出雲岩・空を飛んだ馬 |
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大国主命が飛び乗った伝承の岩その昔、大国主命が賊に襲われて、遠くから新温泉町の塩山まで馬に乗って逃げてきました。そこには、高さ10メートル、横幅7メートルもある「出雲岩」と呼ばれる大きな岩があって、大国主命はそこで休んでいました。 しかし、賊の大軍がどんどん押し寄せてきて、絶体絶命のピンチにおちいった大国主命。「出雲岩」の下は断崖絶壁であり、逃げ場を失った大国主命は、どこか逃げる場所はないかとあたりを見回します。すると、遠く向こうに大きな森が見えました。 「これは、しめた!」と思った大国主命は、祈りをささげつつ、乗っていた馬もろとも「出雲岩」から飛び立ちました。 すると、神の力か、大国主命は空を飛び、着いたところが隣村の飯野にある「さるが滝」というところに着地します。そこにも大きな岩があり、その岩に馬のくらをかけて休まれ、最大の危機から脱出したそうです。その岩を地元の人は、「くらかけ岩」と呼んでいます。休息をして力を取り戻した大国主命は、さらに飯野を飛び越えて雲に乗り、遠く出雲の地(今の島根県出雲地域)まで、飛んで行かれたと伝わっています。 地元にある「出雲岩」と「くらかけ岩」には、今でも馬のひずめの跡が残っているそうで、新温泉町塩山から飯野へ、大国主命が谷を飛び越えた跡とされています。
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