿状になっていることを指します。まるで渦巻きのような様は神秘的な光景を生み出しています。。

波食甌穴群【はしょくおうけつぐん】

 

波食甌穴群【はしょくおうけつぐん】

・県指定文化財
・豊岡市竹野町竹野

●波の浸食で形成された無数の丸い穴
海水浴場として知られる竹野浜の西にある、兵庫県最北端の猫崎半島。
その西海岸の岩盤には、無数の丸い穴「甌穴(ポットホール)」があります。
これは岩盤に生じた窪みに小石が絡まり、波の作用で小石がグルグルと回され削られてできたものです。普通は河床でみられる「甌穴」ですが海食によるものは珍しいとされています。
数千年の歳月をかけて、波が岩棚の石を回転させて掘り下げた結果できたこの甌穴群の奇観は、学術的価値の高いものとされています。

漣痕化石【れんこんかせき】

 

漣痕化石【れんこんかせき】

・県指定文化財
・香美町香住区下浜

●浸食作用で作られた規則的な微地形
水に接する砂質の堆積物の表面には、波の作用で作られた周期的なうねり模様が残ることがあります。
これを「漣痕(リップルマーク)」と呼びます。

約2,000万年前、香住区下浜付近一帯は「古浜坂湖」という淡水湖で、底の泥に刻まれた波の跡は、礫質の砂の層に覆われていました。
それが化石となって残り、海抜14mの地層中に波長50~60cmの波形が延長50m、東西方向に並んでいます。

鎧の袖【よろいのそで】

 

鎧の袖【よろいのそで】

・国指定天然記念物
・香美町香住区下浜

●斜度70度でそそり立つ断崖
幅200m、高さ70m、斜度70度でそそり立つ断崖。
約1,000万~300万年前の火山活動によって形成されたといわれています。

柱状節理の発達した流紋岩質デイサイトからなり、上部には板状の岩石の割れ目が発達しています。
その形状が鎧の“おどし”(袖)に似ていることから、この名前がついています。
美しく迫力ある大海食崖で、国の天然記念物に指定され、日本百景にも選定されています。
また、延長線上にある「鷹ノ巣島」と「蜂ノ巣島」は、鎧の袖の岩床が海食によって海中に分離してできたもので、この2島も柱状節理が発達し、美しい景観をみせています。

但馬御火浦【たじまみほのうら】

 

但馬御火浦【たじまみほのうら】

旭洞門


三尾大島

・新温泉町~香美町
・国指定名勝・天然記念物

●火山活動の様子や海食地形を観察
新温泉町浜坂湾東部の小浜谷から香美町香住区伊笹岬の間の海岸を指します。
この一帯は、昔ここで起きた火山活動の様子や海食地形を観察することができます。
西南西、東北東方向の直線的な海岸線は、海食崖や礫浜の奇岩怪石が続いています。

特に三尾地区では、貫入岩の流紋岩質デイサイトの美しい柱状節理からなる「三尾大島」が素晴らしい景観をみせてくれます。遊覧船からは三尾大島をはじめ、柱状節理・岩脈・洞門などが多くの地学現象が観察されます。

香住海岸【かすみかいがん】

 

香住海岸【かすみかいがん】

・鷹ノ巣島


・めがね洞門

・香美町香住区境~下浜
・国指定名勝

●山陰海岸における最も湾入に富んだ隆起海岸
山陰海岸における最も湾入に富んだ隆起海岸で、入り組んだ海岸美や洞門、奇岩が点在しています。
香美町香住区の境~下浜に至る海岸線を指し、複雑に屈曲した海岸線に、無数の洞窟や断崖、奇岩が連なり見事な造形美をつくり出しています。
エリア内には国指定天然記念物の鎧の袖や鷹ノ巣島、但馬松島、めがね洞門などの景勝地があります。特に遊覧船からはさまざまな地質が見られます。
また、海岸の岩場には多くの動物の足跡化石や流痕など貴重な地質遺産が多数残されています。昭和13年(1938)5月には国の名勝に指定されました。

切浜の「はさかり岩」【きりはまのはさかりいわ】

 

切浜の「はさかり岩」【きりはまのはさかりいわ】

・県指定文化財
・豊岡市竹野町切浜

●2本の礫岩の間に挟まった球状の礫岩
はさかりとは但馬の方言で「挟まる」という意味で、
海中から突き出た2本のロウソクのような岩の間に、直径3~4メートルの球状の岩が挟まれて奇観を形成しています。洞門の天井部が崩れ落ちる途中でひっかかって止まったものと考えられています。
道路脇にはロードパークがあり、また、ジオカヌーに乗って海から見ると、陸側とは違った景観を見ることができます。