コウノトリ
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鎌田のイヌマキ【かまたのいぬまき】
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●民家の庭にどっしりと構えた常緑針葉高木 このイヌマキは、樹高は13.74mと低いですが、幹周りは2.84mと大きく、樹齢は300年と推定されています。樹勢は旺盛で枝張りは東西、南北ともに14m前後あります。マキ科の常緑針葉高木で、日本には多く植栽されており、本州中部や九州には自生種があると言われています。 イヌマキの俗称は全国各地に多く、また語源も諸説あります。古くは、杉のことを真木(マキ)と呼んでいだことから、これに対してこの種をそれよりも劣るものとして「イヌマキ」とさげすんで呼んだといわれます。また、クサマキは材の臭さから、ホンマキは正品のマキ、などの説もあります。とはいえ、材の使用に関しては、それほど劣るものではなく、特に水に強い木です。 |
延応寺の大ケヤキ【えんおうじのおおけやき】
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●生野義挙ゆかりの寺に残る巨木 朝来市生野町口銀谷の延応寺は、延応元年(1239年)に創建され、町内に現存するお寺の中では、一番古い真言宗の寺。四条天皇が時の名をとって名前をつけられたという、由緒深い古刹です。また、幕末期の生野義挙の際に、志士・平野国臣ら30数名がここに集まり、倒幕運動の策を練ったことでも知られています。 この延応寺の観音堂前にある大ケヤキは、樹齢400年以上といわれる老巨木。県の天然記念物にも指定されています。樹高30m、幹まわり8.6mで、地上6.7mのところで幹は3方向に分岐していて、その内1本は落雷により折損しました。しかし、銅板でしっかりと保護されていて、樹勢は衰えていません。枝張りは東西25m、南北に30mあり、威風堂々とそびえ立っています。 伝説によれば、延応年間に本堂が火災におおわれたとき、千手観音が飛鳥のように舞い上がって、この大ケヤキにとまり、難を逃れたといいます。ある日、長遍上人が大ケヤキの前を通り過ぎようとすると、ケヤキの梢に後光をさす千手観音を見つけ、この地に祀ったという伝承が残る名木です。 |
桑野本の大イチョウ【くわのもとのおおいちょう】
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●遠くからでも近くからでも圧倒される社叢の高木 県指定天然記念物である桑原神社の大イチョウは、本殿の傍らにあり、しっかりとした根張りの基部にまっすぐに天をつかまんばかりの幹がグンと伸び上がっています。樹高44m、樹幹8.45m。遠くから見ても、樹下に入って見上げてみても、圧倒される大きな樹です。地表から4mの地点で、初めての枝を分岐し次々と上へ分岐を重ねて梢へと達しています。 イチョウは雄株と雌株がある雌雄異種で、4月にそれぞれの株に花をつけます。しかし葉の展開が同時であることと、色が淡緑系のため、ほとんど気づくことはありません。この樹は雄。地元では古くからご神木として大切にされており、イチョウの葉が全て落ちると、次の日には雪が降るといわれています。 |
天神社のトチノキ【あまじんじゃのとちのき】
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●樹齢約400年、兵庫県下随一の大きさを誇るトチノキ 幹周7.58m、株元ほど太く、樹高は30m。社叢の林縁にあり、すぐそばを細い渓流が流れています。地表から4m付近で太い枝を一本分枝して、さらに2m上で大きく分枝しながら整った樹形を作り上げています。樹勢良好で樹肌が美しく、巨樹の風格を漂わせています。 変化に富んだ社叢には、スギ、ケヤキ、イチョウの巨木の他、県下最大の幹周2.05mを誇るメグスリノキも存在します。太さ、高さのある数種の巨木が混在し、裏山には県下最大のブナが、谷向こうには巨大トチノキの自然林が残されています。このことから、人が住み着く前は、この天神社付近まで同様の樹種の連続があったのではないかと考えられています。この樹に次ぐ巨木は、豊岡市畑上の幹周7.2m、香美町小代区小長辿の幹周7.17mがあります。 |
別宮のオキナグサ自生地【べっくのおきなぐさじせいち】
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●兵庫県下でも珍しいオキナグサの群生 オキナグサは、春、日当たりのよい草原に生えるキンポウゲ科の多年草で、根生葉には長い柄があります。長さ20cmほどの茎につく葉には柄がありません。4月から5月頃、花柄の先に、つりがね形の長さ3cmほどの花を咲かせます。花びらの外側は白毛で覆われ、内側は暗赤紫色をしています。花が終わると、果実に細い綿毛が伸びて、翁の白髪にのように見えることから、和名を翁草(オキナグサ)といいます。養父市別宮(旧関宮町)の鉢伏山の山麓には、オキナグサの自生地があります。環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧種、兵庫県版のレッドデータブックでもAランクに位置づけられる希少種ですが、標高930m付近の東鉢スキー場の中のなだらかな斜面には、ヤマヤナギ・ススキ・イタドリ・アカツメグサなどと共にオキナグサが密集して生育しています。 |
ホードー杉【ほーどーすぎ】
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●とてつもなく大きな杉、ホードー杉 養父市大久保ムネ畑にある「ホードー杉」は、県下第3位の巨木です。大平頭(おおなるがしら)の南東斜面、標高1,150mという高地に、こんなに大きな杉があるのはとても珍しいことです。幹元から数本の主幹に枝分かれて広がり立ち上がる姿は、どっしりと風格に満ちており、樹齢は不明ですが1000年は下らないだろうといわれています。名前の由来もよくわかりませんが、おそらく「とてつもなく」大きな杉という意味ではないかといわれています。 幹元にある空洞に焼けこげた跡が見られるのは、悪天候に悩まされた人がこの空洞に避難して、暖をとるために火を燃やしたからだろうということですが、こんなりっぱな木のためにも、防火の面からもつつしまなければいけません。 |
ミツガシワ
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●澄んだ水があふれる湿地に群れ咲く白い花 カシワの葉に似た3個の小さな葉がミツバのようについているところから、「ミツガシワ」の名がついたといわれ、水の中から20~50cmの茎をすっくと伸ばして、先端に小さな白い花をたくさんつけます。白く小さな花びらの内側には、白い毛がたくさん生えている不思議な花です。池や沼の岸辺の湿地に群生する、多年生の抽水植物(浅い水に生活し、根は水底にあって、茎・葉を高く水の上に伸ばす植物)で、清らかな水にしか育ちません。花が咲くのは5~7月、地下茎は1cm近くもの太さがあり、縦横無尽に走っています。中国では葉を乾燥したものを睡菜、または瞑菜といって、睡眠薬としました。苦味配糖体メリアチンを含み、古来から健胃・解熱・駆虫などの薬に用いられてきました。 ●氷河時代から生き残った貴重な植物 |
ヤマドリゼンマイ
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●鉢伏高原のような群落は珍しいヤマドリゼンマイ ヤマドリゼンマイは、やや高い山地の湿地に生える夏緑色のシダで、山地湿地の指標植物ともいえるもので、日本では中部地方の湿原に多く分布しています。兵庫県の各地にも生えていますが、鉢伏高原のような群落は西日本では珍しく、1965年、県の天然記念物に指定されています。 株は群生することが多く、根茎から葉がかたまって出るので束のように生えます。新芽が出るときは赤褐色の綿毛をかぶっていますが夏までに徐々になくなります。葉は栄養葉と胞子葉に分かれており、栄養葉は長さ30~80cm、幅15~25cmくらいで直立して生えます。 |
ザゼンソウ
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●山々に春を告げる、ザゼンソウの群生地 3月下旬、残雪の中からザゼンソウの花が顔をのぞかせる頃になると、但馬の山々にも本格的な春がやってきます。香美町村岡区ハチ北高原の標高700m付近には、およそ1.5ヘクタールに3,000株を越えるザゼンソウが自生しています。 ザゼンソウは、サトイモ科の植物で、本州中部から北の谷間に分布する多年生草木で、西日本のハチ北高原にこれだけ群生しているのは珍しく貴重な存在として、1971年に県の天然記念物に指定されています。 ザゼンソウの花は花弁のないたくさんの花が集まって、こん棒状になっており、これを肉穂花序と呼びます。この花序を包みこむ暗紅色の大きな苞(ほう)が「仏炎苞」で、その花が法衣を着て座禅を組んだ僧の姿に、苞が仏像の光背に似ているところからこの名がつきました。開花期は3月から5月。 |